オフィスにフリーアドレスを導入すると、必要になってくるのが座席の管理。そこで本記事では、座席管理に便利な「座席管理システム」について詳しく紹介していきます。
ぜひ最後までお読みください!

オフィスのフリーアドレス化を成功に導く4つのステップをまとめたフリアド導入ガイドブックです。
目次
なぜフリーアドレスに座席の管理が欠かせないのか
フリーアドレスのオフィスに座席管理が必須なのは、どこに誰がいるか分からないという問題が発生するためです。在籍状況が分からないゆえに必要な人に必要なコミュニケーションが取りづらくなると、スムーズな業務に支障をきたします。
また私物が置きっぱなしでデスクを使っていいのか分からない、出社したのに空いている席を見つけられないといった理由も。
実際の業務では、電話の取次ぎが難しくなったり、部下の状況が見えないことでマネジメントが難しくなる可能性があります。これらフリーアドレスに関する問題を解決するために、座席管理が必要になるという訳です。

フリーアドレスにおける座席管理の具体的な方法
フリーアドレスで座席管理を行う方法として、次の3つの方法があります。それぞれの方法について、詳しく見ていきましょう。
「自分で申告する」スタイルの座席管理方法
フリーアドレスで座席管理を行う方法の一つ目は、毎日社員全員がその日座る席を出社時に申告するという方法です。ホワイトボードなどに座席表を掲示しておき、社員の氏名を記載したマグネットを準備すれば、比較的簡単に仕組みを作れます。
一方で出社の度にマグネットを動かすなどの手間がかかり、毎日の記録を残すのに管理がしにくいというデメリットも。とりわけ大人数の社員がいるオフィスでは、あまり現実的な方法とはいえません。
ビーコン技術を使って自動で座席を把握する
座席管理を行うには、ビーコンを活用するという方法があります。ビーコンとは、Bluetoothなどの無線通信を活用した位置管理の方法。社員それぞれがビーコンを身に付け、ビーコンから発せられる信号によって、誰がどの席にいるかシステム上で確認できます。
しかしビーコンでは社員の位置情報のみしか得られないので、一括した座席の管理や会議室の予約なども行いたい場合には不向きです。
ビーコンはあくまでも位置情報の共有に特化した方法なので、その他の機能も活用したいという場合は、座席管理システムの活用がおすすめです。
座席管理ツールを導入して一元管理する方法
フリーアドレスの座席管理を行うために、座席管理システムを活用するという方法があります。座席管理システムを導入すれば、誰がどの席を使用しているのかが一目で分かるだけでなく、後述する様々なメリットがあります。
また座席管理システムの種類によっては、様々な機能を備えているものも。貴社の業務内容に応じて、必要な機能を備えたシステムを選ぶといいでしょう。実際に座席管理システムの導入を検討する場合には、どのような機能があるかやコストとメリットとのバランスを考えながら選ぶことをおすすめします。
座席管理システムとは

▲リリカラ日比谷オフィスの社員位置情報。現在誰がどこにいるのか一目でわかるようになっている
(使用システム:EXOffice)
座席管理システムとは、文字通り社員の座席情報を管理するシステムです。とくにフリーアドレスを導入しているオフィスや、出社とリモートワークを組み合わせたハイブリッドワークを導入している企業、多くの社員が在籍している大企業で活用されています。
誰がどこにいて何をしているかが管理画面を見れば一目でわかり、従来のアナログ座席表と比較すると管理がしやすいのがメリットです。
無料の座席管理システムもありますが、使える機能が限られていてセキュリティが脆弱といった特徴が。一方で有料のものは、様々な機能があり導入がスピーディにでき、継続的なサポートが受けられるので安心して利用できます。
座席管理システムのメリット
座席管理システムには、様々なメリットがあります。導入をご検討されている担当者様は、ぜひ参考にしてください。
空席を探す時間を削減できる
座席管理システムを導入すると、空席を探す時間を減らせます。フリーアドレスのオフィスには好きな席に座れるというメリットがある一方で、出社の度に空いている席を探さなければならないという手間が生じます。中には空席探しに時間を取られることに、ストレスを感じている社員がいるかもしれません。
しかし座席管理システムを導入すれば、一目で空席がどこにあるか把握できます。もちろん従来通りランダムに席を決められるので、空席探しのストレスが軽減されるだけでなく、探す時間を削減できるというメリットも期待できるでしょう。
社員の居場所が把握しやすい
社員の居場所が把握しやすくなるのも、座席管理システムのメリット。フリーアドレスやABW(Activity Based Working)のオフィスでは、部署の垣根を超えたコミュニケーションが活発になる一方で、社員の居場所が把握しにくくなります。
そこで座席管理システムを活用すれば、社員の位置情報が把握しやすくなります。システムによっては社員のアバター表示ができたり、氏名での検索も可能で、せっかく席に行ったのに会えなかったという事態を避けられます。

