リリカラ株式会社スペースソリューション事業部は、2023年10月に事業拠点となるオフィスを麻布台から日比谷へと移転をしました。移転の約1年前からプロジェクトが始動し、プロジェクトメンバーが社員へオフィス満足度調査を行い旧オフィスの課題を抽出。そして、挙がった課題を元にビルの選定からオフィスデザイン・運用までボトムアップで創り上げ、現在の「日比谷オフィス」が完成しました。
そして移転から半年経過後、改めてオフィスの満足度を調査しました。
このコラムでは、移転前と移転後でのオフィス環境に対する満足度の変化と、今後のオフィス改善に向けての取り組みをお伝えします。

移転前・移転後に実施したアンケート調査の結果を用いて、オフィス環境改善の効果を可視化した分析レポートです。
オフィス満足度調査概要
調査日 | 移転前:2022年8月24日~9月8日 移転後:2024年4月15日~4月30日 |
調査方法 | O-SCORE・社内独自アンケート |
調査対象 | スペースソリューション事業部 100名 |
回答率 | 89%(回答者数:89名) |

※アンケート回答時点でのスペースソリューション事業部社員内訳
今回のオフィス満足度調査では、スペースソリューション事業部に所属する社員に対して、移転前・移転後ともに株式会社オカムラが提供しているアンケート調査ツール:O-SCOREと社内独自のアンケートを実施しました。 O-SCOREは、計80の設問をもとに、オフィスと組織の環境について5項目の評価軸で数値化し、スコア(偏差値)で表してくれるツールです。 マークシート形式のO-SCOREで大まかなオフィスの課題を把握し、独自のアンケートでは記述式で具体的な意見を募りました。
移転前:オフィス満足度結果と課題
移転前のオフィス満足度結果移転前にオフィス満足度アンケートを実施した結果、主に次のような課題が浮かび上がりました。
O-SCORE (マーク形式) | ・ 交流の広がりスコアが低い (偏差値48.4) ・ 居心地・愛着のスコアが低い (偏差値49.2) |
社内独自アンケート (記述形式) | ・ ロの字型・2フロアのレイアウトでオフィス全体が見渡せず、コミュニケーションが分断されてしまう ・ フリーアドレスを採用しているものの、席の種類が少なく変わり映えしない ・ 全体的にオフィスの古さが目立ち、積極的に出社したくなるような環境ではない |
社内独自アンケートで散見された上記の意見を解消することで、O-SCOREのスコアが低かった交流の広がりや、オフィスへの居心地・愛着が高まるのではないかという予想を立てました。この結果から導き出した新オフィスの未来像が、「行くことで気分が上がり、いきいきと働ける」「人と人がつながり、新しい可能性を生み出す」オフィスです。
このようなオフィスを実現するため、下記の要素を取り入れて移転を進めていきました。
● 社員主導のボトムアップ で物件選定・コンセプト・レイアウト設計をして愛着強化
● ワンフロアでコミュニケーションが活性化しやすいレイアウト
● ABWを促進する多様な座席
移転後:オフィス満足度結果
移転後オフィスへの満足度結果そして日比谷オフィスに移転して半年後、実際に働いて感じたオフィスについて調査しました。
▼ O-SCORE(マーク形式)

※環境との相互作用スコアとは・・・オフィスにいると思いがけないヒントが得られ、会社のビジョンやアイデンティティが感じられる状態かどうか
すべての項目でスコア(偏差値)が改善。その中でも『環境との相互作用』『交流の広がり』『居心地・愛着』のスコアが大幅に増加しており、社員の生産性や満足度向上が期待できる。この結果から、より快適に効率的に働ける環境が整備されたことが読み取れます。
▼ 社内独自アンケート(記述形式)
● 人と話すようになった
● 交流が増えた
● 業務に合わせて席を選ぶようになった
● 書類が減った・減らす意識が高まった
● オフィスに行くようになった
● 場所にとらわれない働き方ができている
日比谷オフィスへ移転後、ポジティブな意見が多く散見されましたが、座席予約やオフィスチェア、作業スペースの確保などに対する改善要望の意見も上がっており今後どのように対応していくか社内のプロジェクトチームで検討しています。
調査結果総評
O-SCOREでは全てのスコアが改善、社内独自アンケートで出た意見も旧オフィスのアンケートで出た意見と正反対の意見が上位を占めました。
今回の移転で旧オフィスの課題が解消され、オフィスの魅力が高まったと判断できる結果に。特にO-SCOREで上がり幅が大きかった項目は「環境との相互作用」です。今回私たちは、「+1℃」というコンセプトを元にオフィスを構築しました。しっかりとしたコンセプト設計により、事業部のアイデンティティを感じられるようになったことが、この項目が上がった要因ではないかと考えています。
移転後の日比谷オフィスでの具体的な取り組みや移転前後でどのような効果や変化が現れたのかを詳しくご紹介しておりますのでぜひご覧ください。

移転前・移転後に実施したアンケート調査の結果を用いて、オフィス環境改善の効果を可視化した分析レポートです。
今後の取り組み
移転後の満足度調査では、O-SCOREの全てのスコアが改善されたものの、情報アクセススコア※が低いため、重点的に対策を検討しています。
※情報アクセススコアとは・・・要な情報に迅速かつ容易にアクセスできる環境が整っているかどうか
また記述式の回答でも下記の新たな課題や要望があがりました。
新たな課題
● オフィスチェアが少なくて疲れる
● 席予約のシステム・運用を再検討したい
● 運用改善してほしいエリアがある
● 席が固定化してきている
● 作業スペースが狭い
今後は「移転プロジェクトチーム」のメンバーが在籍している、リリカラサステナビリティプロジェクトの「働きがいチーム」が先頭に立ち、これらの課題改善策を実施する予定です。また今回の調査結果を、「オフィス環境データ分析レポート」としてまとめております。より詳細なデータや取り組みをわかりやすくまとめておりますので、ぜひご覧くださいませ。
日比谷オフィスの環境改善に向けての取り組みは、今後も定期的に発信していきます。ぜひご期待ください!