従業員の健康管理やオフィス環境改善にお悩みではありませんか?
近年、健康経営や働き方改革を推進する企業を中心に「スタンディングワーク」が注目を集めています。GoogleやAppleなどグローバル企業をはじめ、国内の先進企業でも導入が進んでいる働き方です。
座りすぎによる健康リスクが指摘される中、立ち仕事を取り入れることで従業員の健康維持だけでなく、生産性向上や離職率低下といった経営面でのメリットも報告されています。しかし、「本当に効果があるのか」「どう導入すればいいのか」「コストに見合うのか」といった疑問を抱く担当者の方も多いのではないでしょうか。
この記事では、実際に導入している企業の効果と実態から、段階的な導入プロセス、デスク選定のポイント、そして失敗しないための注意点まで、50年以上のオフィス構築実績を持つリリカラが企業向けに詳しく解説します。

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目次
スタンディングワークとは?企業が注目する理由
スタンディングワークとは、高さを調整できる昇降式デスクや、立ち姿勢でも使えるハイデスクを活用して、座ったり立ったりを自由に切り替えながら働くスタイルを指します。
「座りすぎ」が企業にもたらすリスク
WHO(世界保健機関)の報告によると、長時間座り続けることは健康リスクを高め、糖尿病や心疾患、さらには死亡率の上昇にも関連すると指摘されています。従業員の健康悪化は、医療費負担の増加や生産性の低下、離職率の上昇など、企業経営にも直接的な影響を及ぼします。
こうした背景から、「健康経営」を推進する企業が、従業員の座りすぎ対策としてスタンディングワークを導入するケースが増えています。
グローバル企業から国へ広がる導入
GoogleやApple、Facebookといった海外のテック企業では、すでに昇降デスクがオフィスの標準装備となっています。日本国内でも、IT企業や広告代理店、コンサルティングファームなど、オフィス環境に力を入れる企業を中心に導入が進んでいます。
どのような業務に適しているか
スタンディングワークは、すべての業務に適しているわけではありません。以下のような業務との相性が良いとされています。

- 短時間のタスク
メール対応、チャット返信、資料の確認など - 会議・打ち合わせ
スタンディングミーティングは時間短縮に効果的 - ブレインストーミング
立つことで発想が活性化されるという報告も - 眠気対策
昼食後など眠くなりやすい時間帯の業務に有効
※長時間のプログラミングや細かいデザイン作業など、高度な集中を要する業務は座った姿勢の方が適している場合もありますが、行き詰まった際のアイデア出しや気分転換には立ち姿勢に切り替えることが効果的です。業務内容やその時々のコンディションに応じて柔軟に選択できる環境が理想的です。
導入企業が実感している5つの効果
実際にスタンディングワークを導入した企業からは、従業員の健康面だけでなく、業務効率や組織運営の面でも様々な効果が報告されています。ここでは、多くの企業で実感されている5つの効果をご紹介します。
効果1:腰痛・肩こりなど身体的不調の軽減
座位と立位を定期的に切り替えることで、特定の筋肉や関節への負担が分散されます。長時間同じ姿勢を続けることで起こる腰痛や肩こりを予防・軽減できるため、デスクワーク中心の職場で導入が進んでいます。
効果2:眠気の解消と集中力の持続
立った姿勢では座っているときよりも眠気を感じにくくなります。特に昼食後の時間帯に姿勢を変えることで、集中力を維持したまま業務を継続できるため、生産性を重視する企業で積極的に取り入れられています。
効果3:従業員満足度の向上
オフィス環境への投資は、従業員にとって「会社が自分たちの健康を大切にしている」というメッセージになります。働き方の選択肢を提供することで、従業員満足度や定着率の向上につながるため、採用競争力を高めたい企業で導入が進んでいます。
効果4:会議時間の短縮と効率化
立ったまま行う「スタンディングミーティング」は、会議時間の短縮に効果的です。立っていることで適度な疲労感があり、要点を絞った効率的な会議を実現するため、会議が長引きがちな組織で取り入れられています。
効果5:オフィスレイアウトの柔軟性向上
昇降デスクを導入すると、「集中作業は立って」「会議は座って」など、業務に応じた場所の使い分けが自然に生まれます。フリーアドレスやABW(Activity Based Working=業務内容に合わせて最適な場所を選んで働くスタイル)といった柔軟な働き方を推進したい企業で、昇降デスクが活用されています。
導入事例:昇降デスクを導入した事例3つ
実際に昇降デスクを導入し、効果的なオフィス環境を構築した事例を3社ご紹介します。
某外資系総合商社 様(約730㎡/約221坪)


