企業のオフィスは社員の生産性や業務のモチベーションにも関わる重要な要素です。社員から「オフィスを改善してほしい」と要望があっても、最新のオフィストレンドや手順が分からない、費用や工数に対して得られるメリットを検討できないなどの理由で、後回しになることも珍しくありません。
その場合は、空間デザインやデスクレイアウトからチェックしてみましょう。この記事でオフィス空間デザインの概要や改善方法などをお伝えします。

リリカラが手掛けたオフィスのデザイン事例をご紹介します!
目次
なぜオフィス空間のデザインは重要なのか?

そもそもオフィスの空間デザインとは何を指し、なぜ重視されているのでしょうか。
オフィス空間のデザインとは
空間がより過ごしやすくなるように照明や家具、内装品の配置などをトータルデザインすることです。オフィスや店舗、一般住宅など、幅広い空間でデザインが施されています。
特にオフィスにおいては、空間デザインで快適な環境を作り出すだけでなく、会社の想いや企業コンセプトなども伝えることができるため、疎かにしてはいけない要素になっています。
ニューノーマルに対応するため
オフィスの空間デザインが重要視される理由の一つは、時代の変化に対応し、柔軟に空間を進化させる必要があるからです。数年前、新型コロナウイルスの影響で多くの企業がテレワークを導入しました。その後、出社とテレワークを組み合わせた働き方が定着し、現在ではオフィス回帰の動きが加速しています。
この変化に伴い、オフィスのあり方も進化しています。感染症対策を重視したレイアウトから、フリーアドレス制の導入や、チームの協働を促す空間設計へとシフトする企業が増えています。つまり、変化に応じて柔軟にデザインを調整できるオフィスが求められているのです。
企業が空間デザインを改善するメリット
「オフィス空間のデザインを改善したいが費用対効果が不安」というご担当者様もいらっしゃるでしょう。デザインを改善することで、得られるメリットを4つご紹介します。
企業のメッセージを伝える役割
企業がオフィスデザインを工夫することで、その空間を訪問した社内外すべての人に会社の想いやコンセプト、文化を伝えることができます。また、社員の快適性や働きやすさを第一に考えたデザインを設計できれば、企業に対する信頼度向上につながり、離職率の低下も期待できるでしょう。
経営者や上層部から直接社員と関わる機会は少ないかもしれません。オフィス空間を改善するという目に見える形にすることで、従来よりも従業員への感謝や期待が伝わりやすくなるのではないでしょうか。
ABWやリモートワークの導入がしやすい
オフィスへの出社頻度が減ったことで、社員同士のコミュニケーション量が減り、業務に支障をきたしている企業も少なからず存在します。
オフィスデザインを改善し、気軽に情報交換や相談しやすい空間を作ることで、ABWやリモートワークの導入ハードルが大きく下がります。例えば、完全フリーアドレスの導入によって、出社頻度が少ないなかでも社員間のコミュニケーションを活性化することが可能です。
※ABW(Activity Based Working)・・・仕事内容や目的に合わせて、働く場所や時間を自由に選ぶことができる働き方
従業員満足度向上
在宅勤務をはじめ新しい働き方が広まり、オフィスの快適性を重視する人も増えました。デスクレイアウトを改善することで、オフィスでの業務がしやすくなる、部署間のコミュニケーションがとりやすくなるといった効果が出れば、従業員の満足度向上も期待できます。
働きやすく、快適なオフィスデザインは社員のモチベーションや生産性にも大きく関わっているのです。
採用活動で有利になる
働きやすい職場であることは、社員だけでなく就活生にとっても魅力的な要素です。重苦しい空間よりも、明るく快適な空間である方が企業に対するイメージも良くなるほか、出社意欲の高い学生にも興味を持ってもらいやすくなります。
もちろん見た目も大切ですが、それ以上に業務のしやすさやコミュニケーションの取りやすさをアピールすることで働きやすさを実感してもらえるでしょう。
生産性がアップするデスクのレイアウト

オフィスの空間デザインで重要な働きやすさですが、それにはデスクのレイアウトを工夫することがポイントです。以下で一般的なデスクレイアウトの種類と特徴を紹介します。
対向型
部署やチーム毎にデスクを向かい合わせて1か所に集まる形式です。上長など管理職にあたる社員はデスクを垂直につなげて島全体を見渡せるようにします。
グループ内のコミュニケーションがとりやすい、チームの業務状況を把握しやすいなどのメリットがある一方、「ワークスタイルが変化しているなかでは最適な形ではない」という意見も挙がっています。
多目的スタイル
通常業務に加えて会議やイベントなど、多様な用途に応じて素早く柔軟に形態を変えられるレイアウトのことを指します。従来の固定的なレイアウトにとらわれず、限られたスペースを最大限に活用できる点が魅力です。この柔軟性により、オフィスの効率性を高め、働く人々の多様なニーズに応えることが可能になります。
背面型
背面型は、背中合わせでデスクを配置するレイアウトです。個人の作業に集中できるほか、部署やチームで席を近くすれば気軽にコミュニケーションがとりやすく、メリハリをつけやすいため生産性向上につながるでしょう。
フリーアドレス
座席を固定せず自分の好きな席で業務を行うスタイルです。オフィスに在籍している人数に合わせて効率よくスペースを活用することができます。また、いつも一緒に仕事をしていない社員とも顔を合わせることができるため、社員同士のつながりを深めやすくなります。
エリア別のデザインポイント
オフィス全体を快適で生産性の高い空間にするために、エリア別のデザインのポイントをご紹介します。各ポイントを取り入れることで、より生産性の高い空間に仕上がります。
エントランス
エントランスは企業の顔となるため、ロゴやブランドカラーで個性を表現し、訪問者が迷わないよう案内サインや受付システムを整えましょう。さらに、快適に過ごせるよう、椅子やグリーン、照明などを工夫し、居心地の良い空間をつくることも大切です。
執務室

