「オフィスの雰囲気を一新したい」
「デザイン性を高めた空間にしたい」
オフィスデザインについてこのような思いがあるときには、「アート」の導入を検討してみましょう。
アートを導入することで、オフィスの雰囲気が変わり、さまざまなメリットが生まれます。
本記事では、オフィスにアートを導入するポイント、日本企業と海外企業での考え方の違いなどを解説します。オフィスのデザインを変えたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
オフィスへのアート導入の考え方
オフィスへのアート導入に関しては、日本企業と海外企業で考え方に違いがあります。
日本企業の傾向
日本企業において、オフィスにアートを導入することはまだ一般的ではありません。なぜならオフィスは「仕事に関わるもの以外は必要ない」という考え方が根付いているからです。
また、日本企業は変化を嫌う傾向が海外企業よりもあるため、アートの導入も敬遠されやすいといえるでしょう。特に「アートの効果やコスパに疑問がある」と感じる企業は、導入を検討していない傾向にあるといえます。
海外企業の傾向
海外企業ではオフィスにアートを導入することが一般的で、特に欧米の企業ではアートがオフィス環境の一部として定着しています。
その背景にはアートが「創造性を刺激するツール」として重要視されている点が挙げられます。欧米企業はアートが「社員の創造性を高め、新しいアイデアを生み出すための重要な要素となる」と考えているようです。
また、アートは「企業文化の一部」として取り入れられています。企業のビジョンや価値観を視覚的に表現する手段としてアートが活用されており、社員や訪問者に対して企業の個性や文化を伝える役割を果たしています。
オフィスにアートを導入するメリット
日本企業ではまだまだ導入の少ないオフィスアートですが、さまざまなメリットがあります。
メリット①:企業ブランディング向上
オフィスにアートを導入することは、企業ブランディングの向上に役立ちます。アートは視覚に強い印象を与えるため、訪問者や社員に対して企業の個性や価値観を効果的に伝えることが可能です。そのため、アートによって企業のビジョンやミッションを伝えることができます。例えば環境に配慮する企業であれば、自然をテーマにしたアート作品を展示することで、その姿勢を示すことができます。
また、アートは企業のイメージそのものをを高める効果もあり、例えば洗練されたアート作品をオフィスに取り入れると企業のセンスや先進性をアピールできるでしょう。
Web制作やファッションなどのクリエイティブな業界の企業はもちろん、金融や不動産などの企業でも、オフィスアートによって企業のイメージアップにつなげることができるでしょう。
メリット②:設置が簡単
オフィスにアートを導入するのは大変なイメージを持たれている方もいるかもしれませんが、簡単に設置できます。アート作品は壁に掛けるだけで設置でき、オフィスのイメージをすぐに向上させることが可能です。
特別な工事や大規模なレイアウト変更を必要としないため、業務への支障を最小限にオフィスの雰囲気を一新できます。また、季節やイベントに合わせてアートを交換することも可能です。例えば、季節ごとに異なるテーマのアート作品を展示するとオフィスの雰囲気を常に新鮮に保てます。
メリット③:節税対策
オフィスにアートを導入すると節税対策になります。アート作品の購入は、一定の条件を満たすことで経費として計上できるため、税負担を軽減する手段となります。
例えば、購入するアート作品の価格が10万円未満であれば消耗品として扱われ、購入費用をその年の損金として処理が可能です。
また、10万円以上20万円未満のアート作品は一括償却資産として扱われるため、購入費用を3年間で均等に償却でき、購入初年度から経費計上が可能です。
100万円以上のアート作品は減価償却資産として扱われ、通常の固定資産と同様に耐用年数にわたって費用を分割して計上できます。そのため、長期的に経費を計上でき、税負担を分散させることが可能です。
出典:国税庁「消耗品費」
出典:国税庁「一括償却資産とは」
出典:国税庁「美術品等についての減価償却資産の判定に関するFAQ」
オフィスにアートを導入する手順
オフィスにアートを導入するには、計画的なアプローチが必要です。
以下の手順を踏むことで、効果的にアートを取り入れられます。
- 目的の定義
- 予算の設定
- アートの選定
- 設置場所の決定
- 導入と評価
