【経験談】フリーアドレス席って実際どう?導入の失敗を防ぐコツとは?- コラム|オフィスデザイン・内装レイアウト設計、移転ならリリカラ株式会社

コラム

【経験談】フリーアドレス席って実際どう?導入の失敗を防ぐコツとは?

【経験談】フリーアドレス席って実際どう?導入の失敗を防ぐコツとは?

リモートワークの普及に伴い、フリーアドレスを導入する会社が増えています。ただ、フリーアドレスには多くのメリットがあるにもかかわらず、社内で反対意見や懸念点が上がり、導入が進まないという方も多いのではないでしょうか?実際に弊社でも同様の相談が多々寄せられています。

筆者である私(20代、マーケティング職)も、リリカラに入社するまでは固定席にしか座ったことがなく、フリーアドレス席という新しい環境に最初は抵抗を感じていました。しかし、リリカラ社内の様々な席に座ってそのメリットを体感することで、マイナスイメージを払拭することができました!

今回は私の体験をもとに、フリーアドレスのメリットや注意点、導入のコツをお伝えします。本記事を読むことで、効果的な運用方法が分かり、快適なオフィス環境を構築できるようになります。フリーアドレスの導入に不安があるオフィス運用ご担当者様はぜひご参考ください!

フリーアドレス席導入のメリットとは?

  

まず、私はフリーアドレスに対して「席を探すのが面倒くさそう」「集中しにくくなりそう」といったマイナスイメージを抱いていました。他にも「毎回荷物を片付けなければならない」「同じ部署の人とコミュニケーションが取りにくくなりそう」など自分の席が無くなることで様々な不安が沸き起こることと思います。

ではフリーアドレス席を導入することでどのようなメリットを得ることができるのでしょうか?

【メリット①】自由に作業環境を選べることでモチベーションがアップする

決められた席がないため、社員は仕事内容によって最適な席を選べます。それにより集中力が維持されやすくなり、効率よく仕事を進めることが可能。結果、自律的な働き方を促す効果があり、モチベーションアップに繋がります。

【メリット②】コミュニケーションが多様化する

フリーアドレス席を導入すると、他部署の社員とのコミュニケーション機会が増えます。異なる業務やプロジェクトに関わる社員と交流する機会が増えると、価値観が広がり多様なアイディアが生み出しやすくなります。

【メリット②】オフィススペースを最適化できる

出社とリモートワークを組み合わせたハイブリッドワークを導入している会社は、必ずしも社員全員分のデスクを用意する必要がないため、空いたスペースを別のスペースに活用できたり、スペースを返却してコストを削減することも可能。オフィススペースを効率的に活用できます。

席タイプと周辺環境による集中度合いを調査!

第1章で挙げた主に①のメリット(集中が持続→モチベーションアップ)を体感するため、リリカラの様々なフリーアドレス席に座って作業してみました。

リリカラには、ワークスタイルに応じた5種類の席が用意されています。

  • ベンチテーブル席
  • ソファ席(ファミレスベンチ含む)
  • 独立席+上下昇降デスク
  • セミクローズ型ブース席
  • フルクローズ型ワークブース

それぞれ席の特徴や周囲の環境を観察し、座って作業した印象を順番にお伝えします。

ベンチテーブル席

ベンチテーブル席

一つの大きなデスクに数人が着席する、いわゆるベンチテーブル席。
この席の良かった点は、集中力が持続するということ。そして眠くなりにくいです。目の前に人がいることで適度な緊張感が保たれ、さらに集中している人の近くで作業をすること、おのずと集中力が高まってくるのです。この「集中力の伝染」は心理学でも明らかになっている効果。集中力の維持にお悩みの方は、ぜひ集中している人の隣に座ってみてください。

またこの島型席は話し声がいたるところで聞こえる場所にありますが、その声が混ざりあい、話している内容が聞き取れなくなるので不思議と音は気になりません。このような意味をなさない雑音(すべての周波数帯域で同じエネルギー密度を持つ、ランダムな音)はホワイトノイズと呼ばれ、ストレスを感じるどころかリラックス効果があり、集中力や学習能力の向上が期待できるそう。カフェでの集中作業を好む人が多いことも、この音の効果が一因にあるようです。

◆座ってみた感想
目の前にも横にも人がいるという状況に、初めは視線が泳ぎ落ち着きませんでしたが、10分ほど座ると周りの環境にも慣れて集中して作業できるようになりました。

参考:『教室内音環境が学習効率に及ぼす影響』日本建築学会(PDF)

 

ソファ席(ファミレスベンチ含む)

ソファ席(ファミレスベンチ含む)

ファミレスにあるような背当の高いソファ席を体験。ソファはチェアより奥行がゆったりとしていて座り心地がよく、カジュアルな雰囲気が特徴です。ただ前後も高さも変えることができないため、あそびがなく身体が固定されてしまうというデメリットも。適度に立ち上がり体を動かさないと、肩や腰が痛くなることがあります。

またリリカラのソファ席エリアは、比較的静かな環境にあるため実際に時間を忘れるくらい仕事に打ち込むことができました。ただ静かな環境だからこそ、一人が会話を始めると内容がはっきり聞こえて集中力が途切れる場面も多々ありました。人間は無意識に音を探す習性があり、音が聞こえない状況である程度の時間が経過すると、逆に不安や緊張といった不快感を引き起こすことがあるそう。

◆座ってみた感想
はじめの数分はリラックスしながら作業することができましたが、1時間後には身体が疲れて集中力が下がりました。集中作業よりも人とのコミュニケーションに適した席だと感じました。

参考:『無関連音効果の音響心理学』日本音響学会(PDF)

 

