インタビュー|京都らしさと積水化学らしさをデザインした新食堂- コラム|オフィスデザイン・内装レイアウト設計、移転ならリリカラ株式会社

コラム

インタビュー|京都らしさと積水化学らしさをデザインした新食堂

インタビュー|京都らしさと積水化学らしさをデザインした新食堂

住宅、インフラ、素材、メディカルと幅広い領域をカバーする積水化学工業株式会社様。京都にある研究所は1992年に開設され、建物のデザイン性が高いことから度々テレビドラマのロケにも使われています。しかし、2022年に開設から30年を迎えた研究所は一部で老朽化が進んでいました。昼食時間帯以外にもリフレッシュや打ち合わせなど、多目的に使える空間にしたいという考えもあり、リリカラがリニューアルをお手伝いいたしました。グループで健康経営宣言を掲げ、食堂でも健康のための取り組みを実施している研究所の想いはどのようなものだったのでしょうか。プロジェクト担当者様にお話を伺いました。

積水化学工業株式会社 京都研究所(https://www.sekisui.co.jp/
所在地:京都府京都市
業種:樹脂加工メーカー
規模:約130坪(厨房除く)
在籍人数:約400人
プロジェクト期間 :2021年10月〜2022年3月

積水化学工業株式会社 京都研究所 食堂リニューアル

――食堂リニューアルの経緯を教えてください。

竣工から30年が経過し、至るところで老朽化が見られ、建物全体で長期改修計画を立て各所工事を進めていました。今回は、その一環として食堂をリニューアルすることになりました。2022年4月20日が研究所開設30周年だったため、そのタイミングに合わせようと3月完成を目指しました。

――リニューアルでどのような課題を解決したいとお考えでしたか?

まずは内装をより洗練された印象にし、従業員に新鮮さを感じてもらいたいというところがひとつ。こちらの研究所は、全社イベント等で役員はもちろん全国の従業員が集まる機会が多く、食堂での懇親会利用もあるため、この食堂に入った瞬間「京都に来た」と実感してもらいたいと考えていました。

リニューアルビフォーアフター
(左)リニューアル前の食堂、(右)リニューアル後の食堂

京都らしさと積水化学らしさを感じる空間へ

――リリカラの食堂デザインを見たときの感想をお聞かせください。

リリカラさんには「京都らしいデザインで」ということと、理想の空間デザインの仕様に近い、ある商業施設のフードコートの写真をお見せしていました。

すると、デザイナーさんが当社や京都についてしっかりと調べたうえでコンセプトを考えてくださって、作業着姿の研究員もスーツ姿の出張者も違和感なくなじむデザインを提案してくれました。

また、町家のリノベーション・カフェで見かけておしゃれだなと感じていたルーバーは要望として伝えていなかったので、提案の中に取り入れられていて驚きました。

――新しい食堂のどの辺に京都らしさを感じますか?

リニューアル後の食堂

床はリリカラさんのアイデアで京都の街のように碁盤の目をイメージしてデザインされています。カウンター席の椅子には神社を思わせる朱色の座面を採用していただきました。その他、落ち着きのある色味のテーブルや椅子が加わりモノトーンの壁と合わさることで、理想とする適度な京都らしさになった気がします。

ちなみに、植物が中心にある丸テーブルは、デザイナーさんが研究所のロゴをモチーフにデザインしてくれました。

植物が中心にある丸テーブル

昼食時間以外にも社員に活用してもらえる食堂を目指して

――他に課題解決できたことはありますか?

昼食時間以外にさまざまな用途で利用できるようWi-Fiやコンセントを完備しました。コロナ禍でオンライン会議が増えて打ち合わせスペースが不足したため、BOX席やベンチシート席エリア、窓側のカウンター席、可動式のテーブル席を設け、打ち合わせや業務にも使ってもらえるようになりました。

――感染症対策はどうされたのでしょうか?

手を洗うための洗面台の数を増やし、混雑を解消することで「密」を防いでいます。洗面台にはオート水栓を導入し、そのまま足踏み式の消毒液で手指の消毒ができるため、どこにも触れることなく清潔を保つことができます。

また、テーブルの天板は抗ウイルス仕様にし、椅子はアルコールで拭けるビニールレザー製のものを採用しました。

運用面では「密」防止のためランチタイムの3部制を継続しています。

――カウンターなどの什器や備品で工夫した点はありますか?

カトラリーの置き台と回収ボックス、ゴミの分別ボックス、給茶カウンター、配膳カウンター、メニューサンプルを置く台は造作しました。食堂はイベントにも使用するため、それぞれにキャスターを付け可動式にしました。

それから、食堂全体を明るくするためにLED照明の導入をお願いしたところ、リリカラさんから「時間によって明るさを変えるのはいかがですか?」と調光照明を提案してもらいました。現在はランチタイムの11時半から13時半は一番明るい設定にし、他の時間帯は落ち着いて業務が行えるように照度を落としています。


(左)オリジナルで作った配膳カウンター、(右)メニューサンプルを置く台と健康経営に関する情報発信をするサイネージ

――この食堂を従業員にどう使ってほしいですか?

食堂リニューアル後、早速数名で打ち合わせをしたり、ひとりで仕事をしたりと、多様な目的で利用している光景を目にします。今後は、くつろぎと楽しさの空間を提供しつつ、食事はもちろんその他の目的でも多くの人に利用してもらえる場所になると良いですね。

また、しばらく開催できなかったイベントを再開させ、従業員同士のコミュニケーションにも役立てたいです。

――ありがとうございました。

 

インタビューを終えて

本来の機能に加え、社内イベントの会場として使われるなど、会社の顔となる京都研究所の食堂。リニューアル後に開催された設立30周年イベントでは、豪華メニューが食べられる特別企画もあったそうで、あらゆる場面で社員のモチベーションを高める工夫をされている様子が伝わってきました。

今回、京都らしさと積水化学らしさを兼ね備えたアイデンティティの詰まった空間が完成するまでのプロセスを知り「らしさ」を表現し、共有することの重要性を改めて感じました。

インタビューへのご協力、誠にありがとうございました。

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