東京都港区にある某外資系総合商社様では、約70名の社員が働くオフィスリニューアルにおいて、眺望の良い窓側に上下昇降デスクを導入しました。固定席を基本としながらも、業務内容や気分に合わせて働く場所を選べる環境を整備。集中したい時やリフレッシュしたい時に、立ち姿勢を取り入れることで、長時間の着座による疲労を軽減し、生産性の向上を図っています。ファミレスベンチや集中ブースなどの多様なスペースを設けることで、目的に合わせた場所の選択と、スムーズなオン・オフの切り替えを可能にしています。
首都高アソシエイト株式会社 様(約520㎡/157坪)

首都高アソシエイト株式会社様では、フリーアドレス化とともに昇降デスクを導入。昇降デスクはあえて「人が大勢いる方に背中を向けて」設置することで、視界に余計なものが入らない集中しやすい環境を実現しました。立ち姿勢で業務に取り組むことで作業効率が向上したほか、「ランチ後に立って仕事をすると眠くならない」という実感の声も上がっています。定量調査こそ行っていないものの、新オフィス移転後は社員が早く退社できるようになるなど、生産性向上を実感。昇降デスクは集中ブースとともに「すでに好評」との声も届いており、働く姿勢の選択肢を広げることが従業員満足度と業務効率の両立につながる好例となっています。
明治アニマルヘルス株式会社 様(約600㎡/約181坪)

