オフィスに固定電話がある場合、オフィス移転時には電話の移設も重要なステップです。
しかし電話移転は、使用している電話回線の確認や配線工事の設定など必要な作業が多く、担当者が頭を悩ませるポイントになっています。
そして万が一移転作業がスムーズに進まなければ、電話が使えなくなり、特に外部とのやり取りに支障が出る可能性も……。
この記事では、オフィスの電話移転に関する具体的な工事手順や、費用の目安についてわかりやすくご紹介します。
「オフィスの移転を控えている」「固定電話の移転方法がわからない」という方は、この記事を参考にすることで円滑な電話移転への一歩を踏み出せます。ぜひご一読ください。
目次
オフィスで使用されている固定電話(ビジネスフォン)の基本知識
電話移転をスムーズに進めるための第一歩として、固定電話(ビジネスフォン)がどのようにして機能するのか、その仕組みを理解しましょう。
オフィスの固定電話の成り立ち
オフィスの固定電話(ビジネスフォン)は、「専用電話機」「主装置」から成り立っています。
専門電話機は、発信ボタンと受話器から成り立つ電話そのものを指します。
主装置とは、外部からの電話を受けて各電話機に振り分ける機器です。
主装置があることで、1つの回線でも複数の電話機で受電が可能になります。
また、外部とのやり取りを管理する機能だけではなく、内線通話を制御する内線機能も内蔵。
さらに、インターホンや社内放送、受付電話機など、さまざまな機能を追加することも可能です。
電話回線の種類
そして固定電話を機能させるため、電話回線に接続させる必要があります。
電話回線には、以下の種類があります。
アナログ回線
アナログ回線は、昔から使われている音声信号をそのまま伝える方式です。
シンプルで信頼性が高く、障害に強いというメリットがありますが、
1本の回線で1つの通話しかできないため、データ通信には向いていません。
ISDN回線
ISDN回線は、デジタル信号を使って音声やデータを同時に送ることができる回線です。
アナログ回線よりも高品質な音声通話が可能で、複数の電話番号を持つことができますが、
インターネット接続時の通信速度が遅いというデメリットもあります。
IP電話回線
IP電話回線は、インターネットを利用して音声をデジタルデータとして送信することで、コストを抑えられる点が特徴です。
また、通話端末にはスマートフォンやパソコンも使えるため、外出先や在宅勤務中でも問題なく通話できます。
オフィス移転前に電話について確認しておきたいこと
続いて、電話移転を行う前に以下の点を確認しましょう。
契約中の電話会社
まずは現在契約している電話会社を確認しましょう。
契約内容によっては、移転先でのサービスの継続が難しい場合があるため注意が必要です。
使用している電話回線
次にアナログ回線、ISDN回線、IP電話など、どの電話回線を使用しているか確認してください。
IP電話の場合は、インターネット環境が整っていれば比較的スムーズに移転できます。
これを機に、使用中の電話回線を継続するのか変更するのかも再検討してみましょう。
電話機器の種類と台数
移転後のオフィスの広さやレイアウトによっては、追加の機器が必要になります。
電話機器の種類とその台数も確認しましょう。
電話番号変更が必要であるか
最後に、電話番号の変更が必要かどうかをチェック。
同じ番号を継続するのが理想的ですが、電話番号の変更が避けられない場合は早めに周知して、業務への影響を最小限に抑えましょう。
オフィスの電話移転に必要な工事手順
移転後も業務をスムーズに再開するために、電話移転の工事は計画的に進める必要があります。
ここでは、一般的な工事手順と各工程の内容をご紹介します。
1.工事計画の策定
移転日までに必要な工事が完了するように、電話会社や工事業者と共に工事計画を策定します。
工事内容には、電話機の設置場所や配線ルートの確認も含まれますが、業者との打ち合わせを通じて具体的な工事内容を決定し、見積もりを取りましょう。
特に、電話回線の引き込みや配線工事は時間がかかることがあるため、早めに計画すると安心です。
2.配線工事
配線工事は、電話回線をオフィス内に引き込む工事です。
電話機が設置される各デスクまでケーブルを引き込み、各電話機が正しく機能するための準備を整えます。
配線を引き込んだら、美観にも注意を払い電話機を設置していきます。
3.設定と調整
電話機の設置が完了したら、各電話機の内線番号の設定や外線発信の方法を確認する工程に移ります。
ビジネスフォンは、主装置を適切に設定することで内線通話や転送機能が正しく動作します。
設定の際には、社員への説明やマニュアルの配布も行い、誰でも簡単に操作できるようにしましょう。
4.通話テスト
最後に、内線通話や外線通話が問題なく行えるかをテストします。
通話品質や接続の安定性を確認し、問題があればすぐに調整を行いましょう。
オフィスの電話移転にかかる費用
電話移転には、電話回線工事費と電話移転費がかかります。
それぞれの内容とおおよその費用についてご紹介します。
電話回線工事費の目安
電話回線工事費用には、交換機工事や室内配線工事などが含まれます。
交換機工事には、1台あたり約1,000円ほどかかることが予想されます。
室内配線工事では、基本工事費が1工事あたり約2,500円であり、既存の配線を利用する場合は1回線あたり約4,500円、新規の場合は約5,000円が目安です。
ただし、こうした費用はオフィスの規模や電話回線の数によって変動するため、事前に見積もりを取りましょう。また、電話番号が変更になる場合は、NTT内の交換機に対する工事も必要となり、これが追加費用となる可能性があります。
電話移転費の目安
電話移転費用としてかかるものは、主に材料費、人件費、主装置の設置費、電話機の設置費用、屋内配線費、FAXの設置などがあります。
費用は、工事の内容や規模によって異なります。
工事業者と詳細な打ち合わせを行い、正確な見積もりを確認してください。
オフィスの電話移転は計画的に進めよう
オフィスの電話移転には、事前の確認や工事計画、配線工事、設定と調整、そして通話テストまで、しっかりした準備が必要です。また、工事費用を把握し予算を適切に立てることも重要です。
新しい環境で安心してスタートを切るためにも、計画的に準備を進めましょう。
リリカラでは、オフィス移転のサポートを行っております。
オフィスの電話移転ももちろん対応可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。
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