社長室とは、社長が業務を行うための部屋です。
社長が業務できるスペースであれば、一般社員が仕事をするスペースの一角でもいいのでは?と思う方もいるかもしれませんが、社長室には存在意義があります。
本記事では、オフィス新設やリニューアル、移転に伴い社長室を設けようと検討している方に、社長室があると良い理由、おすすめの配置場所、社長室を設けるメリットやレイアウトのポイントなどをご紹介します。

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目次
オフィスに社長室を用意した方が良い理由
オフィスに社長室を設置した方が良い理由として、まずは来訪者におもてなしの姿勢が伝わることによるイメージアップがあげられます。
会社を訪問した際に招き入れられる部屋として、一般的に考えられるものは社長室や応接室、会議室などでしょう。なかでも、社長室に通してもらえると「自分たちのことを大切な存在だと思ってくれている」と来訪者も感じることができます。社長室に通すという行為を通して相手を大切にしている、もてなしたいという気持ちを伝える効果も期待できます。
また来客がないときは、少人数の打合せなどを社長室で行うことも可能です。社長室での会議やミーティングに呼ばれると、社員も通常会議以上に緊張感を持って挑みますから、結果としてより質の高い会議となるでしょう。
役員応接室を設ける場合
会社によっては、社長以外の役員に対しても役員応接室を与えるケースがあります。役員も重要な商談や機密文書を取り扱う場合、必要に応じて役員応接室が設置されます。
会社の規模にもよりますが、社長以外の役員も一般社員とは担っている責任や抱えている業務内容に乖離があることが多いので、専用の空間があった方が仕事を進めやすいことは少なくないでしょう。
社長室を設けるメリット
ここでは、社長室を設けるメリットについて見ていきましょう。
メリット①:機密情報の漏洩防止
社長室は、基本的には社長しか入らない空間となるため、。社外秘機密情報や、重要書類を社長室で管理することで、情報漏洩や紛失の防止につながります。
また、契約や財務といった会社にとって重要な事項を話し合う際にも、他の人が間違えて入ってくるリスクなどもある会議室や、パーテーションなどで簡単に区切られている執務スペースの一角のミーティングスペースなどとは違い、心置きなくしっかりと話し合うことが可能です。
メリット②:企業イメージの向上
社長室を見れば、その会社の基本的な姿勢が見えます。
高級感や重厚感のある家具を社長室に置くことで、社長室を見ていただく機会のある外部の方に「しっかりとした企業」という印象を持ってもらいやすくなります。他にも、企業カラーを出したり、自社製品にライトをあてて飾るなど、企業ブランディングに活かしてみるのもよいでしょう。
メリット③:社長自身が集中できる
社長室が設置されることで、社長は落ち着いて経営に必要不可欠な戦略立案や、深い思考を行うことが可能です。
一般社員と同じ執務室の一角に社長のワークスペースがある場合、他の社員の存在が気になったり、話しかけられて業務が中断してしまったりすることもあります。社長室を設置し、社長が本来注力すべき仕事に集中できる環境を整えることは、会社の生産性向上につながるといえるでしょう。
社長室の配置場所
社長室の配置場所として適切な場所はどこでしょうか。社長は重要な意思決定をすることが多いことを念頭に、場所を選ぶようにしましょう。社長室の場所を決める際のポイントは以下の通りです。
関連する部署に近い位置
基本的な組織図をイメージしたときに、社長室は会社全体を統括する一番上に位置し、その下に社長直下の経営企画室や営業部、広報部、総務部などが位置するケースが一般的です。仕事を進めていくうえで、社長とコミュニケーションを頻繁にとる部門と近い場所に社長室を設置すると、意思疎通が図りやすくなります。
また秘書室などがある場合は、利便性を考え同じフロアに設置するのがおすすめです。
一般社員の執務室からほどよい距離
社員が意見やアイデアを出しやすい、風通しのよい会社を実現するために、社員とのコミュニケーションがとりやすい位置に社長室を設置することも重要です。近すぎると社員が委縮するケースもありますが、遠すぎると敷居が上がってしまい、社員からアイデアを聞いたり、社員が相談しやすい雰囲気にはなりません。
社長と社員が気軽に話しやすい距離ながらも、お互いに心地よく業務を進められる場所を検討しましょう。
エントランスから一番遠い場所
セキュリティの観点から、エントランスから一番遠い場所に社長室を設けるのがおすすめです。
入り口から遠い場所に社長室を設置することで、不審者の出入りを防ぐことができます。情報漏洩や盗難などのリスク回避の観点からも、オフィスの一番奥に社長室があるというのは安心でしょう。
社長室のレイアウト
社長室におすすめのレイアウトは、社長自身がどのような企業イメージを定着させたいかで大きく変わります。会社の顔ともなるのが社長室であり、重要な顧客や大口の契約相手などを招くことも考慮したうえで、レイアウトを考えましょう。
レイアウトするうえで、欠かせないポイントは以下の通りです。
経営方針に合わせたデザインを選ぶ
社長室で企業イメージや経営方針を具現化すると、来訪者に企業の一貫性をアピールできます。
たとえば、「オープンで透明性のある経営」を掲げている企業なら、ガラスパーティションや明るい開放的なデザインを採用する、高級感や伝統を重んじる企業では、クラシックで上質な家具や装飾を選ぶことでイメージを具現化できます。
強固なセキュリティ対策を実施する
社長室は企業の中でも特に重要な情報が集まる場所であるため、強固なセキュリティ対策が求められます。防犯ガラスや電子ロックや物理的なセキュリティ対策と合わせて、不正アクセス対策などのサイバーセキュリティも強化させましょう。
効率的に作業できるスペースを確保する
社長室に求められるのは、十分な作業スペースと打ち合わせスペースの確保です。この2つのスペースを一つの空間に取り入れるためにスペース効率の高いデザインや家具配置の工夫が欠かせません。例えば、2つのエリアを明確にゾーニングしつつ、双方がスムーズに切り替えられる配置を取り入れると効果的です。また、収納機能を備えた多機能な家具や可動式テーブルを活用することで、スペースを無駄なく活かしながら、快適な空間を実現できます。
セキュリティがありつつも閉塞感は出ないようにする
社長室はどうしても出入りしにくいイメージがあります。威圧感のあるデザインだと企業全体の印象も堅苦しいものにしてしまう可能性があるため、なるべく柔らかい雰囲気を演出しましょう。
大型家具を必要以上に置かず、動線を意識した配置にするだけでも圧迫感の軽減が可能。さらに観葉植物やアートを取り入れることで親しみやすい空間になります。