独立席+上下昇降デスク

独立席+上下昇降デスク

一人用デスクが独立した席。リリカラの独立席は前と横にデスクトップパネルが付いているため周囲の視線が気にならず半個室のような雰囲気で作業することができます。机は上下昇降機能付きで、立ちながら仕事をすることも可能。立つことで血行がよくなると、脳に酸素が行き届き、集中力や生産性、クリエイティブ性が高まります。

特に昼食後の時間帯に机を上げて立って作業すると、眠気がおさまるのでおすすめです。

◆座ってみた感想
昼食後に立ちながら作業したところ、眠さが解消し、作業に集中することができました。

 

セミクローズ型ブース席

セミクローズ型ブース席

リリカラのセミクローズ型ブース席は、卓上型ブース席を指します。視界を遮るブースが前方を覆っているため島型のデスクに座っていても周囲の視線が気になりません。

ただ、コピー機にシュレッダー、ドアに近い席であったため、大きな音が耳に届き、集中力が途切れがちに。コピー機やプリンターなどの音を抑えるために、騒音源をローパーティションで囲う、防音機能のあるカバーをかぶせる、音の小さな機器を使用するといった対策が必要だと感じました。

◆座ってみた感想
ブースのおかげで視線が遮られ、作業に没頭することができました。

関連コラム:会議室足りていますか?リリカラおすすめ吸音性能付きWeb会議ブース5選

フルクローズ型ワークブース

フルクローズ型ワークブース

フルクローズ型ワークブースとは、床・壁・天井に囲まれた完全個室の席を指します。
リリカラでは、オフィス家具メーカーのオカムラから販売されている「TELECUBE」という製品を採用しています。この席は外部の騒音や気になる要素をシャットアウトすることができるため、WEBミーティングや集中作業に適した席です。

◆座ってみた感想
完全に一人きりの空間のためプライバシーが保たれます。また周りの音が気にならないため、どの席よりも集中して作業することができました。

関連コラム:新しい組織・働き方に合わせたオフィス計画に ~フォーンブースを選ぶ5つのポイント メーカー別徹底比較~

 

様々な席に座って感じた、フリーアドレス導入の注意点と解決策

フリーアドレス席は、自分で自由に好きな席を選んで座ることができますが、自分の好きな席が次第に明確になると、毎日その席に座りたいという気持ちが働きます。実際に席を数日観察してみると、席ごとに座る人がほぼ固定しており、皆お気に入りの席が確立している印象がありました。席の数は限られているため各々が毎日座る席を固定してしまうと、他の社員が席を移りたいと思っても「いつもあの人が座っている席だから」と移動がはばかられるように……。

そのような状況が続くとフリーアドレス席の機能が弱まり、「最適な作業環境を自由に選べる」「コミュニケーションの多様化」といったフリーアドレスのメリットが享受しづらくなります。

そして席の人気度は、求める作業環境に合っているかどうかによって変わりますが、席がある場所・席の座りやすさによっても左右されます。例えばモバイルロッカーから遠い席や、大きな音が聞こえやすい席は人気が落ちる傾向があります。固定席化を防ぐためには、このようなマイナス要因を減らし、一つ一つの席の快適度や人気度をできる限り同じにすることが効果的なのではと感じました。

そのためには、ルールの設定・周知(毎日異なる席に座る・外出から帰社したら異なる席に座る・くじ引きなど)、レイアウト変更(モバイルロッカーを社員通用口近くに集約するなど)イスの快適性を高める不快感の強い大きな音から遠ざけるといった対策が必要。そして需要のある席を調査し、それに合わせてレイアウトを定期的に変更するとオフィスの流動性が高まります。

また、下記コラムで紹介しているアイテムを取り入れるとさらにフリーアドレス席の利便性が高まります。

関連コラム:
フリーアドレスの必需品!仕事に役立つおすすめ便利グッズ・ツール

 

ストレスを感じやすいオフィスの特徴とは?

また様々なフリーアドレス席に座ってみて分かったことは、室内環境が集中力と快適性を大きく左右するということ。

仕事をしたいと思う場所は人それぞれ異なると思いますが、ストレスを感じる場所はおおむね一致しています。
最後にストレスを感じやすいオフィスの特徴を9つあげてみましょう。

  1. 適切な作業エリアや空間が確保できないオフィス
  2. 業務特性や体に合わないオフィス家具(とくにデスクとチェアおよびパソコン等の情報通信機器との関係)
  3. オフィスの明るさやまぶしさ、騒音、臭いなど室内環境の不適切さ
  4. 暑さ、寒さなどの空調障害
  5. プライバシーやセキュリティが十分に確保できないオフィス環境
  6. 会議室、ミーティングスペース不足によるストレス
  7. 業務・生活支援施設(コピー、リフレッシュスペース等)の不足
  8. 書類や情報の検索に時間がかかる
  9. 電源供給、情報通信線が不十分、不適切なオフィス

出典:「オフィスづくりの基礎知識―人・組織・オフィスをとりまく環境を整えるー」一般社団法人日本オフィス家具協会著

オフィスのどこにいてもストレスを感じることなく仕事をするためには、上記のような特徴に当てはまる場所を把握し、しっかりとした対策を考えることが大切です。

 

まとめ|フリーアドレス導入のメリットは大きい!

当初フリーアドレス席に対してマイナスな印象が先行していた私でしたが、実際に自由に席を移動することで気持ちが切り替わり、固定席で作業するよりも集中力とモチベーションの向上を実感しました!

最近のフリーアドレスはオフィス内に多様な席を設け、目的に応じて席を選んで働くABW(アクティビティ・ベースド・ワーキング)が主流となっていることから、ますます社員の自主性を尊重した働き方が求められています。

フリーアドレス席にも上手に運用することで、社員や会社に多様なメリットをもたらしてくれますので、ぜひ導入を検討してみてください。

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