明治アニマルヘルス株式会社様では、オフィス移転を機に「12種類の座席でワーカーの自由な働き方をサポートする」環境を構築。その中核の一つとして上下昇降デスクを導入し、健康面への配慮とダイバーシティの実現を図りました。身体の状態や業務内容に応じて立ち座りを切り替えられる環境は、長時間勤務による身体的負担を軽減するとともに、さまざまな働き方のニーズに対応できる柔軟なオフィスづくりにも貢献しています。ブース席やオープンMTGエリアなど多彩なワークスポットと組み合わせることで、社員一人ひとりが最適な姿勢・場所を選べる「自律的な働き方」を実現しています。
導入効果のまとめ
上記の事例からも分かるように、昇降デスクの導入は単なる健康対策にとどまりません。窓際などの開放的な場所に配置することで、リフレッシュ効果を最大化し、社員が自律的に「集中」と「緩和」をコントロールできる環境を提供することが可能です。
企業がオフィス環境に投資することは、社員のエンゲージメント向上や、優秀な人材の確保にも繋がる重要な経営戦略の一つと言えるでしょう。
企業向け:導入の進め方
スタンディングワークは、すべての従業員に必須ではなく、効果的なシーンや好む社員がいることを前提に導入を検討するものです。まずはコンセプトを持って一部エリアに導入し、実際に使う従業員の意見を吸い上げる仕組みを作っておくことが重要です。その後、集まった意見をもとに評価を行い、必要に応じて拡大を検討するのが良いでしょう。
導入時のポイント
まずは特定のエリア(フリーアドレス席、リフレッシュスペース、ミーティングエリアなど)に数台導入します。利用状況や従業員の反応を観察できる環境を整えましょう。
- 導入目的とコンセプトを明確にする(例:集中作業エリア、短時間タスク用、会議スペース)
- 使い方の簡単なガイドを提示する
- 定期的なアンケートや意見箱で従業員の声を集める仕組みを作る
- 利用率や使われ方をモニタリングする
評価と次のステップ
一定期間(3〜6ヶ月程度)運用した後、集まった意見をもとに効果を評価します。
- どのようなシーンで使われているか(集中作業、会議、リフレッシュなど)
- どの時間帯に利用が多いか
- 従業員からの具体的なフィードバック(良い点・改善点)
- 健康面や業務効率への影響
評価結果に基づいて、「他のエリアにも展開する」「デスクタイプを変更する」「現状維持」など、柔軟に判断することができます。
【ポイント】従業員の自律的な使い方を尊重する
「1時間に10分は立つべき」といった厳格なルールは設けず、「必要なときに自由に使える選択肢」として提供することが重要です。無理な促進はせず、使いたい人が使える環境を整えることが長続きの秘訣です。
最適なデスク高さの設定方法【計算式・早見表】
スタンディングワークを快適に行うためには、デスクの高さが従業員の体格に合っていることが最も重要です。高さが合わないと、かえって肩こりや姿勢の悪化を招いてしまいます。
以下の計算式や早見表を社内掲示板やメール、イントラネットなどで周知することで、従業員が自分に合った高さで使えるようになります。これにより、従業員満足度の向上や生産性向上という本来の目的に合った使い方が実現できます。
【知っておきたいオフィス知識】最適な高さの計算式
一般的に、スタンディングデスクの最適な高さは以下の計算式で求められます。
椅子(座面)の高さ + 差尺 =
最適なデスク高さの目安
※座面高:身長 × 1/4、差尺:身長 × 1/6
※靴のヒールの高さも考慮するとより正確です。
※上記の計算式や数値は、日本オフィス家具協会(JOIFA)の「安心・安全なイスの選び方」を参考にしています。
身長別・最適なデスク高さ早見表
計算式に基づいた、身長別の目安となる高さです。従業員の平均身長を基準に検討する際の参考にしてください。
| 身長 (cm) | デスク天板の高さ目安 (cm) |
|---|---|
| 140~149 | 約58~62cm |
| 150~159 | 約63~66cm |
| 160~169 | 約67~70㎝ |
| 170~179 | 約71~75㎝ |
| 180~189 | 約75~80㎝ |
従業員向けセルフチェックリスト
導入後、従業員が自分に合った高さで働けるよう、手軽に使えるチェックリストをご用意しました。
デスクの高さ調整だけでなく、座り姿勢での最適な高さについても知りたい方は、以下の記事もぜひ参考にしてください。
昇降デスクの種類とタイプ別の特徴
昇降デスクにはいくつかのタイプがあり、それぞれ特徴が異なります。ここでは、主な4つのタイプをご紹介します。
| タイプ | 電動昇降式 | ガス圧式 | 手動昇降式 | 卓上タイプ |
|---|---|---|---|---|
| 特徴 | ボタン一つで高さを無段階に調整可能 | レバー操作で高さを調整 | ハンドルを回して調整 | 既存のデスクの上に置いて使用 |
| メリット | 調整が楽で頻繁な切り替えに最適 メモリ機能付きなら設定不要 |
電源不要で設置場所を選ばない 調整が比較的スムーズ |
安価に導入できる 電源不要 |
今のデスクをそのまま使える 導入コストが低い |
| デメリット | 価格が高め 電源の確保が必要 |
下げる際に少し力が必要 耐荷重に制限がある場合も |
調整に手間がかかるため 頻繁な切り替えには不向き |
作業スペースが狭くなる デスク上が圧迫される |
| 適したシーン | 全社導入、個人席 | フリーアドレス席、共有スペース | トライアル導入、予算重視 | 小規模トライアル、予算限定 |
電動昇降式
特徴:ボタン一つで高さを無段階に調整可能
メリット:調整が楽で頻繁な切り替えに最適
メモリ機能付きなら設定不要
デメリット:価格が高め
電源の確保が必要
適したシーン:全社導入、個人席
ガス圧式
特徴:レバー操作で高さを調整
メリット:電源不要で設置場所を選ばない
調整が比較的スムーズ
デメリット:下げる際に少し力が必要
耐荷重に制限がある場合も
適したシーン:フリーアドレス席、共有スペース
手動昇降式
特徴:ハンドルを回して調整
メリット:安価に導入できる
電源不要
デメリット:調整に手間がかかるため
頻繁な切り替えには不向き
適したシーン:トライアル導入、予算重視
卓上タイプ
特徴:既存のデスクの上に置いて使用
メリット:今のデスクをそのまま使える
導入コストが低い
デメリット:作業スペースが狭くなる
デスク上が圧迫される
適したシーン:小規模トライアル、予算限定
外部モニター利用時の重要な注意点
最近、多くの企業で外部モニターを導入していますが、昇降デスクの場合はモニターアームの設置が必須です。
デスク天板に直接置くタイプのモニターは、昇降時に転倒や落下のリスクがあり危険です。現在、置くタイプのモニターを利用しているオフィスでは、昇降デスク導入時にモニターアームへの切り替えも併せて検討する必要があります。
- 安全性
昇降時のモニター転倒・落下を防止 - 高さ調整
立ち姿勢でも目線に合わせてモニター位置を調整可能 - デスク面の有効活用
モニター台座がなくなり作業スペースが広がる
選定時のチェックポイント
- 昇降範囲
従業員の平均身長に対応できる範囲か(一般的には65〜125cm程度) - 天板サイズ
PC、モニター、資料を置くのに十分な広さがあるか(幅120cm以上推奨) - 安定性
高くした際にぐらつきがないか。キーボード入力時の揺れはストレスになります - 耐荷重
モニターアームやデスクトップPCを置く場合は、耐荷重を確認(50kg以上推奨) - 操作性
従業員が毎日使うものなので、操作のしやすさは重要 - 保証とサポート
故障時のメーカー対応、保証期間も確認
導入効果を高める周辺アイテム
昇降デスクだけでなく、周辺アイテムを整えることで従業員の快適性が大幅に向上し、継続利用につながります。
推奨アイテム
- 疲労軽減マット
立ち仕事の足への負担を軽減。 - モニターアーム
立ち姿勢でも目線に合わせて高さ調整できる - ケーブルトレー
昇降時にケーブルが引っかからないよう整理 - フットレスト
立ち姿勢でも片足を乗せて姿勢を変えられる - 昇降デスク利用ガイド
従業員向けの使い方マニュアルを作成(フリーアドレスの場合は次の利用者のために標準高さに戻す、など)
企業での活用シーン
スタンディングワークは、オフィスの様々な場所で活用されています。ここでは、代表的な活用シーンをご紹介します。
活用シーン1:執務エリア

