オフィスにSDGsを取り入れるためには?持続可能な企業になるためのアイデア- コラム|オフィスデザイン・内装レイアウト設計、移転ならリリカラ株式会社

コラム

オフィスにSDGsを取り入れるためには?持続可能な企業になるためのアイデア

オフィスにSDGsを取り入れるためには?持続可能な企業になるためのアイデア

企業にとって、SDGsへの配慮は社会的責任の一つ。しかし、どのような取り組みがSDGsに該当するかについては、まだまだピンとこない方も多いのではないでしょうか。

本コラムでは、オフィス構築をサポートするリリカラが、オフィスにSDGsを取り入れるアイデアをご紹介。環境と社会に配慮した企業づくりの一助となる情報をお届けします。

オフィスにSDGsを取り入れるメリット

初めに、オフィスにSDGsを取り入れるメリットを3つご紹介します。

環境負荷を低減できる

オフィスはエネルギーや資源の使用が集中する場所です。省エネやリサイクル、再生可能エネルギーの活用など、SDGsに基づいた取り組みを通じて、環境負荷の低減を実現することが可能です。

 

取り組みが目に見える

オフィスは社員や訪問者が集う場所です。SDGsの取り組みを、オフィス内のディスプレイで可視化することで、啓発の機会の提供が可能に。また顧客や取引先、投資家などのステークホルダーに対しても直接アピールできるため、企業の評価や信頼性、そしてブランド価値の向上が期待できます。

 

社内意識が醸成される

オフィスがSDGsの目標や価値観を体現していると、社員は自社の取り組みに共感しやすくなります。持続可能な行動や社会的責任を意識する文化が醸成され、社員の意識や行動が変容することで、組織全体のSDGsへの取り組みが強化されます。

 

オフィスでできる!SDGs17の目標ごとのアイデア

SDGsには17つの目標があります。
この章では、各目標のオフィス内で実践できるアイデアを紹介します。

目標1「貧困をなくそう」

フェアトレード製品の利用

オフィスで使用する製品を選定する際、フェアトレード製品に注目してみてください。フェアトレード製品を購入することで、生産者の経済的な自立や公正な取引を支援することができ、貧困の改善に貢献できます。フェアトレード製品は食品系に多いですが、繊維製品やインテリアでも認証を受けているものがあります。

フェアトレード製品とは 、開発途上国の生産者へ公正な賃金や労働条件を保証した価格で購入できる製品のこと

相対的貧困の削減
相対的貧困とは「生活水準や経済環境と比較して大多数より貧しい状態のことで、日本国民の7人に1人は相対的貧困の状態と言われています。
この相対的貧困を減らす取り組みとして、企業の積極的な雇用の創出や、専門的技術、人材育成、eラーニングなどの教育関連の提供が重要となります。

 

目標2「飢餓をゼロに」

食品のロス削減

食堂やカフェテリアでの提供量の管理、余った食品を寄付する取り組み等、オフィス内での食品ロスを最小限に抑える取り組みを行いましょう。

持続可能な食品の提供

さらにオフィスで提供する食事は、持続可能な食品を選択しましょう。社会と環境に配慮した、地元の農産物や有機栽培食品、フェアトレード認証を受けた食品がおすすめです。

防災備蓄品の保管

オフィス内での防災備蓄品の保管は、災害時における安全性や緊急時の備えとして非常に重要です。災害が発生した際には、食糧や水などの資源が供給困難になることがあります。そうした状況に備えて、防災備蓄品は必ず保管するようにしましょう。

 

目標3「すべての人に健康と福祉を」

快適な労働環境の整備

働く環境を快適に整えることで、社員の健康と福祉を促進します。例えば、エルゴノミクスに配慮したデスクや椅子の提供、上下昇降デスクの導入、メンタルヘルス対応のカームダウンルーム(精神疾患のある人が心を落ち着かせる部屋)を創るなど。
また、グリーンやアロマ、自然光を上手に取り入れると、良好な室内環境を維持できます。

健康的な食事の提供

オフィスで提供する食事やスナックは、栄養バランスの取れたメニューや栄養価の高いスムージーなどを検討しましょう。社員の健康とパフォーマンスに影響を与えるため、食事の選択には注意が必要です。

フレキシブルな働き方の促進

社員のウェルビーイングを考慮し、ワークライフバランスを重視した柔軟な働き方を導入しましょう。リモートワークやフレックスタイム、育児支援制度など、社員のさまざまなニーズに合わせた柔軟な労働環境を整えることが重要です。

 

目標4「質の高い教育をみんなに」

部門を超えたフリーアドレスの実施

フリーアドレスを導入すると、異なる部門の社員同士が交流する機会が増えます。異なる部門の社員と接することで、新たなアイデアや発想が生まれて仕事の質が向上したり、キャリアアドバイスや成長の機会が増えるといったメリットがあります。

学習環境の整備

社員の能力を向上させるために、オフィス内に学習や情報共有のためのスペース(ライブラリースペースなど)を設けましょう。学習の機会を提供することで、社員が学びを追求しやすい環境が生まれます。

