視覚で世界を捉える人のための間仕切りカーテン
DATE: 2024-05-07
- カーテン
リリカラは、視覚で世界を捉える人々のためのワーキング・プレイス「5005」と新たな取り組みを行いました。
5005のデフスペースに、視覚で世界を捉える人々(ろう者・難聴者・ろう者の家族をもつ聴者の方々など)が、どのようなカーテンを必要としているか、意見交換を行い、間仕切りカーテンを提案いたしました。その結果、新たな気づきを得ることができましたので、今回のリリカラノートでご紹介いたします。
5005とは
視覚で世界を捉える人々(ろう者・難聴者・ろう者の家族をもつ聴者たちなど)が交流したり、独自の文化を発信したりするワーキング・スペースです。
5005は、入口をガラス張りにし見通しをよくすることで、音が聞こえなくても人の気配を感じることができるようにしたり、自由に動かせる照明で手元を明るく照らし手話が見えにくくなるストレスを軽減したりと、経験とアイディアが詰まった空間となっています。
デフスペースとは
手話などの視覚言語でコミュニケーションがとりやすい設備等を取り入れ、ろう者の方が心地よく過ごせるよう設計された空間のことです。「ろう者の優れた部分を活かそう、ろう文化を活かそう」を背景に、アメリカの聾学校・ギャローデット大学で生まれ、広まった考え方です。
5005は、日本で初めてデフスペースの考え方を取り入れた施設となります。
① 5005との出会いときっかけ
コロナにより「空間を間仕切る」という新しい生活様式が多く見られるようになった時期、テレビ番組で間仕切りカーテンの紹介を視聴したことが5005との出会いでした。
また、5005の空間に間仕切りとして使用されていたカーテンに、リリカラの「1枚掛け」デザインシアーシリーズ『Inbetween coordination2』がピッタリなのではないかと感じたことが、今回のプロジェクトを始めるきっかけとなりました。
② リリカラからの提案
まず、リリカラから「1枚掛け」デザインシアーシリーズ『Inbetween coordination2』より8点を選定し、ご提案いたしました。このシリーズは表裏がなく、程よい遮蔽性と1枚で空間の主役になるデザイン性の高いシアーカーテンです。
ご提案した8点を実際に5005に掛けていただき、ろう者の方に「どのようなカーテンが良いか」アンケートを取っていただきました。
③ ヒアリング
ところで、5005ではなぜ間仕切りとして広く流通されているパーテーションではなく、カーテンを使用するのでしょうか。この点についても伺ってみました。
私達は秘密の話をする際、他人に聞かれないように声のボリュームを下げてそっと口元を手で隠すことがあるかと思います。しかし、手話を使用する場合は、視覚で会話内容が分かってしまうため、物理的に手話が見えないよう遮断する必要があります。
ただ、パーテーションのように固く閉ざされた空間は、狭く、苦しく感じるため「人の気配を程よく感じられる仕切り」や「自由に空間を仕切れる」間仕切りカーテンが必要とされているとのことでした。
④ 要望に合う提案
ろう者の方へ実施したアンケートで、以下3点が間仕切りカーテンに重要であることが分かりました。
A.柄は目にうるさい印象のため、無地が良い。
柄のあるカーテンは、手話をする際に“目にうるさい”という印象をうけます。これは、雑音の中で会話をするのと同じようなものです。
B.会話(手話)を見られたくないが、人の存在を程よく感じるものが良い。
C.外からの光を取り入れられるものが良い。
A~Cを基にして、改めてろう者の方が求める「無地で人の気配を程よく感じる透け感」に最適なカーテンを選定し、納品する運びとなりました。
⑤ 納品
アンケートやご要望から、機能性や素材感の異なる2点のレースを納品しました。
さらに、ろう者の方が求めるカーテンにできるだけ近づけられるよう、透け感調整のためにヒダ倍率を変更するなど縫製方法での工夫も行いました。
まとめ
デザイン一つとっても、使用する人によって色々な感じ方があると改めて気づくことができた取り組みとなりました。この取り組みの経験を活かし、これからもリリカラはインテリアを通して「快適に過ごせる空間作り」について、より一層考えていきたいと思います。
5005 HP:https://5005place.com
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