女性が働きやすい環境にすることは、女性社員に限らず男性社員や企業にもメリットをもたらします。人事担当者には、女性社員の活躍推進、社員の満足度や生産性の向上をしたいなどの悩みがあるのではないでしょうか。
この記事では、女性社員が働きやすい職場とはどのようなものか、企業にもたらすメリットについて解説します。また、そのようなオフィスのデザインについても紹介します。
目次
女性が働きやすいオフィスの環境とは?
女性が働きやすいオフィスを作るには、以下の点に注目しましょう。
これらを知ることで、より良いオフィス環境を作ることが可能です。
トイレ・化粧室の設備
化粧室でのメイク直しは、長時間オフィス内で過ごす女性従業員にとって重要なルーティン作業の1つになります。
トイレの空間のデザインを工夫することは、オフィスで快適に仕事することに大きく関わるといえるでしょう。
給湯室や休憩スペースの設備
女性はお弁当を持参する人、外食せず社内でランチをする人も多いです。そのため、給湯室や休憩スペースに冷蔵庫・電子レンジがあると喜ばれるでしょう。
また、落ち着いてくつろげる休憩スペースがあると満足度はさらに高まります。このようなスペースがあることで、女性に限らず心からリラックスでき、周りとのコミュニケーションが取りやすくなるので、生産性や満足度の向上が期待できます。
空調やニオイ対策
女性が不満を抱きやすいのが、ニオイや空気です。
特にタバコのニオイは要注意です。女性の喫煙率は男性の3分の1といわれており、タバコ臭に敏感な人も多くいます。分煙や禁煙にするのはもちろん、喫煙ルームの入り口に消臭スプレーを置いて喫煙者の方から気を配ってもらう、という取り組みをしている企業もあるので参考にしましょう。
また、オフィスの乾燥や汗のニオイも不快に感じることがあります。対策には空気清浄機が便利で、加湿機能や脱臭効果のあるものを選ぶとより有効です。
プライベートに配慮した空間
パーソナルスペースに配慮したオフィスであれば、女性もより働きやすくなります。
女性は男性よりもパーソナルスペースに敏感でパーテーションや個人ブースがあると、業務に集中しやすいといわれています。
しかし個人ブースが狭すぎると、逆に圧迫感を抱いてしまい、苦痛にすら感じてしまう人も少なくありません。設計の際は適度なスペースを確保することがポイントです。
女性が働きやすい環境を作る企業側のメリット
女性の社会進出推進や少子高齢化により、女性が働きやすい環境を作ることが重要になってきています。
ただし従来のオフィスは男性中心に設計されていることが多く、女性の声があまり反映されていませんでした。女性が働きやすい環境を整備することで、企業には以下のようなメリットがあります。
働く女性の満足度が上がる
1つ目は女性社員の満足度が高まる点が挙げられます。満足度は企業の生産性改善にも直結します。仕事にやりがいを持ち、高いモチベーションを維持して働くことができれば、その分パフォーマンスが良くなるので、生産性の向上が期待できるでしょう。
また、職場環境に満足している従業員が多いと、それだけ職場全体にも活気が生まれます。チーム一丸となって仕事に取り組む意識を作りやすくなり、全体の成果にも反映されるでしょう。そのほかコミュニケーションが活発になって、新たなアイデアなどが生まれやすくなることも期待できます。
人材の流出を抑制できる
働きやすい環境を作ることで仕事におけるストレスが軽減でき、離職者や休職者を減らすことが可能です。長期的に働く人が増えると、採用や新人研修にかかるコストを削減できるので、企業側に大きなメリットがあるといえます。
男性にも快適なオフィスが実現する
女性が働きやすい環境づくりは、男性にとってもメリットがあります。清潔感のあるオフィスは男性にも好まれることが多いです。
また、女性の登用に積極的な企業は、育児休暇の拡充など働き方改革にも熱心な傾向にあります。最終的に男性の負担軽減にもつながるでしょう。
女性が働きやすい職場環境を作るコツ
ここからは、女性が働きやすい環境にするコツを紹介します。
清潔な環境を心がける
女性が働きやすい職場の例として、衛生的で空気が綺麗な職場が挙げられます。
定期的に掃除や換気はもちろん、ニオイに敏感な社員が多ければ消臭を忘れないようにします。
衛生的なオフィスはそれだけで居心地が良く、仕事のパフォーマンス向上も期待できるため、積極的に改善したい項目です。
リフレッシュスペースを設置する
働く女性にとっては、食堂や休憩室といったリフレッシュできるスペースの充実度も重要です。休憩場所以外に、他の社員との交流の機会も生まれるため、働きやすいオフィスに不可欠な要素です。
近年では、「多様な社員との交流ができ、情報収集の場になる」「ミーティングが快適にでき、新鮮なアイデアが生まれる」「資料や書籍などが置いてあり、知識が取り入れられる」などのメリットも着目されています。
ABWの導入
ABW(Activity Based Working)とは、従業員がその日の仕事内容や予定に合わせて、働く場所・時間を自由に選択できる働き方です。ABWを導入することで仕事と家庭の両立がしやすくなります。
ABWを実現するには自宅やカフェ、サテライトオフィスなどで仕事ができる環境の整備と、オフィスのABW化を図ることが有効です。
具体的には集中ブースや防音ブースの設置、ラウンジやカフェスペースの導入など、オフィス内にさまざまなエリアを設け、従業員が働く場所を自由に選べるようにします。
これにより自分の選んだ場所で集中して仕事ができるため、生産性の向上や残業時間の削減といった効果が期待できます。
制度面で企業が整えるべきこと
最後に、企業が整えるべき制度や取り組みについて解説します。
出産や育児のサポート制度
女性は出産を機会にライフスタイルが大きく変化します。育児休暇の導入や保育施設との連携などで、育児期間中も長く勤められる環境を作ることがポイントです。
「産休や育休が取得しづらい」「人間関係が悪くてトラブルがあっても相談できない」といった環境では、仕事とプライベートを両立することは難しいです。
そのため、サポートや制度、福利厚生を充実させて働きやすい職場を作るなど、企業側の取り組みが必要だといえます。
フレックスタイム制度
出産や子育て、介護などにより、フルタイムで働くことが難しくなった結果、離職を選択する女性も一定数います。それを防ぐには、短時間勤務制度やフレックスタイム制度といった、柔軟な働き方の導入が有効です。
「1日8時間、決まった時間に働く」という選択肢しかない企業の場合は、まずコアタイムを設けつつ、始業・終業の時間に柔軟性を持たせてみましょう。
在宅勤務やテレワークの導入
テレワークやハイブリッドワークなどの柔軟な働き方が選択できるように整備すると、通常の勤務が難しい女性社員への大きな助けとなります。人材戦略において採用候補者の幅が広がるため、企業内の女性活躍を推進しやすくなるでしょう。
在宅勤務の導入には、ICT設備や会議室の設置などオフィス環境整備も欠かせません。制度だけでなく、ハード面も並行して整える必要があります。
女性社員が働きやすい環境はオフィスデザインが鍵
女性社員が働きやすい環境にすることで、企業側が得られるメリットも数多く存在します。
女性の離職率を減らしたい、採用数を増やしたいと思っている企業のご担当者は、オフィス環境づくりや制度の整備から力を入れて取り組みましょう。
その際はアンケートなどをとり、社員のニーズを反映させていくことが重要です。
数々の企業のオフィスデザインを手がけてきたリリカラでは、女性が働きやすい職場づくりにも貢献可能です。
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