ディスコミュニケーションとは?原因・弊害・改善方法を解説- コラム|オフィス移転・内装レイアウト・デザインならリリカラ株式会社

ディスコミュニケーションとは?原因・弊害・改善方法を解説

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業務を円滑に進めるには、スムーズなコミュニケーションが欠かせません。
しかし意図しないまでも、コミュニケーションが適切に行われないケースが発生することも。
これは「ディスコミュニケーション」といい、放置すると様々な場面で影響が出ます。

本記事では、「社内の会話が減っている」「部署間の交流がない」といった悩みを抱える方に、ディスコミュニケーションの原因や弊害、改善方法について詳しく解説していきます。

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ディスコミュニケーションとは

ディスコミュニケーションとは、英語の「dis(欠如・否定)」と「communication(コミュニケーション)」とを組み合わせた造語です。

コミュニケーションが全く行われていない状態や、全く機能していない状態を指します。
ディスコミュニケーションが発生すると、業務に悪影響を及ぼすため、早急な対策や改善が必要となります。

ミスコミュニケーションとの違い

ディスコミュニケーションと似た言葉に「ミスコミュニケーション」があります。どちらも「コミュニケーションが円滑でない」という点では同じですが、内容には大きな違いがあります。

項目 ミスコミュニケーション ディスコミュニケーション
意味 コミュニケーションは行われているが、伝達内容にズレや誤解がある そもそもコミュニケーションが行われていない
結果 誤解やすれ違いが起こる 情報不足による混乱・孤立などを招く
指示の意図が伝わらず、別の行動をとってしまう 会議の予定が共有されておらず、参加できない

ミスコミュニケーション

意味:コミュニケーションは行われているが、伝達内容にズレや誤解がある

結果:誤解やすれ違いが起こる

例:指示の意図が伝わらず、別の行動をとってしまう

ディスコミュニケーション

意味:そもそもコミュニケーションが行われていない

結果:情報不足による混乱・孤立などを招く

例:会議の予定が共有されておらず、参加できない

似た響きの言葉ですが、双方には明らかな違いがあるので、混同して使わないようにしましょう。

ディスコミュニケーションが発生する原因

では、どのような原因でディスコミュニケーションが発生するのでしょうか。こちらでは、ディスコミュニケーションが発生しやすい環境や理由について紹介していきます。

コミュニケーションがとりにくい環境

そもそもコミュニケーションが取りにくい環境だと、ディスコミュニケーションが発生しやすくなります。

例えば業務上のやり取り以外の何気ない会話がしにくい、職場にいる全員が忙しすぎて気軽に話しかけにくい、テレワークが主流で休憩時間等の交流が全くない、といった職場環境です。
このような環境だと従業員間のコミュニケーションが取りづらく、業務上の質問や不明点について聞くこともできず、担当者が一人で抱え込んでしまうという状況に。

とくに何気ない会話がしにくいと感じるのであれば、すでにディスコミュニケーションが発生している可能性が高いでしょう。

伝えたつもり・伝わったはずという思い込み

発信者の「伝えたつもり・伝わったはず」という思い込みも、ディスコミュニケーションが発生する理由の一つです。

例えば上司が部下に対して、業務上の指示をきちんと「伝えたつもり・伝わったはず」と思っていたのに、部下が内容を理解しておらず、予想とかけ離れた結果が返ってきたような場合です。

このようなディスコミュニケーションが起きるのは、上司側の思い込みが主な原因です。部下に正しく伝えたはずと思っていても、部下にとっては違う意味で解釈してしまったり、そもそも内容を理解していないことも。

また知っていて当然と思っている業界の常識や専門用語が、部下に正しく理解されていないという可能性もあります。

情報を省略・簡略化しすぎる

発信する情報を省略したり簡略化し過ぎるのも、ディスコミュニケーションを引き起こす原因となります。
話の背景をある程度理解していれば問題ないのですが、とくに相手が初めて行う業務に関しては、情報が不足しているケースが少なくありません。

初めて行う業務以外でも、多すぎる指示語や英語の頭文字を取った略語なども、相手の理解力を低下させる原因に。

これは相手が「分かっているつもり」という誤解から来るものです。話の内容を理解しているかの確認や配慮不足から、ディスコミュニケーションにつながります。

会話しにくい状態が発生している

会話しにくい状態になっている職場は、すでにディスコミュニケーションが発生している状態といえます。

完全に個人で行う仕事以外は、同部署のメンバーや上司とのコミュニケーションが必須です。しかし業務上の会話のみならず、何気ない会話や雑談がしにくい状態が続くと、いずれ大きなトラブルに発展する可能性も。

