オフィスに個室をつくるには?パーテーションの種類・選び方を解説- コラム|オフィス移転・内装レイアウト・デザインならリリカラ株式会社

オフィスに個室をつくるには?パーテーションの種類・選び方を解説

公開日 更新日

Web会議の普及や働き方の多様化を背景に、オフィス内に「個室」を求めるニーズが高まっています。既存の空間を活用して個室をつくる方法には、パーテーション、造作壁、個室ブースなどがあり、それぞれ遮音性や可変性、コストに違いがあります。この記事では、オフィスの個室化に適した代表的な方法と、それぞれの特徴・選び方についてご紹介します。

Office Environment Improvement Report
おすすめ厳選!ブース比較表

フォンブース結局どれがいいの!?という疑問を解決! 各製品の違いが良く分かるブース比較表です。

ダウンロードする(無料)

▲ タイプ別におすすめ製品をご紹介|【無料ダウンロード】ブース比較表

オフィスの個室化とは

オフィスの個室化とは、パーテーションや壁でスペースを仕切り、周囲の音や視線を遮断できる環境をつくることを指します。集中作業や機密情報の管理に加え、近年ではオンラインでの打ち合わせが増えたことから、Web会議に適した環境として「個室」への需要が高まっています。

オフィスを個室化するメリット

オフィスを個室化することで得られるメリットについてご紹介します。

作業効率が上がる

個室化によって周囲の音や視線を遮断することで、従業員の集中力が高まり、作業効率の向上が期待できます。特に、クリエイティブな作業や、高度な集中力を要する作業においては、個室があることで周囲を気にすることなく業務に取り組むことができ、ストレス軽減にも繋がります。

Web会議環境の改善

個室は、Web会議に最適なスペースとして活用できます。周囲の雑音を遮断し、クリアな音声で会話ができるため、スムーズなコミュニケーションが可能です。背景に余計なものが映り込む心配もなく、プライバシーに配慮できる点もメリットです。さらに、複数人でのWeb会議でも声が外に漏れにくいため、周囲に気を遣うことなく会議に集中できます。

情報漏洩のリスクを回避する

個室をつくることで、機密性の高い情報を取り扱う際の情報漏洩リスクを低減できます。特に、顧客情報や財務情報など、重要な情報を取り扱う部門においては、個室を活用することで有効なセキュリティ対策となります。

オフィスを個室化する3つの方法

既存のオフィス空間に個室を作るには、以下の3つの方法があります。

  1. パーテーションで仕切る
  2. 造作壁を設置する
  3. 個室ブースを導入する

それぞれの特徴を理解し、オフィスのレイアウトや予算、目的に最適な方法を選択しましょう。

方法①:パーテーションで仕切る

オフィスを個室化する方法として、最も多く採用されているのがパーテーションを使った空間の仕切りです。設置が簡単なローパーテーションから、天井までしっかり仕切れる施工型パーテーションまで、種類やデザイン、素材の選択肢が豊富にあります。遮音性を重視するならスチール素材、開放感を演出したい場合はガラス素材など、目的に応じて適したタイプを選ぶことができます。

ただし、天井まで仕切る場合は消防設備への配慮が必要になることもあるため、導入前に事前確認をしておくと安心です。

方法②:造作壁を設置する

木材や石膏ボード、軽量鉄骨を使い、オーダーメイドで自由に設計できる造作壁は、サイズ・機能・デザインを細かく調整できるというメリットがあります。遮音性も高く、壁紙・塗装など仕上げの種類も豊富なため、オフィスの雰囲気に合わせて個室をしっかりと作りたい場合に特におすすめです。一方で、造作壁の設置には費用と工期がかかり、レイアウト変更が発生した際には壁の解体が必要となります。

方法③:個室ブースを導入する

個室ブースは、四方を壁で囲まれたボックス型の構造で、遮音性やプライバシー性に優れているため、周囲を気にせず業務に集中できる環境をつくることができます。ガラス扉を採用したタイプが多く、閉塞感を抑えながらも開放感を保てることが特長です。さらに、照明や電源などの基本的な設備が備わっているケースが多いため、大がかりな工事を必要とせずスムーズに導入できる点も魅力です。

ただし、設置場所によっては消防設備の調整が必要となる場合があるため、事前にビル管理会社や所轄の消防署へ相談しておくと安心です。

✔ あわせて読みたい
【選び方から設置まで完全ガイド】ブース導入でWeb会議の効率アップ!
【選び方から設置まで完全ガイド】ブース導入でWeb会議の効率アップ! ブースの種類や選び方、導入ステップ、設置時の注意点までをどこよりもわかりやすく解説します。