 

目標5「ジェンダー平等を実現しよう」

ダイバーシティとインクルージョンの推進 

ダイバーシティ・アンド・インクルージョンのポリシーを策定し、人種、性別、障がい、職歴、価値観などの要素に基づく差別を排除し、全ての社員が尊重されてそれぞれの個性を活かして働ける環境を作りましょう。
例えば建物の設備として多目的トイレやエレベーター内に鏡を付ける、オフィス内では障がい者目線での動線やサイン計画、ジェンダーレスなオフィス空間の演出、ユニセックスルームやパウダールームの設置、妊婦の方に配慮したオフィス計画(机の角を丸くする、ソファにクッションを置く、一番下の引き出しを使わない工夫)などが考えられます。

 

目標6「安全な水とトイレを世界中に」

水の節約と効率化

オフィス内での水の使用を効率化し、節水を促進します。水漏れの修理や省エネ設備の導入、自動水栓の利用などを通じて、水の浪費を減らしましょう。
またオフィス内のトイレの清潔さを維持するため、定期的な清掃やメンテナンスを行いましょう。トイレで水を流す際に「大・小」のレバーを使い分けることも節約に繋がります。

 

目標7「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」

グリーンオフィスの推進

ペーパーレス化やリサイクルの促進、省資源型の設備や資材の選択、持続可能な供給チェーンの確保など、環境への負荷を低減する取り組みを行いましょう。空調温度の最適化(クールビズ・ウォームビズ)も効果的です。

カーボンオフセットに取り組む 

カーボンオフセットは、経済活動や生活によってどうしても排出されてしまう二酸化炭素などを、同等の量の温室効果ガスを削減するプロジェクトに投資することで相殺する仕組みです。
プロジェクトでは再生可能エネルギーの導入、森林保護・植林、エネルギー効率の改善など、温室効果ガスの排出を低減する活動が行われます。これにより、排出された二酸化炭素の量と同等の削減量が生み出され、排出量の相殺が実現できます。

カーボンオフセットに取り組む製品の紹介
キイノクス オフィス 商品紹介 – KIINNOX(キイノクス) | 木と人がともに活きる未来をつくる

 

目標8「働きがいも経済成長も」

社員の幸福と働きやすさの重視

社員の幸福感や働きやすさを重視するための施策を導入しましょう。ハイブリッドワークを行い、ABWといった柔軟な働き方を採用すると、ワークインライフ(仕事を生活の一つの要素として捉える考え方)の実現が可能に。
オフィス内でできる取り組みでは、交流の仕掛けとして、疑問点・興味があることについて「この人はこの分野に精通している」という情報をオープンにする、トランザクティブメモリー(達人)制度の導入。
オフィスデザイン面では、色・素材・仕上げにこだわるCMFデザインを採用すると、社員の感性が刺激されて社員がのびのびと働ける心地良い環境になります。

参考記事:
働き方のトレンドABWとは?メリットや導入手順を徹底解説

 

目標9「産業と技術革新の基盤を作ろう」

イノベーションの促進 

社員に対して創造性やイノベーションを奨励する環境を提供しましょう。
最新ICTの実装でwebミーティングの迅速化、多拠点社員が利用しやすいサテライト環境の整備、共創空間でのコラボレーションでイノベーションを創出するなど、アイデアの出し合いやブレストの場を設けると、技術的スキルの向上や新しいアイデアの発掘を支援できます。

 

目標10「人と国の不平等をなくそう」

多様性と包摂性の推進

多様なバックグラウンドや文化、能力を持つ人々が働きやすい環境を作りましょう。障がい者の方に配慮して、入口の自動ドア化・広い動線・段差を無くすといったオフィスデザインの工夫や、上下昇降デスクの導入も車いすの方や仕事の状況・体格に合わせて机上面の高さが調整できるので有効です。
また 、外国出身の社員が働きやすいように海外での導入がより進んでいるABWを採用するなどチームの多様性を尊重すると、全ての社員が平等に扱われる環境を実現できます。

 

目標11「住み続けられるまちづくりを」

防災対策の徹底 

自然災害が起きた際も安心安全に働ける場所を確保するために、家具の耐震対策はもちろん防災備蓄品を保管していざというときに備えましょう。
オフィスが被災して働く場所として機能しなくなる時のことも考え、日頃からサテライトオフィスの整備やシェアオフィスを積極的に利用しましょう。

 

目標12「つくる責任、つかう責任」

持続可能な製品の利用

オフィスで使用する製品や資材は、持続可能性を重視して選択しましょう。環境に配慮した製品や再生可能資源の利用、リデュースなど廃棄物の最小化に向けた取り組み、製品の寿命を延ばすためのメンテナンスや修理のサポートを行うことも重要です。
オフィス構築における環境配慮のトレンドでは、廃棄で問題になる間仕切り部材を極力使用しないオープンな空間、CO2を削減したカーペットの採用が挙げられます。

