オフィスは複数の人が長時間過ごす空間であるため、空気の質や臭いが気になる方も多いと思います。その課題を解決する方法として、アロマの活用が注目されています。アロマの香りには、臭気を和らげるのみならず、ストレス軽減や集中力アップ、リフレッシュ効果など、働く人々のパフォーマンスを向上させる力が秘められています。
本記事では、オフィスの臭いの原因やオフィスにアロマを導入することで得られる具体的なメリットや、香りの選び方、効果的な配置方法について詳しくご紹介します。アロマの力でオフィスをもっと快適で生産的な空間に変えていきましょう!

社員の心身の健康に配慮したウェルビーイングな働き方を実現する施策を、働く場づくりの観点から4つご紹介します!
目次
オフィスの臭いの原因と対策方法は?
オフィスの臭いが気になると、職場の快適性や社員の集中力・生産性に影響が出てきてしまいます。なぜオフィスの臭いが気になってしまうのか、原因と効果的な対策について見ていきましょう。
オフィスの臭いの原因
オフィスの臭いにはさまざまな要因があります。まず挙げられるのが汗や加齢臭、整髪料の香りや香水などの人の体臭。続いて、お弁当やコーヒー、おやつの香りなどの食べ物の臭いが挙げられます。
その他、エアコンのフィルターに溜まったカビや、カーペットに染み込んだ汚れなどの設備由来の臭いも要因に。
これらの臭いが複雑に絡み合い、換気不足で空気がこもると臭いが気になるようになります。
効果的な臭い対策
臭い対策でまず取り組むべきは換気。臭いのもととなる物質を外に排出するために、定期的に窓を開けて外気を取り入れましょう。また空気清浄機を活用し、微細な粒子やニオイ物質を効果的に除去するのもおすすめです。空気清浄機は、オフィスの広さに合わせて適切な機種を選ぶことで、臭い対策の効果を向上させられます。
そして、消臭剤やアロマの使用も効果的なので、積極的に取り入れてみましょう。特にアロマは、単に臭いを消すだけでなく、心地よい香りで過ごしやすい空間を演出できます。
ただし、香りの好みは人それぞれなので、強すぎる香りは逆効果になることも。アロマを取り入れる際は、社員の声を収集し反映させたうえで、逆効果にならない種類を選ぶことが大切です。
オフィスにアロマを導入するメリット3選
オフィスにアロマを導入することで、快適な空間づくりはもちろん、下記のようなメリットが生まれます。

オフィスの衛生改善につながる
アロマには空間を清潔に保つ効果があり、オフィス環境の改善に役立ちます。特にティーツリーやユーカリなどの精油には抗菌作用があり、雑菌の繁殖を抑える効果が期待できます。このため、健康経営の観点からもアロマの導入は有効で、社員の心身の健康をサポートする環境づくりに貢献します。
また、アロマには空気中の不快な臭いを中和する効果もあります。さらに、ラベンダーやレモンといった香りは、空気中の有害物質を分解する作用があるとされており、オフィス内の空気の質を改善。体臭や食べ物が原因となるオフィス特有の臭いを軽減し、清々しい空間を保つことができます。
企業イメージの向上につながる
来訪者を心地よい香りで出迎えることで、「洗練された」「気配りが行き届いた」印象を与えることができます。
またアロマを戦略的に選ぶことで、企業のブランドイメージとリンクさせることも可能。たとえば、自然志向のブランドであればウッディ系やシトラス系、ラグジュアリーなイメージを重視する場合はフローラル系の香りを選ぶことで、ブランド価値を香りを通じて伝えることができます。
働く意欲の向上につながる
アロマはオフィスの雰囲気を改善し、従業員の意欲や生産性を高める効果が期待できます。ラベンダーやカモミールはリラックス効果でストレスを軽減し、ペパーミントやローズマリーは集中力をサポートします。さらに、シトラス系の香りは気分をリフレッシュし、ポジティブな感情を促進します。
季節に応じた香りを活用することで、社員の働きやすさを保ちながら、生産性向上も期待できます。
オフィスにおすすめのアロマの香り・選び方
オフィスにアロマを取り入れるときは、集中力向上やリラックス効果など、目的に合わせて香りを選ぶことで、より快適な職場環境を作り出せます。また、夏場は涼しげな印象の柑橘系を、冬場は温かみのあるウッディ系を選ぶなど、季節感を取り入れるのもポイントです。