方法別にみる遮音性の違いと特徴

これまでご紹介したように、オフィスを個室化する方法には3つの選択肢があり、それぞれ遮音性や施工の自由度などに違いがあります。以下にまとめたように、遮音性の目安も異なるため、使用目的や設置場所の環境にあわせて、どの方法が適しているかを検討する際の参考にしてください。

パーテーション造作壁個室ブース
特徴軽度の音漏れがあるが、遮音効果はある程度期待できる。材質や構造により遮音性を高められ、安定した静音環境を確保できる。高い遮音性能で外部音を遮断し、集中しやすい環境を確保できる。
遮音性の目安




◯〜◎
(※製品による)
最適な利用シーン軽い打ち合わせや周囲の音をある程度遮りたい場面機密性が必要な面談や集中作業の場面Web会議や1on1面談、静かな環境が求められる場面

パーテーションの種類と特徴

前の章で触れたパーテーションにはいくつか種類があります。ここでは大きく「ローパーテーション」と「施工型パーテーション」に分け、それぞれの特徴や適した使い方を解説します。

ローパーテーション

ローパーテーションで囲われた個室の写真

ローパーテーションは、天井まで届かない置き型パーテーションで、組み合わせ次第で簡単に空間を仕切ることができます。来客用スペースや社内の対面打ち合わせというシーンに適しており、設置や移動が手軽な点が魅力です。ただし、上部が開いているため音が漏れやすく、Web会議など周囲への音の配慮が求められる場面では工夫が必要となります。

施工型パーテーション

施工型パーテーションは、床から天井まで仕切る「ハイパーテーション」とも呼ばれ、遮音性やプライバシー性が高い点が特徴です。主に執務エリアや会議室などでよく使用され、パネルやガラスなど素材の種類が豊富で、用途に応じて選べることが特徴です。ただし、設置には工期と費用がかかり、レイアウト変更時には分解・再組立が必要となります。また、消防署への届け出が必要なケースがあるため、事前に確認しておくことが重要です。

施工型パーテーションは、素材やデザインによって次のような種類に分けられます。

スチールパーテーション

スチールパーテーションで囲われた個室の写真

スチールパーテーションは、遮音性や防火性、耐震性に優れていることが特徴です。支柱がパネルの内側に隠れる構造で、つなぎ目が目立たず、洗練された高級感のある見た目に仕上げることもできるため、上質な内装デザインを求めるオフィスに適しています。ただし、性能やデザイン性が高い分、コストはやや高めになる点がデメリットです。

アルミパーテーション

アルミパーテーションは軽量で耐久性があり、設置や移動がしやすいことが特徴です。価格も比較的リーズナブルで、多彩なデザインやカラーが揃っているため、オフィスの雰囲気に合わせて選びやすくなっています。ただし、スチールパーテーションに比べると遮音性や断熱性はやや劣るため、音への配慮が求められる場所には不向きです。

(写真:コマニー株式会社 「アルミパーテーション SL-Synchron/ PL-Synchron」

ガラスパーテーション

ガラスパーテーションで囲われた個室の写真

ガラスパーテーションは、開放感があり、オフィス全体を明るく見せる効果があります。透明度の高いガラスを使用することで、閉塞感を感じさせずに個室空間をつくることができます。すりガラスや目隠し用のフィルムを貼ることで、プライバシーを確保することも可能です。

オフィスを個室化する最適な手段とは?

オフィスの個室化にはパーテーション、造作壁、個室ブースといった手段があり、選ぶ方法によって快適性や使い勝手が大きく変わります。ここでは、「目的・用途」「オフィスの課題」「必要な個室の大きさ・形状」という3つの観点から、最適な個室化手段の選び方をご紹介します。

1. 目的・用途から選ぶ

まずは、その個室を何に使うのかという「目的・用途」を明確にすることが大切です。目的によって必要な広さや遮音性、視線の遮断などの条件が変わります。ここでは以下のような目的別にご紹介していきます。

  • 少人数でも使える打ち合わせスペースが欲しい
  • 1on1ミーティング用の個室が欲しい
  • Web会議に対応した個室が欲しい

例①:少人数でも使える打ち合わせスペースが欲しい

会議室が足りない時や、カジュアルな打ち合わせ用に気軽に使える個室が欲しい場合は、ローパーテーションで空間を仕切って半個室空間をつくることがおすすめです。簡易的に仕切ることで視線を遮り、簡単に打ち合わせスペースを設置することが可能です。また、下の写真にあるようなファミレス席のようなオープンなスペースを設けることもひとつの方法です。

