新型コロナウイルス感染症5類移行であらゆる行動制限や規則が緩和された中、感染症対策として購入したオフィスの飛沫防止用のアクリルパネルはどうされていますか?
そのまま捨てるのはもったいないですし、処分するにも費用が掛かってしまいます。
今回は、不要になったアクリルパネルを処分せずにリユース・リサイクルで有効活用するアイデアをご紹介します。廃棄物を減らし、環境への貢献を目指しましょう!
目次
不要になった飛沫防止パネルは、処分?保管?
コロナ禍において、各企業で飛沫防止用として透明アクリルパネルの設置が進みました。しかし新型コロナウイルス感染症5類移行によりそのアクリルパネルも必須ではなくなり、街中の飲食店や公共施設でも設置されていたパネルやシートが撤去され始めているのを目にします。
オフィスにおいても「撤去した」もしくは「そのまま継続」など企業によって対応・方針は様々で、環境省からも感染症対策用の備品類の取扱いについては、各事業者または業界ごとの判断に委ねられています。
2023年7月現在、飛沫感染防止用のパネルの取り扱いについては、東京都環境局から以下のような発表がされています。
パーテーションについては、引き続き感染対策として活用するほか、資源の有効利用の観点から、以下をご参考にお取り扱いください。
(1)「できる限り保管」をお願いします。
(2)リサイクル等については、日頃、廃プラスチックの処理を委託している事業者等へご相談ください。
(3)処理業者が見つからない場合には、下記のお問い合わせ先にご相談ください。
<お問い合わせ先>
一般社団法人 東京都産業資源循環協会
電話 03-5283-5455(代表)
受付時間 平日 10時~16時
休業日 土曜日、日曜日、祝日、12月29日~1月5日
つまり、現時点での飛沫防止パネルの取り扱いについては、「再流行に備えて保管する」もしくは「専門業者で処分・リサイクルする」ことが推奨されています。
新たな価値を付け再利用する『アップサイクル』市場の広がり
しかし、アクリルパネルを処分する場合は大きさに関わらず「産業廃棄物」に分類されるため、産廃処理業者に委託する必要があり、処分するにも手間と費用が掛かってしまいます。また、オフィスで保管する場合も一定のスペースが必要となるため、その保管場所に悩まれる方が多いのではないでしょうか。
そんな中、最近では環境への貢献という観点から、“ただ捨てるのではなく再利用する”という動きが広がっており、アクリルパネルのアップサイクルが注目されています。
それでは、早速オフィスの中で有効活用できるアクリルパネル再利用のアイデアをご紹介していきます。
不要になった飛沫防止パネルを再利用するアイデア
① サインプレートとして再利用
まず一つ目は、アクリルパネルをそのまま切って加工し、オフィスの受付サインやルームプレートとして再利用するアイデアです。

左の図のようにアクリルパネルをサイズに合わせてカットして再活用することで、ルームサインプレートとしてのアップサイクルが可能です。
こちらは実際に弊社リリカラにてお客様オフィスへの施工実績がございますので、ぜひお気軽にご相談ください。
② ペン立て・定規など小物として再利用
二つ目も、使用していたアクリルパネルをそのまま加工するアイデアのご紹介です。下のイメージのような簡易的なペン立てや定規など、オフィスで日常的に使用する小物として再利用することが可能です。

大量生産には少し時間が掛かりますが、以下の例のような小物であれば気軽に制作することができます。
【例】
ペン立て、定規、キーホルダー、スマホスタンド 等
上記以外にも「こんなものは制作できる?」といったご要望・ご質問お待ちしております!
アクリル加工の再利用についての詳細は、お気軽にお問い合わせください!
③ 循環型リサイクルで再生アクリルへ
三つ目は、再資源化の取り組みについてご紹介します。
緑川化成工業株式会社様では、不要になったアクリルパネルを産業廃棄物としてではなく、資源として循環させるという再資源化の取り組みをされています。
回収したアクリルパネルを粉砕・洗浄・熱を加えて溶かして、ペレット状にして原料として使用し、そしてさらにペレットに熱を加えることで、再び【リアライト】という再生アクリル板として生まれ変わるという循環型のリサイクルが可能です。
▲緑川化成工業様 リアライトの循環型リサイクルフロー
リアライトとして再び再生アクリル板へと生まれ変わると、駅の案内板のカバーや、①②でご紹介したようなオフィスでも使える小物やノベルティとして再利用することができます。
▲再生アクリル【リアライト】で制作可能なノベルティの一例
詳細を知りたい方またはご興味のある方は、まずはぜひお気軽にご相談ください!
リリカラでのアクリルパネル再利用例
実は弊社リリカラのオフィスでも、アクリルパネルを再利用したアイテムが活躍しています。
そのアイテムは、オフィスの自動ドアに貼られている衝突防止プレート。
リリカラのオフィスコンセプトである「+1℃」をモチーフにしているため、
社員の衝突を防止するだけでなく、コンセプトの浸透やオフィスへの愛着形成にも貢献しています。
オフィスで取り入れられる環境配慮アイテム
弊社リリカラでは、オフィス構築のサポートを通じて、お客様のオフィスや自社オフィスに環境配慮アイテムを積極的に取り入れています。この章では、アクリル板の再利用品以外のオフィスに取り入れられる様々な環境配慮アイテムを11つご紹介いたします!
リサイクル可能なカーペット
『DESSO』は、環境に配慮した素材で作られたタイルカーペットです。繊維層には、廃棄された漁網や使用済みカーペットから再生された100%リサイクルナイロン糸を使用。バッキング層にはリサイクルしやすいポリオレフィン素材を採用しています。
使用後には、繊維層とバッキング層を分別し、それぞれリサイクルされることで、また新たな『DESSO』として生まれ変わります。
廃ペットボトル糸で織られたカーテン
リリカラのカーテン『エシカ』は、日本国内で回収された廃ペットボトルから紡がれた糸で作られています。
『エシカ』は一般的な1窓分のサイズで、約160~200本のペットボトルをリサイクルできるため、グリーン購入法適合商品として推奨され、エコマーク認定も受けています。