このような場合にはディスコミュニケーションの解消のために、早急に何らかの手を打つ必要があるでしょう。

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ディスコミュニケーションにより起こる弊害

職場がディスコミュニケーション状態だと、次のような弊害も生じます。

意思疎通がしづらくなる

ディスコミュニケーションが起きていると、職場内の意思疎通が困難になります。
そのような職場では何気ない会話がしづらいため、互いの人となりや性格、仕事に関する考え方などが分からないままなので、ますます意思疎通が図りにくくなるという悪循環に。

チームで仕事をする場合、メンバー同士の相互理解が欠かせません。
雑談がしにくい環境ではディスコミュニケーションが起きてしまい、メンバー間の意思疎通が円滑にできなくなるだけでなく、簡単なコミュニケーションでさえ難しくなってしまうでしょう。

業務上のトラブルが発生しやすくなる

すでにディスコミュニケーションが発生している職場では、業務上のトラブルが起きやすくなります。

従業員同士の意思疎通がうまくいっていないと、業務内容に対する理解のずれが起きます。その結果として、業務上のトラブルが発生するという訳です。将来的には業績悪化につながり、取引先からの信用を失うケースも少なくありません。

ディスコミュニケーションが生じている初期段階では、さほど大きな被害がないため見逃しがちですが、長い目で見ると業績悪化や取引先からの信用喪失にもつながるため、何も改善しないままの放置は厳禁です。

業務効率・生産性の低下

職場でディスコミュニケーションが生じると、業務効率や業務の質、生産性の低下に直結します。
情報伝達のミスや漏れが頻発すると、業務効率や業務の質が悪化することで納期遅延や品質の低下を招いてしまうでしょう。

さらに雑談などを通して従業員同士の意見交換や情報共有の機会が無いと、新しいアイデアやビジネスのヒントが生まれにくいというデメリットも。イノベーションが生まれにくくなるという側面もあり、企業全体の生産性にも影響を及ぼします。

エンゲージメントの低下

ディスコミュニケーションが発生している職場では、従業員のエンゲージメントの低下が懸念されます。エンゲージメントとは企業と個人間の深い結びつきや関係性を示す言葉で、所属している企業に対する愛着や貢献意欲、満足度のことをいいます。

従業員間のコミュニケーションが適切に取れない職場では、職場に嫌気を感じるなど従業員の気持ちに変化が生じ、企業に対する愛着や貢献意識が持てなくなります。結果的に生産性の低下や離職率の増加といった影響が出ることも。

エンゲージメントといった点からも、ディスコミュニケーションの解消は重要といえます。

企業の評価や評判が悪化する

ディスコミュニケーションが常態化すると、結果として企業の評価や評判が悪化します。
従業員間の適切なコミュニケーションが無いと、納期遅延や品質の低下につながります。そうなると取引先からの評価が下がり、営業機会の損失は避けられません。

また職場の雰囲気が悪いという内容を、従業員がネット掲示板やSNSに書き込むことで、求職者からの応募が減って優秀な人材の獲得も困難に。

さらに「ブラック企業」という評判が外部に広まると、取引先とのビジネスへの影響のみならず、企業としての社会的な評判も低下するでしょう。

ディスコミュニケーションの8つの改善方法

ディスコミュニケーションが起きると、様々な悪影響や弊害が生じます。そうならないためにも職場にディスコミュニケーションが発生しているのではと感じたら、すぐに改善のための対策を取る必要があります。

コミュニケーションの課題を洗い出す

まずは職場におけるコミュニケーションの課題を洗い出しましょう。課題を明らかにすることで、優先して取り組むべき課題が分かり、ディスコミュニケーションの解消に役立ちます。まずは「どことどこのコミュニケーションに課題があるのか」を洗い出し、次に「どんなコミュニケーションの課題があるか」を明らかにします。

これにより、「誰と誰」が「コミュニケーションでどのような課題を抱えているか」が分かります。この洗い出しによって、適切な対処方法が明らかになります。

わかりやすく伝える工夫をする

ディスコミュニケーションを解消するには、相手に分かりやすく伝える工夫が大切です。「伝えたつもり・伝わったはず」を防ぐためにも必要となります。
具体的には次のような点に気を付けて、相手に分かりやすく伝えるようにしましょう。

  • 相手のレベルに合わせて言葉使いや伝え方を意識する
  • 簡潔に話す
  • 話す前に伝えたい内容や順番を整理する
  • 話し方やトーンを意識する
  • 結論から先に話す
  • 抽象的な表現を使わず具体例を挙げる
  • 質問により理解度を確認する
  • 伝えた内容が正しく伝わっているかフィードバックを求める
  • 図やイラストなど視覚的な情報を活用する

