ニューノーマル時代に企業が行うべき防災対策とは? リリカラが提案する企業防災- コラム|オフィスデザイン・内装レイアウト設計、移転ならリリカラ株式会社

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ニューノーマル時代に企業が行うべき防災対策とは? リリカラが提案する企業防災
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ニューノーマル時代に企業が行うべき防災対策とは? リリカラが提案する企業防災

テレワークが浸透して働く場所が多様化する中、企業の防災対策の見直しはできていますか?在宅勤務者に向けての防災対策や法規的義務への対応など、企業の防災管理者やBCP(事業継続計画)担当者は、これまで以上に危機感を抱いていらっしゃるのではないでしょうか?

2023年9月、日本は関東大震災から100年目を迎えます。そこで今回は、来るべき災害時に備えて企業が行うべき防災対策とリリカラが提案する企業防災についてご紹介します。

ぜひ最後までお読みください。

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企業防災の必要性

企業は従業員の命や財産を守ると同時に取引先や顧客に対しても損失を与えないようにする義務があります。これは道義的な面だけではなく、労働契約法により「安全配慮義務」という形で義務付けられています。

災害時のイメージ画像

 

企業防災の法的義務

安全配慮義務

労働契約法の第5条には「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。」とあり、企業に従業員の安全を守るように示されています。

善管注意義務

民法第66条により、「善良な管理者の注意義務」の略で、受託者が事務等の管理を行う場合には、当該職業又は地位にある人として通常要求される程度の注意義務を払うこととされています。

つまり、企業が従業員の命を守れるよう対策しておくことは、法律で義務付けられているのです。

 

災害対策観点からの防災対策

では、社員の命を守るために企業ができることを考えていきます。まずは災害対策観点からの防災対策を3つご紹介します。

防災マニュアル

企業が災害対策としてまず取り組むべきことは、災害マニュアルの作成です。これは、いざ災害が発生した時にどのような対応をするのかを明確に定めたものです。

< 防災マニュアルに含めるもの >

  • 災害への初期対応手順
  • 災害時の組織体制
  • 災害時の責任者
  • 各部署への情報連絡係・救護係・避難誘導係などの役割分担
  • 情報収集や提供の手段
  • 緊急連絡網
  • 従業員の避難場所
  • テレワーク時の対応手順

マニュアル内に規定しておくことで、非常時の混乱を避けることにつながります。災害が発生してから考えるのでは遅すぎます。
マニュアルを作成したら、従業員への周知を徹底することも必要です。定期的に内容を見直し運用方法についても定めておく必要があります。
また防災マニュアルの作成は、企業が安全配慮や善管注意の義務をはたす上で、何らかのインシデントが発生した場合は「免罪符」としての意味を有するのです。

災害備蓄品

防災食
▲最近では美味しい防災食が増えている

備蓄品の用意も必要です。災害時に最も必要となるものは電気とトイレと言われています。基本的なところでは水や食料、アルミブランケット、簡易トイレ、ヘルメットや懐中電灯、救助用の医療品などの準備が必要です。また携帯電話やPCを使えるようにするための電源も必要となります。備蓄品は従業員と顧客の人数を考えてその量を用意しましょう。

また、備蓄品は必要な時にすぐに使えるようしておく必要があります。定期的に在庫を確認して入れ替えを行い、常に従業員に場所の周知を徹底することが必要です。

保管場所
▲赤いキャビネットやサインで保管場所を周知

防災訓練

防災訓練

定期的に防災訓練を行うことも必要です。災害時を想定したシミュレーションを行い、従業員1人1人が、いざというときに対応できる手順を学ぶ必要があります。防災訓練には地震や火災時の避難誘導訓練や初期消火訓練などが挙げられます。さらにAEDの使い方や応急救護訓練、負傷者の救出や搬送の手順をシミュレーションする救助訓練があります。

防災訓練は実施したら必ず結果を振り返り、必要に応じて防災マニュアルを改善する必要があります。

 

事業継続観点からの防災対策

次に、事業継続観点からの防災対策を4つご紹介します。

事業継続計画

BCP(事業継続計画)とは、企業が自然災害や火災、人的テロ攻撃などの緊急事態に際して、主要な事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、通常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画のことです。

安否確認システム

地震などの災害が発生した際に従業員の安否を迅速に確認するためのサポートツールです。 災害発生時には、システムから登録者へメールを自動送信し、回答も自動で集計してくれるため、管理者は従業員の状況把握に手間がかかりません。

在宅勤務環境の整備

災害時には、従業員が通勤できなくなる可能性もあります。センターオフィスが使えない場合に備えて、バックアップ用のオフィスを設置したり、在宅ワークやテレワーク環境を整備することなども事業継続計画には有効です。

バックアップシステム構築

企業にある重要なデータがクラウドサービスなどでバックアップされ、失われないようにすると同時に重要業務を代替できるようなシステムも整備しておく必要があります。

 