まずは、アートの導入目的を明確にすることから始めましょう。企業ブランディングの向上なのか、社員のモチベーション向上なのか、目的によって適切なアートも変わってきます。また、アートは価格帯が広いため、事前に予算を設定しておく必要もあります。
その後、目的と予算に合わせたアートを自社で選定するのが難しい場合、アートコンサルタントの協力を得るのも方法の1つです。社員の意見を取り入れてもらい、選択してもらうようにしましょう。
アート作品を購入したら、効果やメリットを考慮して設置場所を決めましょう。例えばエントランスやロビーなど、来訪者の目に触れる場所に印象的なアートを置くと企業イメージを効果的に伝えられます。一方、社員の休憩スペースにアートを設置するなら癒し効果のある作品などが向いているでしょう。アート作品のサイズ・色彩・テーマは、設置したい場所に適しているか検討してみるとよいでしょう。
アートを設置した後は社員や来訪者の反応を見て、必要に応じて配置や作品の入れ替えを検討するのもよいでしょう。
オフィスにアートを導入する方法
オフィスにアートを導入する方法は主に3つあります。
- オリジナルウォールアートの導入
- アートの購入
- アートのレンタル
オリジナルウォールアートは企業の個性を最大限に表現できますが、時間とコストがかかります。アート購入は資産価値があり、自由に配置できる反面、初期投資が高くなります。レンタルは低コストで始められ、定期的に作品を入れ替えられるメリットがありますが、入れ替えやメンテナンスを考慮すると長期的にはコストが積み重なるかもしれません。
導入時の注意点
オフィスにアートを導入する際は、以下の内容に注意してください。
- 賃貸オフィスは原状回復を考慮する(ウォールアートや壁に穴をあける際)
- 外壁へのウォールアートは申請が必要な場合がある
- 定期的なメンテナンスや入れ替えをする
賃貸オフィスでは退去時の原状回復費用を考慮し、壁への影響が少ない設置方法を検討しましょう。また、外壁アートは建物管理者や自治体への申請が必要な場合もあるため、事前確認が欠かせません。アートの魅力を保つためにも清掃や補修、時には作品の入れ替えなどの対策も必要です。
これらの点に注意を払うことで、アートがオフィス環境に与えるポジティブな影響を最大限に引き出せるでしょう。
オフィスへのアート導入事例
リリカラ株式会社はオフィス移転時に、社員の想いを反映したアートウォールを新オフィスのシンボルとして導入しました。このアートウォールは、「社員が行きたいと思える魅力的なオフィスを創りたい」という想いから生まれました。
制作プロセスではワークショップを通じて社員の意見を集め、「繋がり」「変化」「循環」といったキーワードを抽出しています。アーティストのGravityfree(グラビティフリー)さんがこれらの要素を取り入れ、リリカラの歴史や未来への展望を表現したデザインを作成しました。
完成したアートには蝶や円、道を歩く人々など、さまざまなモチーフが織り込まれ、社員の成長や多様性、人々の繋がりを象徴しています。さらに、社員自身もペインティングに参加することで、オフィスへの愛着を深めました。
このアートウォールは、単なる装飾以上の意味を持ち、リリカラの企業文化や未来のビジョンを視覚的に表現する重要な要素となっています。
下記の関連コラムでは、リリカラがアートを導入した経緯や作成風景をご紹介しております。ぜひご覧ください。
関連コラム:リリカラ「スペースソリューション事業部移転プロジェクト03~アートウォール編~」
オフィスにアートを導入してみましょう
オフィスにアートを導入することで、企業ブランディングの向上に役立ちます。設置が簡単にでき節税対策になる点も魅力的であるといえるでしょう。
また、アートを導入する前に目的を明確にしてコストに見合うかどうか確認するようにしましょう。賃貸オフィスの場合は、原状回復や契約内容によってウォールアートを描くのが難しいかもしれませんので、可能な範囲で検討することも重要になります。費用を抑えたいときはレンタルアートの導入から取り組んでみるのもポイントです。
リリカラでは、アートの導入を含めたオフィスデザインを幅広く手掛けてきました。オフィスへのアートの導入手順から適切な設置場所など、全般的にご相談いただけます。まずはお気軽にお問い合わせください。
またリリカラではオフィスツアーを随時開催しています。前章でご紹介したアートを含めて、オフィス全体のこだわりをお伝えいたします。オフィスデザイン会社のノウハウが詰まったオフィスをぜひご覧いただき、貴社のオフィス構築にお役立てください。