ローパーティションで囲われた打ち合わせスペース
ファミレス席の打ち合わせスペース

例②:1on1ミーティング用の個室が欲しい

面談などで一定のプライバシーが必要な場合は、フルクローズ型の個室ブース造作壁で空間をしっかり仕切ることで、高い防音性と静かな環境を確保できます。また、会話だけでなくPC画面の共有を考慮し、横並びに座れるレイアウトを採用するのもおすすめです。視線の動きが自然になり、よりリラックスして話せる空間となります。

1on1におすすめな個室ブースの写真
横並びに座れるレイアウトの会議室の写真

例③:Web会議に対応した個室が欲しい

Web会議においては、外部の音をしっかり遮断できる環境が求められるため、フルクローズ型のブースや、造作壁・天井までのパーテーションでしっかり個室を作り込むことが必要です。クリアな音声で会話できる環境を整えることで、聞き返しやノイズによるストレスを軽減し、会議の内容に集中しやすくなります。

スチールパーティションで囲われた個室空間
フルクローズ型の個室ブース

2.課題から選ぶ

オフィスでよくある課題を整理し、課題に沿った個室のつくり方を考えることも大切です。騒音や視線が気になる、プライバシーを守りたい、会議室が不足しているなどの悩みには、適切なパーテーションや個室の設置で解決できます。ここでは以下のようなオフィス課題と、それに合う個室の選び方をご紹介します。

  • 周囲が気になって仕事に集中できない
  • プライバシーを確保して面談できる場所がない
  • 社内の会議室が不足して予約が取りづらい

例①:周囲が気になって仕事に集中できない

オフィス内の騒音や周囲の視線が気になると、集中力が削がれてしまいます。そんな時は、吸音性能のある個室ブースを設置して、外部の音や視線を遮断することが効果的です。視覚・聴覚の刺激を減らすことで、快適な作業環境を作り出せます。

オープンタイプタイプの個室ブース
セミクローズ型の個室ブース

例②:プライバシーを確保して面談できる場所がない

1on1の面談や機密性の高い作業には、フルクローズ型の個室ブースや遮音性に優れた造作壁で囲まれた個室を設けることで、周囲への会話漏れのリスクを軽減できます。プライバシーが守られた安心感のある空間で、落ち着いて対話や業務に集中できることが大きなメリットです。

造作壁でできた会議室の写真

例③:社内の会議室が不足して予約が取りづらい

会議室の数が限られていると、急な打ち合わせやちょっとした相談がしづらくなります。そのような場合は、ローパーテーションで簡易的に区切った個室を増設することがおすすめです。スペースを有効活用しつつ、気軽に使える場所を増やすことで、業務のスムーズな進行をサポートします。

ローパーティションで囲われた個室
ローパーティションで囲った打ち合わせスペーススペース

3. 必要な個室の大きさ・条件から選ぶ

次に、設置する個室の大きさや条件に注目して選ぶ方法です。たとえば、「集中できる場所を作りたいけれど、将来的にレイアウト変更の可能性がある」「防音性を確保しつつ多目的に使いたい」など、まだ明確な用途が決まっていない場合もあります。そんなときは、柔軟に対応できる個室設計がポイントです。

選ぶ際には、以下の3つのポイントを押さえましょう。

  • 大きさ:何人で利用するか
  • 条件:どの程度の防音性が必要か
  • 形状:施工型パーテーション、ローパーテーション、個室ブース(ワークブース)など

オフィスに個室をつくる際の注意点とは?

オフィスに個室を導入する際には、使い勝手や見た目だけでなく、法規制や建物の構造といった“見えにくい部分”にも注意が必要です。設置後に「工事のやり直しが必要だった」といったことが起きないよう、以下のポイントを事前に確認しておきましょう。

① 消防法・建築基準法に抵触しないか確認する

個室をつくる際に最も注意したいのが、消防法や建築基準法です。例えば「天井まで完全に塞がれた個室」は、スプリンクラーの設置が必要になることがあります。また、避難経路の確保や空調・照明設備との兼ね合いなど、レイアウトの自由度に制限がかかる場合もあるため、設計段階でオフィス構築の専門業者やビル管理会社に確認するようにしましょう。

② 天井の仕様を確認する

個室をつくる際は、天井の構造にも注意が必要です。特にパーテーションや造作壁で空間を仕切る場合、天井の仕様によって設置の可否や施工方法が変わることがあります。事前に自社オフィスの天井構造を把握しておくことで、適切な個室化の手段をスムーズに選ぶことができます。

以下に、主な天井タイプとそれぞれの特徴・注意点を解説します。

在来工法天井

在来工法天井の写真

コンクリートなどで仕上げられた一般的な天井で、パーテーションや造作壁を天井までしっかりと立てやすいことが特徴です。防音性の高い個室をつくりやすいため、遮音性を重視する場面に適しています。ただし、天井裏に配線やダクトがある場合は、事前の確認が必要です。

