帰属意識とは?オフィスで組織の活性化を促し、人材流出を防ぐ方法- コラム|オフィスデザイン・内装レイアウト設計、移転ならリリカラ株式会社

コラム

帰属意識とは?オフィスで組織の活性化を促し、人材流出を防ぐ方法

帰属意識とは?オフィスで組織の活性化を促し、人材流出を防ぐ方法

優秀な人材の確保と定着は企業の重要課題の一つ。しかし少子化やグローバル化が進み、人材の確保の厳しさに直面している経営者の方も多いと思います。さらにZ世代をはじめとする若手世代はフレキシブルに物事を考えるため、「自分に合った環境ではない」と感じるとあっさり離職を決断。年々人材の確保も定着も困難な時代になっています。この難題を解決する鍵となるのが「帰属意識」です。人はお金以外のモチベーションがないと、一つの組織に長く留まることは困難。そのため企業は社員に「この会社で働き続けたい」と思ってもらえるような制度や環境を整える必要があります。

本記事では社員の帰属意識が低下する原因、そして帰属意識を向上させる一つの施策としてのオフィス構築方法を詳しく解説します。

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帰属意識とは?帰属意識の重要性

そもそも帰属意識とは、組織(会社)に所属しているメンバー(社員)が持つ、「組織の一員である・仲間である」という意識のこと。
こと企業の中においては、「会社の業績に貢献する忠誠心」ともいえます。社員の中で帰属意識が低下すると、それに比例して働くモチベーションが低下。そこから組織力の低下や業績低下、人材確保困難につながりがちです。ゆえに社員の帰属意識は、会社にとってとても重要だといえます。

 

帰属意識向上によって得られる3つのメリット

ここでは帰属意識の向上によって得られる具体的なメリットを3つご紹介します。

離職率が低下する

帰属意識が高い従業員は、仲間と良好な関係を築いており、自分の仕事に誇りを持っています。そのため、転職して新しい環境でチャレンジするよりも、今の会社でキャリアを積み重ねたいと考える傾向があります。

生産性が向上する

帰属意識が高い従業員は、自社への愛着心が強いため職場を居心地の良い場として認識しています。そのため帰属意識が低い従業員よりもストレスを抱えにくく、集中して仕事に取り組むことができます。また、帰属意識が高い従業員が増えるとチームワークが高まり、コミュニケーションが増えるため新たなアイディアの創出や生産性の向上に繋がります。

企業イメージが向上する

自社への愛着心の強さから、自社の成長に貢献したいと考えるようになります。そのため自社の雰囲気の良さやサービス内容を積極的に社外へ発信する傾向があります。このような傾向が企業イメージの向上に貢献します。

 

若手社員の帰属意識が低くなる組織の特徴

ここではやがて企業の中核を担う存在となるZ世代を中心とする若手社員の帰属意識について考えてみます。

若手社員の帰属意識が低くなる原因には、次のような会社の特徴があります。

会社の将来性が感じられない

会社の将来性が感じられないと、社員の帰属意識が低下しがちです。若手社員は情報を容易に入手できるため、企業に関する情報や評判を把握していることが多いという特徴があります。
他社に比べて自社が社会的責任を果たしていないと感じると、会社の将来性に疑問を持ち、社員の帰属意識が低下することがあります。

職場に求める価値観の変化

若手社員はSNS等で多様な価値観を受け入れて育った為、自分自身の価値観も受け止めて欲しいと考えています。つまり自由に自分らしく働きたいと思っているので、上下関係がなく、フラットな風通しの良い職場を好みます。よって組織・階級を重んじる職場で働くと、帰属意識が低下につながる可能性があります。

ワークライフバランスがよくない

ワークライフバランスが悪いと帰属意識が低下するという特徴もあります。若手社員は幅広い情報に触れる機会があることから、社会的にも多様な価値観を持っています。とくに他の年代に比べて、自己実現やライフスタイルを重視するという傾向が。
またワークライフバランスが良いことが、自分自身の健康や幸福に直結するとも考えています。過剰なストレスによって、身体的・精神的な健康を損なうことを危惧してもいます。
ワークライフバランスが悪いと、趣味や家族との時間が減り、自己実現のための時間が取れず、毎日の生活に充実感を得ることができないと考えているのです。

「ワークライフバランス」から「ワークインライフ」へ
さらにテレワークが広まったことで「ワークライフバランス」から「ワークインライフ」へと変化しつつあります。ワークライフバランスとは、仕事とプライベートを分離した考え方。一方でワークインライフとは、仕事とプライベートをより一体化させた働き方のこと。つまり仕事と生活はどちらも人生の大切なひとつの要素として捉えるという考え方です。
若手社員が求めるワークインライフを実現するには、よりフレキシブルな働き方や職場環境の改善、心身の健康管理などが求められます。

