WALL DECO NOTE
ウィリアム・モリス
私の創作は、夢を具現化したもの

芸術家・哲学者そして政治的思想家でもあったウィリアム・モリスは、アーツアンドクラフトの動きの中で最も突出した、影響力の強いデザイナーの一人でした。経営するモリス商会を通じて、彼はその時代においていくつかの最もファッショナブルで刺激的な布と壁紙を作り出しました。モリスの壁紙のデザインは、よく知られている彼の作品の代表例の一つで、彼自身のキャリアにおいて自ら46の壁紙と5つの天井紙を創り出しました。

他のデザイナー、特にジョン・ヘンリー・ダール(後にモリス商会のアートディレクターになる)も同社のコレクションに貢献しました。モリス自身は、ダール等に任せながらも彼のデザインの生産、色の選択、そして印刷工程の監督には密接に携わり続けました。

ウィリアム・モリスの遺産は、今日でもモリス商会とともに引き継がれております。モリスのオリジナルのデザインを確かに継承しながら、一方では普遍的にアピールする壁紙を追及するために革新的なプリント技術も駆使しているのです。

WILLIAM MORRIS, artist, philosopher and political theorist, was one of the most outstanding and inferential designer of the Arts & Crafts Movement and through his company, Morris & Co. he produced some of the most fashionable and exciting turtles and wallpapers of his era. Morris' wallpaper designs are among the best known examples of his work and he personally designed 46 wallpapers and 5 ceiling papers over his career. Other designs, most notably J.H.Dearle, who later became Artistic Director of the film also contributed to the collections. Morris remained closely involved in the production of his designs, choosing the colours and overseeing the printing.

HIS LEAGCY continues today with Morris & Co. producing authentic versions of his original design alongside new interpretations, using innovative print techniques to create up to date wallpapers with timeless appeal.

生活のためのデザイン、生活のための芸術

近代デザイナーの元祖的存在であるウイリアム・モリスが、ロンドン郊外のウォルサムストウに生まれたのは、150余年前の1834年でした。彼は幼い頃より中世のロマンスの世界に憧れ、オックスフォード運動の余波や、ラスキン・ピュージン・ラファエル前派の影響を受けます。

芸術的な生活と政治的生活、喜びと労働、芸術と一般の生活を首尾よく再統合する唯一の方法として社会主義の影響を多大に受け、また宗教的・芸術的情熱の発露を建築に見出し、モリスが新婚生活を送るために建てた”世界で一番美しい家”と呼ばれた「レッドハウス(1860)」は、壁紙、カーペット、タペストリー、戸棚など、家具や調度品の類もすべてモリスと友人たちの手によって作られました。これを機に仲間と共に、モリス・マーシャル・フォークナー商会を設立し、「すべての装飾の仕事には芸術的監督が必要」と言う考えを実践に移しました。

1880年代には、モリス商会と同じ理想を掲げた工房、アトリエが多く生まれ、それらは、1888年に「アーツ・アンド・クラフツ展示会協会」を組織して、作品発表を行うまでになります。モリスたちの芸術運動を、アーツ・アンド・クラフツ運動とよぶのは、このためであります。

ウォルター・クイレン、A・H・マクマードゥ、ルイス・F・ディらの才能溢れる装飾家たちがここに集まり、生活のためのデザイン、生活のための芸術を生み出してゆき、モリスはその中心的な存在であり、後に近代デザインの誕生へと結びつくことになります。

このモリスの芸術と仕事、そして日常生活の統合という理念のもとに、多岐にわたった活動は、現在においても多大な影響を及ぼしています。
インテリアの分野においては、彼のデザインした作品が、壁紙やファブリックとして多くの人々に愛されています。

アーツアンドクラフツ
モリスのデザイン運動と影響

ウィリアム・モリスの存命中には、サンダーソン社との間に接点はありませんでしたが、生前モリスが創業したモリス商会(MORRIS&Co.)は製品製作をJeffry&Co.に委託しており、その後同社はサンダーソン社に吸収合併されることになります。Jeffry社はW・モリスのイメージに沿った製品の仕上げを行うために、特別な染料を使うなどW・モリスのこだわりに応えており、同氏の死後もその原画、木版(ウッドブロック)もJeffry社が所有を継続していました。サンダーソン社はこのコレクションをそのまま引継ぎ、1950年台に機械式のサーフェイスプリントの手法にて蘇らせています。以後、再びモリスのオリジナルに近い表現のされた壁紙が世界中に流通することとなっています。

パネルデコレ—ション
印刷の特長 サーフェイスプリント

サーフェイスプリントは一般的にフレキソ印刷などを含めた凸版印刷(版画のような印刷手法)の総称です。しかし、壁紙などの印刷手法で「サーフェイスプリント」と呼ばれる手法は、ウッド・ブロックプリント(版木を使った手刷りの手法)で仕上げられたもののイメージに非常に近い風合いを持って印刷されている特別な意味合いを持っています。現在では、サーフェイスプリントの印刷設備を持ったメーカーも世界的にも限られたものになっています。

この、サーフェイスプリントの特長は、印刷時のエッジのインクだまりや、ベタ部分のインクの泣き、インクの重なりに滲みが出ることなどに特長を持ち、機械的にブロックプリントを再現したようなもので、味わいのある仕上がりが他には無い表現手法となっています。

英国で生産されるウィリアム・モリスの壁紙は、このサーフェイスプリントの手法で印刷されています。

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