出社状況をリアルタイムで確認できる
座席管理システムには、出社状況をリアルタイムで確認できるというメリットがあります。コロナ禍を経てハイブリッドワークが広がったことで、出社状況の把握が難しくなりました。
しかし座席管理システムを導入することで、リアルタイムの出社状況を可視化できます。
社員一人一人がスマホやPCで確認できるので、在宅か出社か、出社している場合どの席に座っているかの把握が可能に。座席管理システムの導入によって、より一層のコミュニケーションの促進が期待できます。
座席の利用率を改善できる
座席管理システムではログデータが取れるので、座席の利用率が一目で分かります。それによってよく使われている座席とそうでない座席が把握でき、データをもとにしてオフィスのレイアウトを変更すれば、より使いやすく快適なオフィスに改善できます。
また必要な座席数が明確になることで、限られたオフィス空間を最大限に活用できるように。座席管理システムは、オフィス全体の効率化にも大いに役立ちます。
固定席化を防止できる
特定の社員が特定の席を利用するという固定席化を防止できるのも、座席管理システムのメリット。社員間のコミュニケーションの幅を広げるためにフリーアドレスを導入したとしても、いつも同じ席に座る社員がいれば、その目的は薄まってしまうでしょう。
座席管理システムの中には、昨日と同じ座席を予約できないような設定が可能な機能が備わっているものがあります。その機能を活用するとオフィスの固定席化を効果的に防げます。

座席管理システムの機能一覧
座席管理システムには、次のような機能が搭載されているものがあります。
チェックイン機能
座席管理システムには、チェックイン操作が簡単にできるという機能があります。在席状況がリアルタイムで反映されるので、利用状況を可視化できるだけでなく座席の空予約も防げます。
システムによって、下記のような方法があります。
- 使用する社員が座席に設置されたQRコードやICカードをスマホで読み込む方法
- 出社時に入り口にある端末から操作する方法
- システム上で操作する方法
チェックイン機能での懸念点はセキュリティですが、IPアドレスの制限が可能なものを選べば、この問題は解決可能です。
座席・会議室の予約機能
座席管理システムを導入すると、席の予約はもちろん会議室の予約や受付管理なども簡単にできます。ツールによっては時間単位での予約も可能で、1カ月以上先の予約ができる場合も。フロアマップを見ながら、好きなタイミングや時間に予約できるのが大きなメリットです。
忘れないうちに打ち合わせの予約をしておきたいときや、急遽会議がキャンセルになったときにも便利。オフィス外から予約できるものもあるので、貴社の働き方に合わせて選ぶといいでしょう。
従業員の検索機能
座席管理システムの導入によって、誰がどの席に座っているかを確認できます。確認方法は主に、「レイアウト上から探す」「氏名検索で探す」の二種類です。
この機能が無いと、いちいち誰がどこに座っているか自分で探したり、周囲の人に聞いて回ったりしないといけません。とくにフリーアドレスやABWを導入したオフィスで、特定の人に急いで声をかけなければならない場面や、打ち合わせの必要があるときに活用できる便利な機能です。
利用時間の把握機能
座席の利用時間を把握する機能があると、よく使われている席とそうでない席が分かります。また利用時間の把握により、勤怠実績のデータ管理にも役立ちます。これによって、オフィスのレイアウトを変更する時に参考にできます。利用率の低いスペースを縮小できれば、オフィス賃料のコスト削減につなげられることも。
新型コロナ感染症などが社内で発生した場合には、利用時間を分析することで、濃厚接触者の特定に役立つというメリットもあります。
座席利用率や滞在率の分析機能
ログデータによる座席利用率(全時間帯のうち利用されている時間の割合)や滞在率(特定の時間帯で利用されている時間の割合)を分析する機能があると、オフィススペースの効率的な活用やフリーアドレスの導入測定に役立ちます。
滞在率が高い時間帯を予約制にすることで、空席を効率的に活用可能です。また利用率が低い席は思い切って会議室や休憩スペースに変更するなどすれば、より社員が使いやすい快適なオフィス環境へと整備できるでしょう。
他のグループウェアとの連携機能
座席管理システムと他のグループウェアとの連携機能があれば、更なる業務効率化が期待できます。例えばMicrosoftのOutlookやGoogleカレンダーなどのスケジュールシステムと連携できれば、座席の予約状況をスケジュールに反映できたり、リアルタイムで在席状況を把握できたりします。
他にも下記システムなどと連携することで、貴社の業務プロセスをさらに効率化できるようになります。
- 勤怠管理システム
- 備品管理システム
- 会議室予約・受付システム
すでに導入しているシステムと連携したいとお考えなら、連携機能がある座席管理システムを選ぶようにしましょう。