グリッド型システム天井

グリッド型システム天井の写真

グリッド(格子)状のフレームに天井パネルをはめ込んでいる構造で、近年のオフィスで多く採用されています。施工性に優れていますが、パネルが軽量なため、天井までぴったりと仕切るのが難しく、防音性はやや劣ります。静音性を確保したい場合は工夫が必要になります。

ライン型システム天井

ライン型システム天井の写真

天井面に照明や空調などの設備をライン状にレイアウトしたタイプで、意匠性やメンテナンス性に優れています。ただし、設備の位置によっては個室の設置自由度が制限されることがあり、天井までの仕切りを計画する際には注意が必要です。

✔ あわせて読みたい
オフィスの天井に拘ろう!主な種類やデザインの工夫ポイント
オフィスの天井に拘ろう!主な種類やデザインの工夫ポイント オフィスの天井の役割や素材、天井の選び方などについてご紹介します。

オフィスの個室化におすすめのブース

オフィスの個室化にはさまざまな方法がありますが、ここでは設置が簡単で使いやすい個室ブースを中心におすすめ製品をご紹介します。

遮音性の高いフルクローズ型個室ブース|イトーキ 「ADDCELL(アドセル)」

(写真:株式会社イトーキ「ADDCELL(アドセル)」

イトーキの「ADDCELL(アドセル)」は、天井・壁・ドアがパネルで囲まれたフルクローズ型の個室ブースです。高い遮音性を備え、Web会議や機密性の高い作業に適しています。1人用だけでなく複数人用もあり、用途に合わせて選ぶことができます。

自由度の高いオープン型個室ブース|オカムラ「drape(ドレープ)」

(写真:株式会社オカムラ「drape(ドレープ)」

オカムラの「drape(ドレープ)」は、吸音性の高いグラスウール内蔵パネルで構成されたオープン型の個室ブースです。遮音性は完全個室ほど高くないものの、周囲の音を和らげ、集中しやすい空間を作れることができます。サイズやカラー展開が豊富で、レイアウトに柔軟にも対応可能で、複数台並べて設置すれば集中スペースとなり、個室化を気軽に始めたい企業におすすめです。

置き型パーテーション|コクヨ「fore moving panel(フォーレ ムービングパネル)」

(写真:コクヨ株式会社「fore moving panel(フォーレ ムービングパネル)」

コクヨの「fore moving panel(フォーレ ムービングパネル)」は、キャスター付きで移動が簡単な置き型パーテーションです。高い吸音性能を持ち、遮音効果によりパネルの反対側へ伝わる音圧を軽減します。手軽に設置できるため、まずは小規模からオフィスの個室化を始めたい企業に最適です。用途や人数に応じて自由に組み合わせられ、段階的に働きやすい環境を整備することができます。

オフィス個室化の事例

オフィス空間の中で個室化に取り組んだ事例をご紹介します。

個室ブースの導入でオフィスのコストを最適化|SAS Institute Japan株式会社 様

リモートワークと出社を組み合わせた働き方に対応し、フロアの一部を返却。その分、増加するWeb会議やオンライン商談に対応するため個室ブースを導入しました。遮音性の高い空間で集中しやすく、限られたスペースでも快適なオフィス環境を実現。個室ブースのガラス面には社員の声を反映した半透明シートを採用し、視線を遮りつつ開放感も確保しています。

【オフィス個室化事例】SAS Institute Japan株式会社 様

SAS Institute Japan株式会社 様の個室ブースの写真
SAS Institute Japan株式会社 様の個室ブースの写真

ローパーテーション活用で打ち合わせスペースを確保|某食料品メーカー 様

リモートワーク普及後の新たな働き方に対応するため、オフィスリニューアルを実施。オフィスの役割を見直し、社員から寄せらせた「集中したい」「発想を広げたい」「気軽に話したい」といったニーズに応える空間づくりを進めました。

窓際には、横幅約2mのゆとりあるカウンター型のパーソナルブースを設置し、視線を遮る壁で仕切ることで、集中スペースとして活用されています。さらに、会議室フロアにはローパーテーションでゆるやかに区切ったオープンミーティングスペース「GROW LOUNGE」を設置。Web会議や会議前後の意見交換など、自由度の高い使い方を実現しています。

【オフィス個室化事例】某食料品メーカー様

某食料品メーカー様の個室化の事例写真①
某食料品メーカー様の個室化の事例写真②

まとめ

オフィスの個室化は、働きやすさの向上や情報漏えい対策など、さまざまな課題解決に効果的です。自社の目的や働き方に合わせて最適な方法を選ぶことで、より快適な環境づくりが可能になります。方法選びにお悩みの際は、ぜひお気軽にリリカラまでご相談ください。

ページ上部へ