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社長室に置きたい家具
以下では、社長室に設置されることの多い代表的なアイテムをご紹介します。
執務に使用する家具
社長が執務を行うためには「執務用デスク」「パソコンモニター」「椅子」「書類棚」「サイドボード」「応接セット」などが必要です。それぞれのスペックにこだわりたいのはもちろんですが、スペック以外に社長室の雰囲気に合う色や素材のものを選ぶことをおすすめします。
社長室のコンセプトを決め、それに合わせた色合いのものを選ぶようにしましょう。最初にコンセプトを決めておけば、トーンを統一しやすく、落ち着いた雰囲気の社長室を作ることができます。
自社製品
自社製品を見えやすい場所に置いておくことで「社長は自分たちの製品に誇りを持っている」と社員に感じてもらうことができますし、来訪者にも好印象を与えることができます。社外の来訪者が「社長を中心に自社製品への想いがある会社」といった印象を受ければ、会社のイメージ向上にもつながるでしょう。
観葉植物
植物にはリラックス効果があり、すがすがしい空間を演出してくれます。重責を担う社長が執務するスペースですから、植物を置くことで空気が和らぎリフレッシュに役立つでしょう。
ただし、繊細でメンテナンスが大変な植物を置いてしまうと、世話に時間を要してしまう可能性も考えられます。社長自身忙しく、社員の出入りも制限される社長室に植物を置く場合は、水やりや日当たりの管理が比較的容易で、手間をかけずに美しい緑を楽しむことができる観葉植物がおすすめです。
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社長室のデザイン事例
ここでは、弊社リリカラが手掛けた社長室の事例をご紹介します。品格と機能性を兼ね備えたデザインをぜひ参考にしてください。
品格と開放感が共存する社長室(エリア)
明治アニマルヘルス様のオフィスは、社員間のコミュニケーションを活性化させるため、仕切りのないオープンレイアウトを採用しました。社長の執務スペースもあえて個室を設けず、社員全体を見渡せる開放的な設計に。エグゼクティブエリアとして、重厚感のある家具を配した打ち合わせスペースを設け、品格と開放感が調和する空間を実現しました。社員とのフラットなコミュニケーションが生まれる風通しの良いオフィスが整いました。
明治アニマルヘルス株式会社様 事例詳細
多様な働き方とワーカーの繋がりを支えるオープンなオフィス
会社の印象にもつながる社長室のレイアウトに拘ろう
社長室は社長が執務するための部屋でありながらも、外部の人からの会社のイメージが決まる場所の1つです。そのため、一般社員が仕事をする執務室とは意義が異なります。存在感を示すデザインになるようにしながらも、観葉植物などを置いて閉鎖感は出ないように工夫することがポイントとなります。
社長室を新設する場合やリニューアルを検討している場合は、ぜひリリカラにご相談ください。

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