会社がホワイトすぎる

会社がホワイトすぎるのも、帰属意識が低下する一因です。高度経済成長期には終身雇用が一般的で、企業への忠誠心が重んじられ、社員は安定したキャリアを追求することがほとんどでした。
しかし現在はグローバル化や情報の進歩により、企業の在り方や働き方に対する価値観も多様化しています。自己実現やライフスタイルを重視する若年層は、自分の能力や価値を最大限に発揮でき、スキルや経験値を積み上げられる職場環境を求める傾向に。

仕事の負荷(仕事量・難易度)が軽すぎる、いわゆる「ゆるい」職場だと、スキルアップやキャリアアップの機会を得られなくなります。結果として社員のモチベーションが低下し、会社に対する興味や関心が薄れる場合が。
若手社員の中には、ホワイトすぎる会社からよりやりがいのある仕事ができる会社へと、転職を繰り返す人もいます。

テレワークで共感が失われ孤独に

IT技術の進歩によって働き方が多様化し、テレワークやフレックスタイム制が一般的になったことも、会社に長時間居る必要がなくなった理由の一つ。

テレワークには、仕事とプライベートのバランスが取りやすくなったり、通勤時間を削減できたりするメリットがある一方で、上司や同僚とのコミュニケーションが減り、フィードバックや情報共有が不十分だと孤立感を感じやすいというデメリットも。また仕事の全体像が見えにくくなることで、成長が実感できずに不安定になりがちです。
完全にテレワークに移行することを、不安に感じている若手社員が一定数存在しています。若手社員は意外にも、オフィスへの出社を希望しているということを覚えておきましょう。

 

帰属意識が高まるオフィスの特徴

先ほど若手社員は出社を希望しているとご説明しましたが、経営者層の方も出社をしたほうが他の社員とコミュニケーションが取りやすいと感じることが多いと思います。実際に世間的にも出社率を徐々に上げる会社が増えてきており、オフィスの価値が見直されはじめています。

この章では、組織が活性化し帰属意識が高まるオフィスの仕掛けをご紹介します。

オフィス内にコミュニケーションを促すスペースを設ける

オフィス内に社員同士がコミュニケーションを取りやすいスペースを設けることで、帰属意識を高めることが可能です。自然に他の社員との会話が生まれ、この会社の一員だという意識を持ちやすいため。
例えば社員が誰でも利用できる、カフェスペースやランチスペース、休憩スペースなどの設置が一例。
目的業務以外の雑談ができるスペースに、「ザルトリウス・ジャパン株式会社」の施工例のような「仕掛け」を用意することで、スペースだけ作っても使われない可能性を排除できるのでおすすめです。

こちらの例では「エンゲージメント・カウンター(交流の場)」と名付けられたコミュニケーションスペースに、コーヒーのドリッパーを設置。オフィス内では40秒以上同じ場所にとどまると、会話が発生する確率がアップするというデータがあります。コーヒーがドリップされる数分をあえて作ることで、他の社員との会話が自然に発生しやすくするという目的も。
このような場では、ある程度自由に会話してもOKというルールを作るといいでしょう。

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アイデアを生み出せる創造的な環境づくり

社員が自分たちでアイデアを生み出せる、創造的な環境を作ることが、仕事のモチベーションアップには重要です。自発的に自分たちのアイデアを出し合い、それぞれのアイデアを組み合わせたりブラッシュアップしたりして、新たなイノベーションを生み出しやすい環境を作り出します。
ホワイトボードや、アイデアを共有できるデジタルツールを設置すると効果的。例えばキャスター付きの家具など、臨機応変に配置や形を変えられるものはアジャイルミーティングに適しています。

フレームとビームで構成されたセミオープンな空間ではブレストに適しています。中でしている会話が外にも聞こえ、通りがかった人も会話に参加しやすくなるという効果も。他にも、ハイシートやローシートの席を用意すると、目線が変わりふとしたアイデアが浮かぶことも期待できます。

また段差のステージ(ベンチシート)を用意して、そこで会議をすると意見を言いやすいというメリットがあります。机をロの字型にして行う会議では互いの顔が見えてしまうので、なかなか意見を出しにくいという傾向が。
一方で、こちらのようにプレゼンターが前に出てその他の出席者が段差ステージに座るような形を取ると、参加者が全員同じ方向を向く形になるので、意見が出やすくなります。

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快適かつ五感を刺激するオフィス

帰属意識を高めるためには、社員が快適に働ける環境を整えることは必須です。快適な温度や湿度を維持する空調システムを導入するのはもちろんのこと、窓から自然光を取り入れやすくしたり、快適に使用できるデスクやチェア等のオフィス家具を提供したりするのも重要。
さらに光や音、香り(アロマ)にこだわり、人間の五感を刺激すると仕事効率や創造力のアップにつながります。

オフィスの床面積に占める家具占有率もポイントです。家具占有率が50%を超えると狭く感じてしまうため、極力低くするようにしましょう。今時のオフィスのトレンドは、家具占有率40%前後にとどまっています。オフィスにはあまり物を詰め込み過ぎず、組織ではなく個人の働き方の方に重点を置き、それに見合ったオフィス面積を考えるようにしましょう。

