オフィスを移転したりリニューアルする際、オフィスデザインの1つとして考えるのが「オフィスの天井」ではないでしょうか。
屋外を除いてオフィス全体を覆うのが天井なので、天井次第でオフィスの雰囲気は大きく変わります。
日々当たり前のように目にしているはずの天井ですが、いざオフィスの設計を考えるときには「天井デザインにはどのような種類があるのか」「自社の雰囲気にあう天井はどのように選んでいけばよいか」などと悩むこともあるかもしれません。
本記事では、オフィスの天井の役割や素材、天井の選び方などについてご紹介します。
オフィス天井の役割
オフィスの天井には、次のような役割があります。
- 埃やゴミ、チリの落下防止
- 温度の調整
- 湿度の調整
- 部屋の印象づけ
- 天井裏収納
オフィスの天井は埃やゴミ、チリの落下を防いだり、空間の温度や湿度を調整したりといった役割があります。天井の上にあるスペースは建物によって「屋根裏」「天井裏」など呼ばれ方はさまざまですが、空間としてはどちらも構造が複雑であり、埃やゴミ、チリなどが大変たまりやすい場所です。天井は、こうした埃やゴミ、チリの落下を防ぎ、部屋を清潔な状態に保つ役割も担っています。
天井の素材も、さまざまな性能を持つものが多くあり、オフィスを快適にするために大変役立ちます。防音や防臭機能、調湿機能まで備えているものもありますから、オフィスを健やかに保つためにはどのような素材がいいのかを調べ、選ぶとより快適なオフィス空間を作り出すことができるでしょう。
また、天井の色はオフィス全体の印象を大きく変える存在です。清潔感のある、明るいオフィスを目指すなら、光をよく反射する白い天井を選びましょう。落ち着いたオフィスにしたいと考えている場合は、ダークな色合いのものを選ぶのも一つの方法です。
天井は、実はインテリアとしての役割も大きく、色で部屋の印象をかなり大きく変えることができる存在です。天井を決める際には、機能性と色の両方をしっかりと検討するとよいでしょう。
オフィス天井の種類
ここでは、オフィスでよく用いられる天井の種類と特徴についてご紹介します。
在来工法天井
在来工法天井は、天井の骨組みに岩綿吸音板や化粧石膏ボードといった仕上げ材を貼りつけた工法です。天井の工法としては最も一般的であり、オフィスに限らず学校や病院などでも多く用いられています。
在来工法天井の場合、照明や空調などの仕様を比較的自由に設定できること、そして材料費が安価に抑えられることなどがメリットといえるでしょう。
システム天井
システム天井は、下地材で作った骨組みに仕上げ材や照明、空調、スプリンクラー、スピーカー、火災感知器、排煙口、点検口、非常照明などをはめ込んで組み立てたものとなります。
システム天井には、以下の2種類が存在します。
ライン天井
ライン天井は、ライト(照明)や仕上げ材が一体化している天井で、下から見上げた際に器具が直線状に並んでいるのがシステム天井です。設備や機器の移動がしやすいため、レイアウト変更をしたい場合にも柔軟に対応でき、ライトに並行する形でデスクを配置すれば明るさの統一も容易です。
ただ、天井材の形に合わせた照明器具が組み込まれるため、照明の向きを変えることが難しい面もあります。
グリッド天井
グリッド天井は、格子状に組まれている下地材に照明や下地材がはめ込まれたタイプの天井です。仕上げ材や照明を部分的に取り外すことが可能であり、メンテナンスやレイアウト変更が容易に行える仕様となっています。パネルも同様に部分的な取り外しが可能で、天井裏の点検などがしやすい特徴があります。
スケルトン天井
スケルトン天井は、建物自体のコンクリートがむき出しの天井です。梁や柱のような建物の構造部分がそのまま見える状態であり「躯体現し(くたいあらわし)」とも呼ばれます。
天井がない分、空間が広く、明るい印象になるのがスケルトン天井の特徴で、カフェやレストランでよく用いられていましたが、近年はオフィスでも人気です。洗練されたおしゃれな空間を演出しやすいスケルトン天井ですが、空調効率があまりよくなかったり、天井が通常よりも高い位置になるため照明が暗く感じたり、きれいに配線するのが難しかったりと手間やコストがかかる面もあります。
スケルトン天井にする際には、費用対効果を検討しましょう。
オフィス天井に使用される素材
オフィス天井に一般的に使用される素材には、以下のようなものがあります。
- 岩綿吸音材
- 石膏ボード
岩綿吸音板とは、岩綿を主原料としたものです。岩綿は火成岩を溶解したのちに空気中に噴出させ急冷して繊維状にしたもので、ロックウールとも呼ばれます。音を吸収し、室内で発生した音の反響を防ぐ機能を持つ素材です。断熱性・防火性においても優れており、オフィス天井の仕上げ材としてよく使用されています。
石膏ボードは、石膏を芯材として、石膏ボード用原紙で両面を覆い、形を整えた建築用内装材料です。石膏ボードに使用されている石膏は、硫酸カルシウムを主成分とした鉱物で、石膏には天然鉱山から採取した「天然石膏」と、人工的に生成した「化学石膏」があります。遮音性、防火性が高く、工事において扱いが容易であること、安価であることから天井にも多く用いられる材料です。
オフィス天井のデザインの決め方
オフィスの天井デザインは、以下の2つを軸に考えていきましょう。
- オフィスのコンセプト
- 天井の高さ
天井のデザインに限った話ではありませんが、オフィスのコンセプトに合わせてデザインを決めていくと統一感のあるものとなります。まずはオフィスを明るくしたいのか、落ち着いたトーンにしたいのかを考えてみましょう。明るくしたければ白などの明るいカラーを、落ち着いた雰囲気にしたければダークな色味を選びます。会社のテーマカラーやブランドカラーが決まっている場合は、その色と親和性の高い色を選ぶのもよいでしょう。また、提供しているサービスも含めて自社らしさを追求し、デザインを選んでいきます。企業として打ち出したいイメージや、ブランドコンセプトなどを明確にしておきましょう。
天井の高さについては建物の構造上、選択できる範囲が限られるケースもありますが、日本人の平均身長から計算した場合、最適な天井の高さは2.5メートル程度となっていますので、これを目安にするのも一つです。低いと圧迫感を与えてしまいますし、高すぎると不安を感じさせる可能性もあります。
オフィスの印象を変える「天井」で効果的にブランディングを
天井は、オフィスの空間を大きく占めるスペースです。天井に拘ることで、快適なオフィス空間にすることができるでしょう。ブランドカラーなどを使用することでインパクトを与え、社員のモチベーションを高めることにもつながります。来訪者や求人応募者に、企業の姿勢や雰囲気を伝える助けにもなるでしょう。
社員が居心地よく仕事ができるスペースに拘り、オフィスのデザインを決めていきたい企業様も少なくないでしょう。リリカラではオフィスの空間全体のバランスを考慮して、天井デザインを提案することが可能です。
オフィス移転やリニューアルをご検討中で、天井デザインをどうするか悩んでいる場合はお気軽にご相談ください。