執務室は、社員の生産性や満足度を高めるため、集中しやすい環境を整えましょう。動線を意識し、デスクや収納の配置を工夫することで、スムーズな移動と作業効率の向上が図れます。さらに、長時間の作業に配慮し、座面や背もたれの調整が可能な椅子や、高さを調整できるデスクを選ぶことで、快適な作業環境を整えましょう。

会議室

会議室は、機能性と快適さを兼ね備えた空間づくりが重要です。レイアウトを柔軟に変更できる家具を活用して、会議の内容や参加人数に応じて自由に配置を変更できるようにしましょう。また、遠隔会議をスムーズに行える環境を整えることも大切です。ビデオ会議用のカメラやマイク、吸音パネルを用意すると快適な会議環境を維持できます。

集中スペース
セキュリティエリア
セキュリティエリアは機密情報を扱うため、デザインと物理的な隔離の両面で配慮が必要です。重厚な扉を採用し、パーテーションや壁で視覚的なバリアを設けることで、情報漏洩を防ぎましょう。また許可された社員のみが入れるようにカードリーダーや指紋・顔認証を導入してアクセス管理も強化。サーバーの設置場所には、監視カメラやセンサー、適切な物理的セキュリティを施し安全性を確保しましょう。


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ぜひ取り入れたいオフィストレンド5選
企業と社員にとって快適で生産性の高まるオフィスにすることは重要です。ここではよりよいオフィス環境にトレンドを5つご紹介します。
SDGsに配慮したオフィス
SDGsに配慮したオフィスは、環境面のみならず企業のブランディングや採用にも良い影響を与えます。環境負荷の少ない建材やリサイクル資材でオフィスを構築し、オフィスのエネルギー消費を抑えるために、LED照明や高効率空調を導入しましょう。また、オフィス家具もサステナブルなものを選ぶことが大切です。
ウェルビーイングを考え抜いたオフィス
ウェルビーイングに配慮したオフィスは、社員の生産性やモチベーションを向上させるとともに、企業の魅力を高める要素にもなっています。特に、自然光の取り入れやエルゴノミクスに基づいた家具の導入、リフレッシュ可能な休憩スペースなどが取り入れられています。社員の心身の健康を支える快適な作業環境を提供しましょう。
IoTを取り入れたオフィス
オフィスにIoTを採用することで、効率的で快適なオフィスが実現できます。スマート照明や温度管理を導入すると空間の明るさや温度を自動調整し、エネルギー効率を向上させつつ、快適な作業環境を提供できます。会議室や執務室にスマートデバイスを導入すれば、会議予約やプレゼンテーション機器の接続が自動化され、業務がスムーズに進行します。IoTではデータの収集が可能であるため、そのデータを元に業務プロセスやオフィス運営を改善することも重要です。
WEB会議ブースが設置されたオフィス
ハイブリッドワークやフレキシブルワークが進む中で、ビデオ会議や電話会議などにも対応できるWEB会議ブースが注目されています。社員が集中して作業する場としても活躍するため、オフィス全体の生産性向上にも貢献。下記コラムでWEB会議ブースの選び方や注意点を紹介していますので、ぜひご一読ください。
社員主体で創るオフィス
エンゲージメントやウェルビーイングを重視するワーカーの増加により、仕事環境に対する社員の意見を反映させる企業が増えています。アンケートやワークショップを通じて、オフィスに求める要素を把握し、それに基づいてデザインを進めます。弊社リリカラ株式会社の日比谷オフィスも社員の意見を元にオフィスをデザインしています。随時オフィス見学を開催しておりますので、興味のある方はぜひお申込みください。
理想的な空間デザインにするためのポイント
空間デザインでオフィス改善を図りたいが、「何から手を付けるべきか分からない」という方へ、理想の空間を設計するためのポイントをお伝えします。
社員の安全を確保する
まず重要なのは衛生面への配慮です。新型コロナウイルスをはじめとしたウイルスへの脅威など、衛生面への不安は以前より増しています。これらへの配慮が欠けていると、企業に対しての不信感につながりかねません。
また、リフレッシュスペースなど休憩に使える場所を設けることで、健康面の不安解消やモチベーション向上に寄与することでしょう。
企業理念や理想のスペースから考える
大事にしている企業理念や、思い描いている理想の社内環境などから逆算するのもおすすめです。オフィス空間にこだわることは、社員に対して会社として日々考えていることや感謝など、想いを伝えることでもあります。
今後どのような会社を築き上げたいか、どんな雰囲気で働いてほしいかなどを見つめなおしながらオフィス空間をデザインすることで、社員からの信頼性は強くなるでしょう。
ストレスフリーな空間
社員にとっての働きやすさ、業務への取り組みやすさは、デザインのうえで外してはいけない要素です。
チーム・部署間の関わりや重要な業務フローなどを洗い出し、その情報をもとにレイアウト決定や動線を確保することで、オフィスデザインで失敗する可能性を減らすことができます。
オフィス空間に会社の想いを反映させてみませんか
空間デザインは一般住宅だけでなくオフィス空間の設計にも活用されており、費用以上に多くのメリットを享受できます。特に、企業のコンセプトや想いを浸透させて、社員のモチベーションアップにも寄与できるのは大きなポイントです。
近年は働き方もさらに多様化していますので、自社の推奨する働き方に合わせたオフィス空間をデザインしてみてはいかがでしょうか。
オフィス移転やリニューアルを手がけるリリカラでは、3万件の実績がございます。空間デザインにこだわりたい・企業の生産性を高めたいと思っているご担当者は、事例などもご紹介しますので、お気軽にご相談ください。

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