オフィスのフリーアドレス化を成功に導く4つのステップをまとめたフリアド導入ガイドブックです。
座席管理システムを選ぶポイント
快適なオフィス運用をするためには、自社にあった座席管理システムを選ぶ必要があります。こちらではシステムを選ぶポイントについてご紹介していきます。
導入目的に応じた必要機能を選定する
座席管理システムを選ぶときには、導入目的に応じた必要機能があるかをチェックしましょう。そのためにはまず、どうして座席管理システムを導入したいのか、導入によってどのような課題を解決したいのかを明確にしてください。目的を明確にしたうえで、「この機能は自社に必要か」といった視点でシステムを選んでいきましょう。
例えば社員間のコミュニケーションの活発化が目的の一つなら、部署や所属するチーム単位で席が固まっていないかチェックするような機能が必要です。逆に目的に見合っていない多機能なシステムを導入してしまっても、機能を十分に使いきれなくなってしまうでしょう。
座席管理システムには、座席管理に特化したものと業務効率化や働き方支援を目的としたものの2種類があります。とくに後者の場合は、ツールによって搭載されている機能が異なるため、自社の目的に応じた機能の精査が必要です。
自社の業務運用に適しているか確認する
座席管理システムを選ぶ際には、自社の業務運用やルールに適しているかの確認も必要です。とくにフリーアドレスを導入しているオフィスでは、独自の運用ルールがあります。例えば管理職は固定の席があったり、特定の席を一人の社員が独占しないように席予約をランダム制にするなどです。さらに状況に応じて、運用ルールが変更になることもあるでしょう。
座席管理システムを選ぶ際には、自社の制度やルールに応じた運用が可能か、ルールにあった機能を備えているかもチェックしましょう。
社員目線での使いやすさを確認する
座席管理システムを導入するときには、社員目線での使いやすさを確認してください。社員にとって使いにくいシステムを導入してしまうと、正確なデータが取れなかったり、システムの利用率が低下するといった問題が発生する恐れがあるためです。これは社員のストレスにつながるだけでなく、業務効率の悪化につながる可能性が。
使いやすさをチェックするために、無料トライアルが可能なシステムを選ぶといいでしょう。多くの座席管理システムでは、2週間から1カ月ほどの無料トライアル期間を設けています。本格導入の前に無料トライアルを利用して、社員が使いやすいか、自社業務に応じた機能が搭載されているかを確認してください。
既存システムとの連携可否をチェックする
スケジュール管理ツールなどグループウェアとの連携が可能かも、座席管理システムを選ぶ上でのポイントになります。マイクロソフトのteamsやGoogleカレンダーなど普段業務で使用するシステムとの連携ができれば、より便利にシステムを活用できます。
連携が可能な座席管理システムかどうかは、システムの種類にも関係します。一般的に自社でサーバやネットワーク機器を調達して利用するオンプレミス型よりも、ネット上のサーバ―を利用するクラウド型のほうが拡張性が高く、連携が可能な外部システムの種類が多いという特徴があります。
レイアウト変更に柔軟に対応できるか確認する
オフィスのレイアウト変更に柔軟に対応できるかも、選ぶ目安にしましょう。座席管理システムでは、利用前にレイアウト図面を登録しなければなりません。レイアウト図面の登録方法には、図面を読み込ませて作成するものと、Web上で図面を作成するものの二種類があるので、あらかじめお手元にある図面が登録できるか確認してください。