廃棄衣類が原料の時計

廃棄衣類繊維を原料にしたリサイクルボードの『PANECO』。その『PANECO』を本体に使用した掛け時計が『PANECO CLOCK』です。『PANECO』自体、繰り返しボードとしてリサイクルが可能。廃棄された衣料品から作られる板は、色合いや模様の違いがあり、個性を楽しめるのも特徴です。
リサイクルペットボトルから作られたチェア
『Hale PETフェルトラウンジチェア』は、環境に配慮した素材で作られた椅子です。
シートと背もたれには、100%リサイクルペットボトルから作られた「PETフェルト」を使用。柔らかな質感と人間工学に基づいたデザインで、快適な座り心地を実現しています。
また、フレームには78.8%のリサイクルスチールを採用。さらに、スタッキングが可能で省スペース設計、必要に応じてアームレストも取り付けられるなど、使い勝手の良さも魅力です。

再生材料比60%の内装パネル

『SOLIDO typeF coffee』は、全体の約60%が再生材料で構成された内装パネルです。
主に、火力発電所で出る石炭灰、コーヒーショップから排出されるコーヒー豆のかす、さらに再利用が難しい古紙などを原材料としています。
タイル粉の左官材
『塗るタイルX-1』は、粉砕したタイルの粉を主成分とする、機能性と経済性を兼ね備えた左官材です。
タイル粉に含まれるケイ素化合物には、耐久性が高く、表面が硬くなるという特徴があります。さらに、伸びが良いためコスト削減にもつながります。

デニムの端材を再利用した左官材

『ヌルデニム』は、国内のデニム工場から出る端材をアップサイクルして作られた左官材です。古くなった際には水を加えて練り直すことで、再び左官材として利用できます。
海岸に堆積するシラスを使用した壁紙
リリカラの『シラスクロス』は、南九州の海岸に堆積するシラスを使った天然素材の壁紙です。シラスの調湿や消臭機能で快適な室内環境を作り、省エネに貢献します。さらに、製造工程ではエネルギー消費を抑え、地元の農業支援や雇用創出を通じて地域活性化と持続可能な発展にも寄与しています。

天然素材から作られた床材

「リノリウム床」は、亜麻仁油や石灰石、木粉、ロジン(松脂)などの天然素材から作られた、生分解性が高い床材です。また、リノリウムの原料である亜麻仁油は、酸化する過程で抗菌性や抗ウイルス性を発揮するため、清潔で健康的な空間作りにも貢献します。
卵の殻をアップサイクルしたタイル床
バイオミックストーンは、卵の殻を活用したカーボンニュートラルなタイルです。タイル1枚分で約80個の殻が使用されています。
卵の殻などの動植物由来環境に優しい資源のことを「バイオマス」と呼びます。バイオマスは成長過程でCO₂を吸収し、使ってもCO₂を増やさない「カーボンニュートラル」の特徴を持っています。

弱った植物を元気な状態に戻した 再生グリーン

「再生グリーン」とは、日光不足や温度変化で元気がなくなった植物を温室で手入れし、剪定をして元気を取り戻した植物を指します。リリカラのオフィスにある全ての植物がこの再生グリーンです。定期的なお世話が必要なため、社内で園芸部を立ち上げ、その部員たちが日々水やりなどを担当しています。
まとめ:できる限り廃棄物を減らし、環境へ貢献を
いかがでしたでしょうか?今回は、不要になったアクリルパネルの活用方法とアイデアをご紹介しました。
新型コロナウイルス感染症の再流行が油断できない状況ではありますが、リリカラではできる限り廃棄物を減らし、環境にやさしいオフィスづくりを目指しています。リリカラのオフィスの見学も随時行っていますので、ご興味のある方はぜひお申込みください!また「こんなことできる?」といったご相談もお待ちしております!
最後まで、お読みいただきありがとうございました。
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