最初はきれいなオフィスでも、年月が経つと誰も活用できていない空きスペース(デッドスペース)ができてしまうものです。オフィスを見渡してみると、置き場に困っている資料が煩雑に重なっていたり、普段使われないイスや家具がオフィスの片隅に追いやられていたりするかもしれません。
この記事では、デッドスペースを有効活用する方法やレイアウトのポイントなどをお伝えします。快適な職場環境確保につなげましょう。
目次
オフィスのデッドスペースができる理由
オフィスのデッドスペースとは、誰も活用できていない空間のことです。
たとえば、従業員の私物が積み重なってそれが原因となるのはよくある事例です。他に、使用しているデスクのサイズが統一されていない、リモートワークの導入で使われなくなった設備による占有といった理由から、誰も活用できていない無意味なデッドスペースが生まれてしまいます。
空きスペースの有効活用法5選
オフィスのデッドスペースはどのように改善・活用できるでしょうか。以下で企業の改善事例の多い活用方法を5つご紹介します。
リフレッシュルーム
コロナ禍の影響で在宅ワークが増え、「仕事をする部屋(空間)」と「休憩する部屋(空間)」を明確に分けたいというニーズが増えました。オフィスでも作業スペースとは別に、気軽に休憩できるリフレッシュルームを設けることで、軽い睡眠がとれたり、コミュニケーションの場が増えたりします。社員の疲労軽減や集中力アップによる生産性向上が期待できるでしょう。
立ち会議スペース
「イスを置くには少し狭い……」という空間を、立ち会議スペースに変えてしまうのもおすすめです。デスクワークで長時間座ったまま作業をすることが多いと、運動不足になりがちです。これは世界的にも問題視されており、改善に向けて立ち仕事(スタンディングワーク)の導入が推奨されています。
会議室を増築するほどコストも必要なく、従業員の健康やコミュニケーション促進の効果も見込めるためおすすめの方法といえます。
予約不要のミーティングコーナー
会議室を予約制にしている企業も多いですが、予約不要でミーティングや共同作業に使えるスペースを設置する方法もあります。個人の作業スペースだけでは、社員間のコミュニケーションが少なくなり、オフィスの空気が暗くなりがちです。
個人の作業スペースとは別に、誰でも気軽に使えるスペースを設けることで、社員同士顔を会わせて話ができる場になりますし、時には小さなイベント開催も可能になるでしょう。「もう少し職場を明るい雰囲気にしたい」といった企業におすすめの方法です。
フリーアドレス席
フリーアドレス席とは、従来の指定された席とは異なり、社員が自由に作業する席を選べる形態を指します。気分に合わせて好きな席で仕事ができるので、リフレッシュして作業に取り組むことができ、従業員の作業効率向上といったメリットにつながるでしょう。
また、普段関わりを持たない部署の社員と話しやすくなるため、時には業務での新たな発見にもつながるかもしれません。
個人用ロッカー
社員の私物が積み重なっているのであれば、個人用ロッカーの設置をおすすめします。ロッカーを設置することで、決められた場所に仕事道具や資料を収納できるため、煩雑なオフィスをすっきり片づけることができます。
特に、紙の資料を取り扱うことが多いオフィスではロッカーの設置が有効です。
オフィスの生産性を高めるレイアウトのコツ
空きスペース活用でオフィスの生産性を高めるためには、レイアウトにもこだわることでより良いオフィス空間を作ることができます。ここからは、レイアウトを考える際のコツをご紹介します。
レイアウトのポイント
オフィスのレイアウトを考える際には、以下の3点を考慮しましょう。
1.重要なものにアクセスしやすくする
2.業務プロセスに合った配置
3.動線(通路)の確保
社員がよく使用する、重要なオフィス家具や仕事道具には、アクセスしやすいレイアウトになるように心がけましょう。いざ利用したいときにアクセスに時間がかかると、生産性低下につながります。社員にアンケートをとるなどして、重要なものは事前に把握しておくことをおすすめします。
業務プロセスに合わせた配置にすることも重要です。例えば、作業上コミュニケーションが多く発生する部署同士は物理的距離を近くしたり、関連したオフィス家具を近づけたりするだけで生産性は高まります。
業務の目的を明確にし、作業工程に合わせたレイアウトを取り入れましょう。
最後に動線の確保は、レイアウトを考えるうえで非常に重要な要素です。デスクやオフィス家具が、本来必要な通路を塞いでしまうと従業員にとってストレスとなります。
重要なルートは事前に確認し確保しておきましょう。そうすることで、業務へのストレスを減らし、作業効率を改善することができます。
会社の特徴別のレイアウト
オフィスの最適なレイアウトは企業の勤務形態によっても変化します。以下で内勤が多い企業と外勤が多い企業に分けて考えてみましょう。
・内勤が多い場合
内勤者が多いオフィスであれば、ワークスペースを固定するのがおすすめです。よく使う資料を席に置いたままにできる、チームで固まって座ることでコミュニケーションが取りやすくなるといったメリットがあります。
打ち合わせが多い場合には、会議用スペースを設けておく必要がありますが、オフィスの広さに応じてデッドスペースの活用を検討しましょう。
・外勤が多い場合
外勤の社員が多い場合には、フリーアドレスを導入するのがおすすめです。
社内にいるメンバーが状況に応じて席を変更できることで、よりフレキシブルな働き方の実現や、無駄なスペースの有効活用につなげることができます。
効果的なオフィス家具を選ぶ方法
デッドスペースをできるだけなくし、生産性の高まるオフィスにするためには家具選びも重要な要素です。
デスク
デスク選びは社員の作業効率を大きく左右するため、最も重要といっても過言ではありません。
1日中パソコン作業を行う業務であれば、ある程度奥行きのあるデスクを選ぶ必要があるでしょう。
さらにモニターを使用する場合は、その設置スペースも考慮した奥行きを確保する必要があるほか、配線をうまく通すためには配線口の有無を確認することをおすすめします。
業務内容を考慮し、適切なデスクを選ぶようにしましょう。
会議スペース
会議室などの会議スペースに設置するオフィス家具も計画的に選びましょう。
会議テーブルの大きさは、何名規模の打ち合わせが多いかを考慮して選ぶことをおすすめします。また、会議スペースが狭い場合は折り畳みデスクを活用することも手です。
ホワイトボードを設置する場合にも、キャスター付きのタイプから、シートタイプの商品など豊富な種類があります。使用頻度や設置スペースの幅などに応じて最適なものを選びましょう。
収納家具
収納家具を選ぶ場合は、設置スペースの幅や奥行きの確認はもちろん、従業員の人数や資料の量に合わせた引き出しの数なども確認するようにしましょう。
また、機密情報を扱った資料などの取り扱いがある場合は、鍵付きの引き出しがついた収納スペースがあると良いかもしれません。
デッドスペースを活用して快適なオフィス構築を
この記事ではデッドスペースの活用方法や、レイアウトを考える際のポイントについてご紹介しました。
社員の生産性を高めるためには、具体的な業務フローの改善だけでなく、オフィスのレイアウト変更や家具選びも非常に重要です。
オフィスに気になるデッドスペースがあるせいで、必要以上に社員の生産性が下がっている可能性もありますので、ぜひ活用方法を検討してみましょう。
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