とくにレイアウト変更が多い企業の場合には、システムへの登録が負担にならないかのチェックが必要です。システムの種類によっては、導入先のお客様自身でレイアウト変更が不可能なものもあるので、導入前にきちんと確認するようにしましょう。
サポート体制の充実度を確認する
サポート体制の充実度も、座席管理システムを選ぶ時のポイントです。システムを運用し始めると、予期せぬトラブルが発生したり、思うように操作できないということが発生しがち。そのようなときでもすぐに担当者と連絡がついて、解決に当たってくれるサポート体制があれば安心です。
担当者との連絡手段も、電話だけでなくメールやチャットなど、複数の方法があるとより安心できます。24時間体制で問い合わせに対応しているサービスもあるので、座席管理システムを選ぶときの参考にしましょう。
おすすめ座席管理システム「EXOffice」
座席管理システムには様々な種類がありますが、フリーアドレスを導入しているオフィスにとくにおすすめなのが「EXOffice(エックスオフィス)」です。2023年の屋内位置情報測定ソリューションシェアNo.1(※)で、導入実績は1,400件以上。
※出典:デロイト トーマツ ミック経済研究所株式会社 「位置情報ソリューション市場の現状と展望2024年度版」
「EXOffice」の特徴として、ビーコンを利用した社員の位置情報管理機能だけでなく、座席や会議室の予約機能があります。
さらに働き方改革の効果や課題を見える化するための、エリア別滞在分析や施設利用データ、従業員同士の接触や交流データの分析機能も搭載。拡張機能を使うことでOutlookカレンダーやGoogleカレンダーとの同期も可能。
「EXOffice」には他にも次のような機能があります。
- チェックイン機能によるテレワーク(外出)登録
- 位置情報や会議室の予約状況などをオフィス内の大型モニターに表示
- 位置情報や予約情報などのデータをAPIで連携
- トイレ空室・満室表示をフロアごとにマップ上に表示
- 室内の温湿度やCO2数値などを見える化
- ウェアラブル端末を付けた社員の健康状態の見える化
- 位置情報や会議室の予約状況などをオフィス内の大型モニターに表示
- 熱中症予防の目安となる暑さ指数(WBGT)を表示
問い合わせや設定変更などを受け付ける専用のサポートデスクがあるので、いざというときも安心です。また担当者による社員向けの説明会などもあるので、スムーズにシステムを導入できます。

まとめ
いかがでしたか?フリーアドレスを導入しているオフィスでは、社員の在席状況が分かりにくいというデメリットが生じやすくなります。この問題を解決するために、様々なメリットがある座席管理システムの導入を検討してください。
座席管理システムを選ぶときには、導入目的を明確にしたうえで、必要な機能が搭載されているかや業務運用に適しているかをチェックしましょう。
フリーアドレスを導入しているオフィスでの座席管理には、操作性の高さや搭載機能の多様さが特長の「EXOffice」がおすすめ。リリカラでは、オフィスデザインを提供するサービスの一環として「EXOffice」の紹介が可能です。より使いやすいフリーアドレスのオフィスにしたいという場合には、ぜひ導入を検討してみてくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!