リリカラが提案する企業防災

見せる防災備蓄品


▲モバイルロッカーの下の見える場所に収納

防災備蓄品を倉庫や書庫の中の見えないところに収納し、いざ大規模災害が発生した際にどこにあるのかわからないのでは意味がありません。そのため、リリカラでは見せる防災備蓄をおすすめしています。災害対策本部の方は有事の際、情報収集や整理、発信などの業務を優先しなければならないので、防災備蓄品の配布どころではないと思われます。日ごろから見えるところに収納して、災害時に従業員1人1人が各自備蓄品を取りに行くことが出来るようにあらかじめ周知させることが重要です。

< 帰宅支援セット >


▲リリカラおすすめ帰宅支援セット

帰宅支援セットで特に重要になってくるのが、LEDライトと防塵用マスクです。夏場に大規模地震が発生した場合に、日中の移動は熱中症に罹るリスクがありますので、夕方暗くなってからの移動になります。そのためにLEDライトは必要です。2030年まではアスベストの問題も発生しますので、防塵用マスクも必要となります。

東京都帰宅困難者条例の読み解き方

東京都帰宅困難者条例には以下の項目があります。企業にはこれらを遂行する義務があります。

< 事業者の責務 >

  1. 建物の安全を確保・・・平常時でのテナントビル確認、家具の転倒防止や避難経路を確保したレイアウトの検証
  2. 大規模災害時の従業員及びその家族の連絡手段の確保・・・安否確認システムなどの導入
  3. 避難場所の確認、徒歩による帰宅経路の確認、その他必要な準備を行うことを従業員に周知させる
  4. 大規模災害時における従業員の施設内での待機の方針と帰宅させるための方針について事業所防災計画書に明記し当該計画を従業員へ周知させるとともに、定期的に内容を確認し改善に努めなくてはならない(ここでいう事業所防災計画書は消防計画書とは異なる

 

< 従業者の一斉帰宅抑制 >

  1. 施設内での待機指示
  2. 室内待機のための従業者の三日分の飲料水、食料その他の備蓄をするよう努める

企業は一斉帰宅を抑制することが出来ますが、「本当に帰宅する必要がある人」にはそれを認める必要があります。平常時に従業員からその情報を収集し、管理しておく必要があります。

 

< 災害対策基本法 >

東京都帰宅困難者条例は、国が定める災害対策基本法の「地域防災計画」の一部に過ぎません。災害対策基本法の第7条3項目には、防災備蓄、防災訓練、防災教育が責務とうたわれております。

防災計画書の作成

東京都帰宅困難者条例や民法の善管注意義務違反、災害対策基本法などをふまえて、防災計画書の作成が必要です。

この防災計画書は3日間の残留ルールや、やむを得ず何らかの理由で残留できない従業員の方への「帰宅申請書」の明記等のルールを踏まえた企業独自のものである必要性があります。特に大規模災害時に災害対策本部は、従業員がオフィスにいるのか外出しているのかをある程度正確に掴む必要があり、ある程度の情報を収集するまでは、従業員の行動を制限しなければなりません。

更に重要なこととしては、ショールームなどのお客様を招く拠点を持っているケースです。お見えになったお客様に対し不適切な対応をしてしまうと、企業として問題になってしまうため、あらかじめ防災計画書や防災マニュアルに明記しておけば、災害時に考えたり迷ったりすることが防げます。

最新の防災教育

防災の基本は、自分の身は自分で守ることです。今後、考えられる地震の大規模被害は首都直下地震と南海トラフ地震と千島海溝地震と想定されております。

例えば、南海トラフ地震が発生した場合、首都圏で震度5強程度の揺れが発生するかもしれません。特に高層ビルでは、長周期地震動が発生し、戸建て住宅以上の被害想定がなされております。

例えば、首都直下地震が、夕方4時頃に発生した場合、小学生は自宅に戻っていることも考えられます。避難行動判断が付かない小学生低学年を持つ従業員は、帰宅を要望する可能性もあります。

また、在宅勤務を企業が認めること(奨励)は、自宅を勤務地として会社が承認していることとなり、家具の耐震問題等が発生することとなります。企業は自宅の耐震化を防災教育でカバーし、テレワーク中の従業員についても災害時の対応手順や連絡方法などを周知する必要があります。 

そういった問題を解決するための防災教育を日ごろ従業員の方へ行うことにより、1人1人の能力を高める事は重要です。

 

まとめ

いかがでしたか?働き方が自由になった今、企業防災についても考え直さなければなりません。「いざという時に何をすべきかがわからずに、対応が遅れてしまった」そんな最悪のケースを避けるためにも、現状の働き方と照らし合わせて企業防災に取り組んでいきましょう。また、より実践的な防災教育・防災訓練を行い、社員一人ひとりの防災力を高め、いざという日に備えておきましょう。

リリカラは防災・BCPカウンセラーがアドバイスや備蓄品の提案も行っています。耐震工事や防災の観点からのレイアウトに関するお手伝いもいたします。どうぞ、お気軽にご相談ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。


コラム監修
防災・BCPカウンセラー
上田 聡 Satoshi Ueda

防災に携わって30年以上、防災のカウンセラーとして多くのプロジェクトに携わっている。

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