これらの分かりやすく伝える工夫を心がけると、相手とスムーズにコミュニケーションが取れるようになるはずです。

相手の会話に集中する

ディスコミュニケーションにならないために、相手の会話に集中することが大切です。双方が作業をしながらやパソコンに向かったままで会話をすると、相手の話が耳に入ってこなくなり、認識のズレにつながる原因に。

コミュニケーションにミスが発生しないようにするために、一度作業や仕事の手を止め、会話に集中するようにしましょう。
そのうえで頷く、復唱する、質問するなどのリアクションを取ると、相手との意思疎通が円滑になります。また相手も、自分の話が相手に伝わっているという実感を持てます。

不明点は念入りに確認する

会話の内容で不明な点があるときには、そのままにせず都度しっかりと確認するようにしましょう。発信者の「伝えたつもり・伝わったはず」という思い込みから来る食い違いを解消でき、ディスコミュニケーションの改善にも役立ちます。

また業務の流れや納期といった部分でディスコミュニケーションが発生すると、業務効率の悪化や生産性の低下にもつながります。

このような確認作業によってコミュニケーションが増えて、会話しにくい雰囲気も少しずつなくなってくるでしょう。

コミュニケーションしやすい環境を整備する

ディスコミュニケーションを解消するために、コミュニケーションがしやすい環境を整備することも重要です。とくにテレワークを導入している企業では、対面でのコミュニケーションが減少し、ディスコミュニケーションによる影響が出る可能性が。

そのような場合には、定期的な社内イベントの実施や、会議の際は冒頭の雑談で参加する人の緊張をほぐすアイスブレイクもおすすめです。上下関係のディスコミュニケーションを防ぐには、上司と部下が1対1で面談する機会を設けたり、先輩社員が若手社員の相談に乗るメンター制度の導入などを検討してみてはいかがでしょうか。

下記コラムでは、オフィス空間や働き方をよりよくする改善案をご紹介しておりますので、ぜひ参考にしてみてください。

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日頃から信頼を積み重ねる

ディスコミュニケーションを防ぐには、日ごろから信頼を積み重ねる努力が必要です。仕事とはいえ、人と人との関わりが避けられない場面では信頼関係が重要になります。相手を信頼し、自分を信頼してもらうために、次のようなコミュニケーションを通して、信頼関係を構築していきましょう。

  • 相手の話をよく聞き、理解しようと努める
  • 相手の感情に寄り添い、共感を示す
  • 適度に自己開示する
  • 約束を守る
  • 自分の言葉に責任を持ち、言ったことは実行する
  • 小さなことでも感謝を伝える

信頼関係は、一朝一夕に築くことはできません。一貫した行動を心がけて、長期的な信頼関係を構築できるように努力しましょう。

ツールを導入する

ディスコミュニケーションの解消に、職場内のコミュニケーションづくりに役立つツールの導入を検討してください。

例えばビジネスチャットを導入すると、メールよりも気軽に連絡ができるため、「出先だとメールを送るのが面倒」という場合でも、手軽にやり取りできます。またメールだと全体の流れが見にくくなりがちですが、ビジネスチャットだとメッセージのやり取りの履歴が見やすいのもメリットです。

また社内SNSで上司と個別にチャットできる環境を作れば、業務報告以外でも仕事で気になったことなどを気軽に報告できます。上司も送られたすべてのチャットにコメントする必要はなく、Facebookなどのように「いいね」を返したり、LINEのようにスタンプを返すだけでも十分です。

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オフィスのレイアウトを変える

ディスコミュニケーションの解消のために、オフィスのレイアウトを変えるのも有効です。

デスクをジグザグに配置したり、オフィス内を回遊できるようなレイアウトにすることで、従業員同士の視線が合いやすくなって部署の垣根を超えたコミュニケーションが生まれます。

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またオフィス内にカフェスペースや休憩スペース、オープンなミーティングスペースを設けるのもおすすめ。従業員間の偶発的なコミュニケーションの増加や、コミュニケーションの活性化に役立つでしょう。

まとめ

ディスコミュニケーションとはコミュニケーションが全く機能していないことをいい、従業員間でディスコミュニケーションが発生すると、業務効率の低下や従業員のエンゲージメントの低下、ひいては企業の評価や評判の悪化につながります。

すでにディスコミュニケーションが発生しているときには、早急な改善が必要です。まずはコミュニケーションの課題を洗い出し、分かりやすく伝える工夫をし、不明点は念入りに確認するようにしましょう。
またコミュニケーションツールの導入や、オフィスレイアウトの変更もおすすめです。

リリカラではディスコミュニケーションを防ぐオフィス構築のご支援が可能です。オフィスの新設や移転、リニューアル時には、お気軽にご相談ください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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