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インナーブランディングによる企業と社員の価値観の共有

テレワークで帰属意識が低下している今、社員に向けたインナーブランディングが重要です。企業文化やビジョン等メッセージとして社員に伝えることで、価値観を共有することが目的です。

社員は自社の価値を認識することでロイヤリティーが増し、又他社との差別化を知ることで自信がつき、モチベーションアップにつながります。自社への信頼が高まるとやりがい・達成感を感じるようになりますので、自然と帰属意識も高まり、離職率も減少し、優秀な人材確保にもつながります。

<インナーブランディングの表現方法>

  • 自社製品をモチーフにしたオリジナル家具及びサイン
  • ロゴマークをデザインしたインテリア
  • 自社の歴史を感じるヒストリーウォール
  • デジタルサイネージで現場や拠点とつながる

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帰属意識の向上を意識したオフィス事例

こちらではリリカラが過去に施工した事例の中から、帰属意識が上がるオフィス事例を紹介していきます。

社員の健康に配慮したオフィス

>>>オイシックス・ラ・大地 株式会社様 事例はこちら

こちらの施工事例では、チーム連携と社員の健康に配慮して「公園」をモチーフにしたフリースペースになっています。公園ならではのリラックス・リフレッシュできるという環境は、よりチームの連携を高め、作業効率化や生産性向上の効果が期待できます。

社員に対して行った勤務中に感じる不調に関するアンケートでは「目が疲れる」「運動不足と感じる」という回答があったため、目に優しいグリーンを多く取り入れ、体を動かせるスペースを設置。目の疲れや運動不足を解消できる、休憩スペースという形に仕上げました。

エントランスの香りからデザインした、気持ちが高まるオフィス

>>>某広告制作会社様 事例はこちら

人を引き付ける、社員が力を発揮できるオフィスを目指して、オフィスの意匠性を追求した施工事例です。エントランスの天井は高級感のある黒を採用し、受付正面のシルバーの壁は職人が手作業で丁寧に塗装。
また天井にはディフューザーを設置してアロマの香りで来訪者を迎え入れるなど、目に見えないところにまでこだわりを尽くして仕上げています。

ワークスペースは動線も広く開放感があり、デスクは1人2000ワイドというゆとりのある作業空間になっています。又、リフレッシュエリアを設け、仕事の合間やお昼休みなどでしっかりと気分転換ができるようになりました。ハイカウンターやテーブル席、ソファー席などの什器を多様に採用したことで、社員それぞれの好みの形で身体を休められると好評です。

コーポレートカラーを基調とした、社内外のブランディングに寄与するオフィス

>>>TELASA株式会社様 事例はこちら

コーポレートカラーであるオレンジをキーカラーに、会社への帰属意識が高められる内装に。受付や各会議室にも「自由に飛び回るロケット」をイメージしたTELASAのロゴの「A」をデザインし、会社のビジョンを共有することで、帰属意識やモチベーションを高める仕掛けとなっています。

オフィスを訪れた人からは「会社のフレッシュさ・勢い・ワクワク感」が伝わるとの評価。社員からは「出社すると会社の風土を感じてモチベーションが上がる」、団結力が高まると感じる」との声が出ています。

 

まとめ|社員が「行きたい!」オフィスにすることが大切

テレワークやリモートワークが当たり前になりつつある現状では、愛社精神や社員同士の一体感にもつながる帰属意識が希薄になりがち。社員の帰属意識は働くモチベーションになるだけでなく、業績アップや作業効率の向上、人材確保の面でも重要です。

特に若手社員の帰属意識の低下の原因として、会社の将来性が感じられないことやワークライフバランスが良くない、会社がホワイトすぎるということが挙げられます。
帰属意識を高めるためには、快適で五感を刺激するオフィスやアイデアを生みやすくする環境づくり、社員同士のコミュニケーションを促す仕掛けづくりがポイントに。上記を参考にしながら社員が「行きたい!」と思えるオフィスに整え、社員の帰属意識を向上させましょう。リリカラは「はたらくをもっとゆたかに」をコンセプトに、ワークスペースを通じ企業の課題解決に向けたサービスを提供しています。最適な働き方の実現に向け、トップインタビューや部門ヒアリング、各種分析調査、空間構築まで、上流部分からサポートいたします。 もちろん、思うようなスペースが取れない場合のリフレッシュ効果のあるアイディアもご提案可能です。

オフィスのお困りごとは是非お気軽にご相談ください!ご相談はこちらから。

 


コラム監修
オフィスソリューション営業部 シニアディレクター
塚越 慎吾 Shingo Tsukakoshi

2019年よりリリカラ株式会社へ入社。リリカラ入社前は日本最大のオフィス家具メーカーである株式会社オカムラで36年の営業経験を積む。蓄積された知見を活かし、現在も多くの企業のオフィス移転・リニューアルプロジェクトに携わっている。

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