ここでは、オフィスにおすすめのアロマの香りと選び方をご紹介します。
リラックス効果:フローラル系
フローラル系の香りは、心を落ち着かせリラックスさせる効果があり、ストレス軽減や気分転換に最適です。
ラベンダー:穏やかな香りで緊張やイライラを和らげるので、長時間のデスクワークで疲れた心身をリフレッシュさせたいときにおすすめ
ジャスミン:気分を高揚させる効果が期待でき、創造性を必要とする仕事やアイデアが欲しいときにおすすめ
ローズ:女性に人気の香り。自尊心を高めて前向きな気持ちになりたい方におすすめ
集中力を高める効果:ハーブ系
ハーブ系の香りは、頭をすっきりさせ集中力を高める効果があるため、朝の目覚めや午後の眠気対策におすすめです。
ローズマリー:記憶力や集中力を向上させる効果があり、重要な会議や締め切り前の作業時に適しているでしょう。
ペパーミント:清涼感のある香りで眠気覚ましに効果があるため、長時間のミーティングや午後の眠たい時間帯に使うと良いでしょう。
レモングラス:気分を明るくし、前向きな気持ちにさせてくれ、モチベーションが下がっているときや新しいプロジェクトを始めるときに役立ちます。
メンタルを安定させる効果:ウッディ系
ウッディ系の香りは、落ち着きと安定感をもたらしてくれるため、ストレスの多い職場環境や緊張感の高い場面で効果を発揮します。
シダーウッド:心を落ち着かせ、精神的な安定をもたらしてくれるため、重要な決断を下す際や冷静さが求められる場面で使用すると良いでしょう。
ヒノキ:日本人に馴染みのある香りとしてリラックス効果があり、ストレス解消に役立つことから、長時間のデスクワークで疲れたときにおすすめです。
サンダルウッド:瞑想に用いられる香りであり、思考を整理し、集中力を高めたいときに効果的な種類なので、複雑な問題解決や創造的な作業に取り組む際に使用すると良いでしょう。
気分を明るくする効果:シトラス系
シトラス系の香りは、爽やかで気分を明るくする効果が期待できるため、オフィス全体の雰囲気を明るくしたいときにおすすめです。
レモン:フレッシュで爽やかな香りが疲れを和らげ、リフレッシュを促します。気分転換に最適です。
オレンジ:幸福感をもたらし、コミュニケーションを促進できることから、特にチームビルディングや社内イベントの際に使用するのに向いています。
グレープフルーツ:フレッシュの中にも苦味を感じさせる香りで、リラックス効果があります。

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オフィスにアロマを取り入れる際の注意事項
様々な効果を与えてくれるアロマですが、一方で注意点もあります。下記点に注意することで、より効果的にアロマを活用することができます。
健康状態に不安のある方や妊婦の方に配慮する
一部のアロマには妊娠中や授乳中の使用を禁止しているものや、直接皮膚に触れると炎症を起こしてしまうものがあります。例えば、ローズマリーはてんかんの発作を起こしたことのある人は使用を控える、ジャスミンは通経作用やホルモンバランスに影響を与える可能性があるため妊娠中は使用NGなど。アロマを取り入れる際は使用上の注意を確認し、事前に社員の体質を把握して香りを厳選する、合成香料ではなく100%天然のエッセンシャルオイルを選ぶ、といった策を講じて誰にとっても安全性の高い空間を目指しましょう。
香りの強さは控えめに
アロマの香りが強すぎると、不快感を与えたり頭痛の原因になることがあります。ディフューザーやスプレーを使用する場合は、適切な濃度に調整しましょう。タイマー付きのディフューザーを活用すると、適度なタイミングで香りが噴出するため常に心地よい空間を保つことができます。
空調の負担に配慮する
空調システムがアロマの微粒子を吸い込むと、フィルターが詰まる原因になる場合があります。香りがこもらないように空気の流れを確保し、空調システムのメンテナンスを計画的に行うことが重要です。
使用場所を限定する
アロマは様々な作用を及ぼすため、香りを楽しむ際には、オープンスペースではなく個別の部屋やリフレッシュスペースでの使用に限定するのがおすすめです。香りが漂う空間を厳選することで、周囲への配慮にもつながり、皆が快適に過ごせる空間を作ることができます。
オフィスにアロマを配置する場所
アロマの効果を最大限に引き出すには、適切な場所に配置することがポイントです。オフィスにアロマを配置する際は、以下の場所がおすすめです。
なお、これらの場所にアロマを配置する際は、空間の広さや換気状況も考慮に入れましょう。広い空間では、アロマディフューザーを複数設置するのもアイデアの1つです。
執務室
執務室は社員が最も長い時間を過ごす場所であり、集中力を高める効果のあるレモンやローズマリーの香りがおすすめです。集中力を高めたり、ストレスを軽減したりする香りが特におすすめです。
ただし、強すぎる香りは逆効果なので、さりげなく香る程度が理想的です。
エントランス
エントランスは来客や社員が最初に目にする場所として、第一印象を考慮し、爽やかで清潔感のあるユーカリやペパーミントの香りが適しています。
会議室
会議室では、創造性を刺激し、コミュニケーションを促進する香りが効果的なので、ジャスミンやベルガモットがおすすめです。
長時間の会議で集中力が低下しがちなときも、これらの香りが手助けになる場合もあるでしょう。
休憩スペース
休憩スペースでは、リラックス効果のある香りとして、ラベンダーやカモミールなど、穏やかな香りが適しています。
リラックス効果のある香りによって、短い休憩時間でも、心身をリフレッシュすることが可能です。
オフィスにアロマを採用した事例
弊社リリカラ株式会社でも、オフィスにアロマを取り入れています。取り入れている場所は執務室の一角にある集中スペース。そこで、レモン・ミント・ローズマリーなど数種類の香りをブレンドしたアロマを香らせています。
香りは季節ごとに変更。社員に四季の移ろいを感じてもらえるように、季節にピッタリな香りをセレクトしています。
リリカラが採用しているアロマは、アットアロマの精油。天然成分100%で合成香料と比較してエコでサステナブルかつ不快に感じずらい香りです。アロマを取り入れることで働く社員のストレスを軽減し、ウェルビーイングと生産性の向上に寄与しています。
リリカラでは随時オフィス見学を開催しています。実際に集中エリアの香りも体感できますので、ぜひお気軽にお問合せください。
オフィスにアロマを取り入れましょう
アロマの導入はオフィス環境を改善する効果的な方法であり、適切な香りの選択と配置により、社員の集中力向上やストレス軽減、さらには企業イメージの向上まで、多岐にわたるメリットが期待できます。
また、衛生面の改善や健康経営の推進にも貢献し、長期的には生産性向上やコスト削減にもつながる可能性があります。
まずは小規模から始め、社員の反応を見ながら徐々に拡大していくのがおすすめです。

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