全席を電動昇降デスクにする企業も増えていますが、コスト面で難しい場合は、一部のエリアに昇降デスクを導入し、フリーアドレス制と組み合わせて運用する方法も効果的です。「集中したいときは昇降デスク席へ」といった使い方ができます。
活用シーン2:ミーティングスペース

会議室やオープンスペースにハイテーブルを設置し、立って会議を行うスタイルです。「スタンディングミーティング」は、会議の時短効果や、活発な意見交換を促す効果が期待できます。
活用シーン3:リフレッシュエリア

窓際などにハイカウンターを設置し、気分転換に外を眺めながら仕事ができるスペースを作るのもおすすめです。カフェのような雰囲気で、リラックスしながら作業に取り組めます。
よくある質問(企業担当者向け)
Q1. 全社導入すべきか、一部から始めるべきか?
まずは一部部署やフリーアドレス席から試験導入し、効果を検証してから段階的に拡大することを推奨します。いきなり全社展開すると、コストが大きくなるだけでなく、従業員の反応や利用率を見極めることができません。
Q2. 従業員から「使いにくい」という反発はありませんか?
導入時の説明が不足していると、抵抗感を持たれることがあります。「なぜ導入するのか」「どう使えばいいのか」を丁寧に説明し、無理に使用を強制しないことが重要です。あくまで「選択肢の一つ」として提供することで、受け入れられやすくなります。
Q3. リースや分割払いは可能ですか?
多くのオフィス家具メーカーがリース契約や分割払いに対応しています。初期投資を抑えたい場合は、リース契約を活用するのも一つの方法です。
Q4. メンテナンスや故障時の対応はどうすればいい?
購入時にメーカーの保証内容を確認しましょう。電動昇降デスクの場合、モーター部分の故障が想定されるため、保証期間や修理対応の有無は重要なポイントです。
Q5. 導入効果を測定する方法はありますか?
以下の指標で効果を測定できます。
- 従業員満足度アンケート(導入前後の比較)
- 健康診断での不調訴えの変化(腰痛・肩こり等)
- 利用率の測定(どの時間帯に使われているか)
- 会議時間の変化(スタンディングミーティング導入の場合)
まとめ
スタンディングワークは、従業員の健康を守り、企業の生産性を高めるための有効な施策です。「座りすぎ」による健康リスクが指摘される中、オフィス環境に力を入れる企業では、すでに標準的な働き方として定着しつつあります。
【本記事のポイント】
- 導入企業では、腰痛・肩こり軽減、従業員満足度向上など多くの効果が報告されている
- トライアル→効果検証→段階的拡大→定着という4ステップで進めることが成功の鍵
- デスクの高さ設定(身長×1/6)と周辺アイテムの整備が快適性を左右する
- 全社展開ではなく、まずは一部から始めて効果を見極めることが重要
「自社のオフィスに合った導入方法を相談したい」「実際の昇降デスクを見てみたい」という企業担当者の方は、ぜひリリカラにご相談ください。50年以上のオフィス構築実績と30,000件以上の支援実績を持つプロフェッショナルチームが、貴社に最適な導入プランをご提案します。
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