【アイデア】飛沫防止用アクリルパネルを再利用!
不要になったオフィスの飛沫防止パネルはどうする?捨てずに再利用するアイデア

 

目標13「気候変動に具体的な対策を」

エネルギー効率の向上

オフィス内のエネルギー使用を見直し、LED照明、環境に配慮したオフィス家具、3R(ごみの減量・再利用・再資源化)電気自動車といった省エネルギー設備や機器を導入しましょう。下記URLのようにエネルギー使用量や削減量が見える製品もあります。ぜひ導入を検討し、エネルギーの無駄を削減しましょう。

エネルギー使用量・削減量が見える製品
オフィスの消費電力を”見える化”し省エネを支援する「エネパル(R) Office」を発売 | ニュースリリース | NECフィールディング (fielding.co.jp)

ニュースリリース | 「消費電力見える化システム OFFICE NAVI(オフィスナビ)」を発売 | 株式会社オカムラ (okamura.co.jp)

間伐材の積極的使用による炭素固定化

間伐材は長期間にわたって二酸化炭素を吸収して成長してきたため、木の中に炭素が蓄えられています。間伐材を使用することによって、間伐材に蓄えられた炭素が長期間にわたって固定され、大気中のCO2の排出を削減する効果があります。家具を選ぶ際は、間伐材で作られた製品を検討してみてください。

間伐材で作られた製品を取り扱う会社
KIINNOX(キイノクス) | 木と人がともに活きる未来をつくる

 

目標14「海の豊かさを守ろう」

プラスチック使用の削減

オフィスで使用する製品は、海洋生態系に悪影響を及ぼすような原料や製品の使用を避け、持続可能な漁業や海洋保護に貢献する製品を選択しましょう。

特に身近なプラスチック製品の使用を削減し、プラスチック製品の代替品の導入やリサイクル可能な素材の利用など、プラスチック削減に向けた具体的な対策を立てましょう。オフィス家具メーカーからも、海洋プラスチックごみを資源とした製品や、古くなった漁網をリサイクルした製品、バイオマスプラスチックで作った製品がリリースされているので、ぜひ採用を検討してみてください。

海洋プラスチックごみを資源とした製品の紹介
株式会社 オカムラ|企業情報|リネット開発ストーリー (okamura.co.jp)

Spher[スフィア] | Products |株式会社オカムラ (okamura.co.jp)

 

目標15「陸の豊かさも守ろう」

エコフレンドリーなオフィスデザイン

オフィスのデザインやインテリアにおいて、自然素材や持続可能な資材を使用しましょう。木材の再生や再生可能な資源の利用、オフィス内に木材の再生や再生可能な資材の利用により、陸の生態系を守りながら社員に癒しを提供できます。またFSC認証マーク(適切な森林管理を認証する国際制度)のついた製品を購入することも目標15の達成に繋がります。

ペーパーレス化の促進

ペーパーレス化を促進することで、木材の伐採削減に貢献できます。またペーパーレス化は森林保護に繋がるだけではなく、二酸化炭素排出の削減や水やエネルギーなどの資源の節約にも寄与します。

 

目標16「平和と公正をすべての人に」

心理的安全性の工夫 

全ての社員が安心して働ける環境を作るために、心理的安全性を高めましょう。例えば、社員同士が2人で話し合える1on1ブースを設けると、対面で上司と公私にわたる相談事が可能です。
また、自席で落ち着いて作業ができない方への配慮として、集中席やリラックス席の設置、気軽に会話ができるマグネットスペース・カフェを設けるなども効果があります。

 

目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」

サプライチェーンの持続可能性

サプライヤーとパートナーシップを強化し、共同で環境負荷を軽減する取り組みを実施しましょう。持続可能な原材料の調達や生産プロセスの改善の促進などはその一つです。
また、コワーキングスペースでの異業種交流・外部も使用可能な共創空間でのセッション・懇親会などを開催すると、良きパートナーとの出会える確率が高まります。

SDGsへの取り組みの共有

オフィス内外のステークホルダーとSDGsに関する情報を共有し、連携を図りましょう。社内報やウェブサイトを活用して、オフィスがどのようにSDGsに貢献しているかを積極的に発信することや、パートナー企業などとの共同イベントやワークショップを開催すると、知識の共有がしやすくなります。

 

まとめ|オフィスから持続可能な企業に

SDGsをオフィスに落とし込む方法は経営に関わることから、手軽に行えるものまで様々です。自社で取り入れられるものはさっそく実践して、社会と環境にやさしいオフィスを作りましょう。

 

コラム監修

オフィスソリューション営業部 シニアディレクター
塚越 慎吾 Shingo Tsukakoshi

2019年よりリリカラ株式会社へ入社。リリカラ入社前は日本最大のオフィス家具メーカーである株式会社オカムラで36年の営業経験を積む。蓄積された知見を活かし、現在も多くの企業のオフィス移転・リニューアルプロジェクトに携わっている。

 

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