【視覚を超えた気づき】ダイアログ・イン・ザ・ダークで発見した、サステナブルな社会へのヒント - コラム|オフィス移転・内装レイアウト・デザインならリリカラ株式会社

【視覚を超えた気づき】ダイアログ・イン・ザ・ダークで発見した、サステナブルな社会へのヒント 

公開日 更新日

皆さまこんにちは!
「働く場を・社会をもっとサステナブルに」というスローガンを掲げるリリカラのサステナビリティへの取り組みを不定期でレポートしています。  

今回は、プロジェクトメンバーのインプットの一環として参加した「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」の体験レポートをお届けします。この取り組みは、完全に光を遮断した空間の中で、視覚障害者の方がアテンド役を務める“暗闇のエンターテインメント”です。ぜひ最後までご覧ください。 

※本記事では、音声読み上げ機能での誤読防止と可読性を考慮し、「障がい」ではなく「障害」の表記を使用しています。

純度100%の暗闇体験 

今回参加したプログラムは「暗闇の中の列車に乗って出かけよう。さぁ、能登へ!キハ40に乗って春の旅」。実際に運航していた「キハ40」という車両に乗り込み、暗闇の中で能登の風景や空気に思いを馳せる、そんな体験型の旅です。 

今回一緒に参加するのは6名。暗闇に入る前には、白杖(はくじょう)と反対の手の使い方を教えてもらいます。白杖で足元を確認しながら、もう一方の手で顔の前に障害物がないか探る、視覚以外の感覚を頼りに歩くための基本動作です。
ここで印象的だったのが、「手の甲で探る」という指導。つい指先で確認しようとしてしまいがちですが、それでは突き指などの危険があるとのこと。見えることが当たり前だった自分に、思わずハッとさせられました。
そしていよいよ、一寸先も見えない純度100%の暗闇へ足を踏み入れます。 

能登の春を旅するようなプログラムが始まります。当然ながら目からの情報は一切得られず、音やにおい、手や足元から伝わる感触、そして言葉でのやりとりなど、視覚以外のあらゆる感覚とコミュニケーションを総動員して、世界を感じ取っていきました。 

列車に乗り込み、能登に向かい、散策する――すべてが人生で初めての“完全なる暗闇”での体験でした。 

体験前に説明を受けている様子

体験前に説明を受けます。緊張しています。

暗闇での気づき 

手探りで進む暗闇の中、見えない相手と“声”だけで信頼関係を築いていく。目の前が見えないというだけで、いかに自分の行動が制限され、不安になるかを痛感しました。 

杖の音と感触だけを頼りにしていた自分に、誰かが「段差ありますよ」と声をかけたことで、場の空気が一変しました。その一言がまるで灯りのように空間を照らし、私自身も自然と声を返すようになっていました。 

アテンドの方の落ち着いた声に導かれながら、“声”というコミュニケーションの持つ力の大きさに気づかされます。表情や身振りに頼れないからこそ、声のトーンや言葉の選び方に、その人の人柄や温度感までもが伝わってくるのです。 

職場でも、家庭でも誰かをサポートする役割が多い日常の中で、この空間では完全に“助けられる側”。最初は戸惑いましたが、誰かに素直に頼ることの心地よさや、あたたかさを実感しました。終盤には「この空間から出たくない」とすら感じるように。見えないことも気にならなくなったのは、見えなくても感じられる仲間との確かなつながりがあったから、かもしれません。 

見えてきた「本来の力」 

視覚情報が遮断された中では、人の“声”や“言葉”、“気配”が主なコミュニケーション手段となります。その中で、特に印象に残ったのが、アテンド役の視覚障害者の方の動きの素早さや快活さでした。 

視覚以外の感覚の鋭さやアテンドの方自身の人間的魅力が、暗闇の中ではよりはっきりと感じられました。普段のマジョリティ社会の中では見過ごされがちな力が、むしろ強く浮かび上がってくる場面が幾度もあったのです。『本来の力を発揮できていない人が、今の社会には多く存在しているのではないか』そんな問いが、自然と心に沸き上がりました。 

プロジェクトとの重なりと得られた学び 

この体験は、まさに私たちのサステナブルプロジェクトの現在地と重なる部分がありました。不確実性に満ちた暗闇の中を進むような手探り感と、それでも声を掛け合い助け合えば前に進めるという実感。 

私たちが進めている“共創型のプロジェクト”においても、相互理解や協力の重要性をあらためて確認する機会となりました。 

体験後の学び 付箋に書き出して窓に貼っている

体験後の学び

サステナプロジェクトについて 

リリカラでは、事業領域とバリューチェーンを起点に7つのマテリアリティを策定し、それぞれに対応するタスクチームを組成して約3年間活動を続けてきました。 

このたび、活動の整理と集約を経て、2つのタスクチームに絞り込み、本格的な事業化フェーズへの移行を目指しています。今回の「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」での暗闇体験は、再スタートにあたっての第一歩として、視野を広げる大きなヒントを与えてくれました。 

おわりに 

もし、あなたが暗闇の中にいたとしたら、誰の声を信じ、どのように行動するでしょうか?そして、あなたの声が誰かの支えになっている場面もあるかもしれません。 
 
この体験から得た気づきは、サステナビリティの文脈に限らず、日々の仕事や組織のあり方にも通じると感じています。この記事が、読んでくださった皆さんにとって、それぞれの視点で何かを考えるきっかけになれば幸いです。 

< 今回参加したイベント >
ダイアログ・イン・ザ・ダーク

純度100%の暗闇”を探検し、視覚以外の様々な感覚やコミュニケーションを楽しむエンターテイメントです。案内人は暗闇のエキスパート、視覚障害者。真っ暗闇のエンターテイメントとして知られ、これまで約24万人が体験しています。

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